2023年08月15日

生成AI時代の歩き方 終戦記念日

今日は終戦記念日です。

1945年8月15日 天皇の終戦の玉音放送が、ラジオで流れました。


日本全国の大都市が空襲で焼け野原になり、広島、長崎で原爆を落とされ、ソ連が参戦してきました。

私も小さい頃から、原爆や空襲の悲惨なドラマや本をテレビでみたり、図書館で読んだりしていました。「8月がくるたびに」という絵本は繰り返し読みました。
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そんな悲惨なことがおきてから、15年後に生まれ、多感な少年期は30年後ぐらいでした。

当時は、今よりはるかに終戦記念日は、社会の大きな出来事だったと思います。

私も、なぜ、日本は、巨大な米国などと戦争に突入などしたのか、なぜ戦争を回避できなかったのか、物心つくころから思っていました。

もっとも印象にのこる、その言葉は満州事変の張本人、陸軍きっての天才といわれた石原莞爾中将の、東京裁判山形出張所での言葉です。裁判官から、戦争責任はどこにある、というと、石原莞爾は、大声で、「明治維新のペルーの黒船艦隊だ!」と叫んだそうです。


それが、歴史を知る人の正解だと私も思います。

戦国時代、日本は世界最強の軍事国家でした。
それを利用しようと、豊臣秀吉は慶長の役を起こしました。
しかし秀吉の死後、天下を統一した家康は、世界に目を向けず、武器をみんな寺の釣り鐘や農機具に作り変え、平和な260年の礎を作りました。軍事の強い武将で、このような人物は古今東西どこにもいなかったでしょう。

江戸時代は学問を中心に、戦争もほぼなく、非常に平和で豊かな社会が実現されました。世界で最も暮らしやすい、知的水準の高い国家だったのです。

それを嘉永六年ペリーが大砲で脅して、開国を迫り、植民地化の危機意識から、江戸幕府は倒れ、明治政府が樹立され、富国強兵のスローガンのもと、着実に国力、軍事力をのばし 、日清戦争に勝ち、日露戦争にかろうじて勝ち、世界で恐れられていた2大国を打ち破ったことで、大衆も日本が無敗の神国と勘違いし、軍国主義化していったのです。

石原莞爾の指摘はそのことを言ってるのです。
515事件で、海軍将校が犬養毅を暗殺したとき、嘆願書が山のように送られ、だれも死刑にならなかった。
226事件は、陸軍上層部は守ろう、という動きもあったが、さすがに天皇が強硬に指示して鎮圧しました。
しかし226事件以降は、軍部の暴走をとめることはできなかった。昭和天皇も回顧録で、もし、太平洋戦争を許認可しなければ、自分の身にもなにか起きたかもしれない、と独白された記録があります。

臣下の閣僚が皆殺しに近い形になった226事件以降は、天皇ですら危険を感じていたのだから、ましてや、閣僚はみな戦争への道を反対すれば、命はない、と感じたでしょう。

大きな統合的な戦略もなく、縦割りの官僚よろしく、陸軍は満州へ、海軍は石油を求めて東南アジアへと侵攻していきました。

真珠湾攻撃は、そんな中で、海軍中心にその計画を進めていったのです。

こんな軍事力のまた裂きのような状態で、米国に戦争を仕掛けたのです。本当は、追い詰められて、やむなく口火を日本から切ったのですが。

それで、戦後、GHQの指導のもと、愛国賛美や軍事崇拝を徹底的にタブーとして貶めてきました。憲法も世界で初めて戦争放棄を掲げました。
もちろん私も、反戦、反軍事、反権力という、教育を受けてきました。

しかし昨年に起きたウクライナ戦争は、核を手放した国家が、いとも簡単にロシアの侵攻を許し、全土が戦場になりました。

これで日本は本当にいいのか、という問題を押し付けられました。
隣国は核を持つ独裁国家中国ロシア北朝鮮です。

独裁国家の戦争勃発の確率は、民主国家の10倍ともいわれています。

そして台湾有事は一食触発です。

戦争を起こさないためにはどうするか、これは国民全員の課題です。

そのなかで、戦後は、平和主義、核廃絶、戦争放棄こそ平和への道でしたが、いまはそれがなおさら戦争を誘発する可能性があることをウクライナは証明しました。

歴史的に見れば、戦争が勃発を始めた南北朝時代から、室町時代、戦国時代までの267年戦乱の世が続き(1333年から1600年)、江戸時代の平和な267年が続き(1600年から1867年)、戦争の多かった明治大正昭和初期の78年戦争の時代が続き(1867年から1945年)、戦後から今年までの78年が平和な時代でした。(1945年から2023年)

そうやって見ると、来年から日本も戦争の時代になります。

経済的な復活が、日本を戦場にすることから守ります。
それは、ポールケネディが「大陸の興亡」という本で明確になります。

恐ろしいです。 なにげない日常の中で、ある日突然ミサイルが落とされ、日常世界は一変します。ウクライナの人はそう言っていました。

日本人にできることは、日本国民にできることは、なるべく早くひとりでも多く生成AIの活用方法を覚えて国民の知的ステージを飛躍させることです。

まずは、日本人は、平和ボケ脳を切り替える必要があります。どの外国へ行っても、常に身近に戦争がり、まったく気配すらないのが、日本でした。

タイとカンボジアの国境は、機関銃やバズーカ砲を持っている兵がうろうろしていました。
DMZと呼ばれる非武装中立地帯は、北朝鮮との国境で、韓国の兵隊は、あまりの緊張と恐怖から精神を病んだり、自殺したりする徴兵があとを絶たないといいます。

米国も、中国も、イギリスもフランスも常在戦場です。

とにかくこの国が戦場にならないようにするためには、国民知の上昇が必要です。
生成AIの出現は、すでに教科書に記述されている内容を解答する試験に、なんの価値もないことが明確です。

生成AIを中心とする教育こそ、国を二度と滅ぼさないための教育だと思います。

2023年08月12日

生成AI時代の歩き方 まもなく日本は復活する可能性が出てきました。

日本はバブル時代のような証券市場での高株価維持と、都心でのマンションの平均価格が1億3千万円と高騰しています。

30年にわたる低成長であり、東北の大震災、国内産業の空洞化、コロナパンデミック、税負担率の上昇などいいことのなにもない、日本でなにが起きているのでしょうか?

しかし、これは気まぐれな一時しのぎの現象ではありません。
まもなく日本は復活する可能性が出てきました。

理由は、日本の大企業が、中国投資をストップして、国内に回帰を始めたからです。
中国の巨大市場で、大きく利益をあげた大企業も多くはありましたが、中国での活動で得た利潤は、中国から持ち出せず、中国国内でしか再投資できません。なので、大企業は連結決算では、中国依存で大きく売り上げをあげましたが、実際に中国以外、特に日本国内での投資は多くはしませんでした。
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その結果日本は30年間GDPが上がらず、中国は急成長し、2011年に逆転し、公表では現在日本の3倍のGDPです。

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日本は円安で、それにもかかわらず長い間強いデフレ経済でした。最近ウクライナ戦争で、インフレに転じてはいますが、諸外国に比べ、インフレ率はそれほど高くはありません。例えばタイと比較しても、普通の物価は日本より3割くらい安いだけです。タイにもダイソーがあり、100バーツショップと表示されていますが、300円ショップです。35バーツショップはありません。
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マクドナルドもかつやもありますが、日本の値段は同じか、心持若干高いです。
伊勢丹など高級デパートやユニクロさえ、日本より同等の商品は、タイの方が高いです。

初任給の人件費はまだ日本が高いですが、管理職や専門職など、中間管理職以上になると、タイの企業にすら賃金で抜かれます。仕事における人の依存度もどんどん低くなるし、社会の治安の良さと、日本人のまじめさ、対外的なブランド力を考えると、日本への投資回帰は、コスパがいいのではないでしょうか。

さらに、現政権下で、生成AIの積極活用を打ち出し、特に教育でも、企業でも肯定的です。

国民ひとりひとりが、AIをうまく活用して、ビジネスに活かすことができれば、日本人のスキルレベルはあがります。

現政権はリスキリング(再スキルアップ教育)なるもの、ようするに、社会人の再教育によって、そして転職や副業など、労働流動性をさらに活発化させることにより、経済を活性化させようとしています。

そのことは、とても正しいことだと思います。まだ未知数ではありますが、生成AIの活用は、
活用を取り入れた企業ほど成功していく
ことが予想されます。

この30年、よりITを積極的に導入した企業ほど、成長する、とは言い切れませんでしたが、AIの活用度はそのまま企業の収益向上に反映することが、予測されます。

これらを踏まえた上で、何が日本復活の可能性を高めるのかというと、大企業だけでなく、中小企業や個人も含めた広範な産業全体の生産性向上です。大企業の中国からの撤退と日本への再投資は、一部の大企業の収益を確保するだけでなく、全体の産業構造を強化するチャンスを与えています。つまり中小企業の復活こそが、日本復活なのです。

更に、AIを含むデジタルテクノロジーの進歩は、生産性を向上させる道具であり、産業全体の効率化を推進する可能性を秘めています。 企業にとってAIの活用度は、単なる収益向上だけでなく、中小企業やスタートアップ企業の人材不足を解消し、新たなビジネスモデルを生み出す基盤となり、社会的な価値を創造する可能性を持っています。

また、教育の改革も日本復活の鍵を握ります。現政権が進める再スキルアップ教育や労働流動性の活発化を通じて、個々の国民のスキルの底上げを目指すことで、一人一人が活躍する社会を築くことができます。

しかし、これらの変化が起きるには、ルールメーキング、社会インフラ整備、資本投入など、国や地方公共団体の果たすべき役割があります。これにより、産業全体の価値創造や労働者一人一人のスキルアップに繋がると共に、日本の経済力を再び高める可能性があります。

日本が復活するためには、国際競争力の強化、生産性の向上、技術革新、教育改革など様々な要素が関わってくると思いますが、その中でも大企業の投資回帰・デジタル化・教育の進展は大きな鍵となるでしょう。デジタル化や教育の進展を通じて人々のスキルアップが進むことを期待しつつ、大企業だけでなく中小企業や個人までが一緒に成長していけるような社会形成に期待したいところです。

そして、以上のことは、手前味噌ですが、「AIの普及」以外は、2009年に出版した「究極の経営」で述べたこととほぼ一緒でした。
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https://www.media-5.co.jp/hp/info/new/kyukyoku.html


当時の経済学者や経済評論家は、日本の経済における門戸開放と、海外投資こそ日本経済の発展には必要と、みな主張し、M&Aが活発になり、株式市場も海外からの買収などに有利になルール変更され、にもかかわらず株価と経済の低迷を招き、多くの企業が弱体化し、外資に買われたりしていきました。

そして、当時は日本のより多くの企業が中国への投資に夢中になり、ほとんどの大企業は、中国に生産拠点を持っていき、しかし、その利潤を中国国外に持ち込めず、中国の驚異的なGDPの増加に貢献すれども、日本のGDPがほぼ横ばいの主要な原因となりました。

ただ、ニート、フリーターの一部は、yutuberという個人事業主となって、独立自営する人が急増しました。

「究極の経営」では、個人のスキルアップモチベーションで、リスキリングを行う、というものでしたが、GDPの鈍化から、そういうモチベーションは日本国内では生まれませんでした。

また、スキルといっても、知識を増やすことはできても、人間の思考力という資質は到底努力だけで向上するものではありませんでした。

国民、一般大衆の思考力を底上げするには、この「生成AI」というだれでもが、簡単に手に入れら、簡単に活用できる知能の道具が普及する必要があり、それは14年の歳月を待たなければなりませんでした。

また、中国という、米国に追いつくまでに急成長した巨大国家が、経済的に行き詰まり、国内を安定させるために、さらに経済面での締め付けを強化し、日本の大企業が中国市場での投資を考えなおし、日本市場への回帰がはじまるつつあるチャンスを迎えることも大きな環境要因になりつつあります。

「生成AI」の登場で、このツールをより積極的に効果的に活用することこそ、リスキリングが努力しないで、一瞬で実現できてしまうのです。

そういう効果的なツールを当社は作りました。
ラーニングスケルトンAIです。
シート上で、自分の構想や企画、ノートに書きたいことを並べて、文章を選択するとCHATGPTが起動して、アドバイスしてくれます。そして選択をはずしてAI探求ボタンを押すと、関連情報を重要項目ごとに表示します。

ビジネスで活用するラーニングスケルトンAI
https://www.media-5.co.jp/hp/office/

あらゆるあなたの仕事を飛躍的にバージョンアップさせます!

そして教育変革を先取りする学校現場でのラーニングスケルトンAI
https://www.media-5.co.jp/hp/class_example/
ラーニングスケルトンAI教育活用法
https://www.media-5.co.jp/hp/learningskeleton/openai/

2023年08月03日

生成AI時代の歩き方  2江戸に学べ

もう、15年前になりますが、2008年、NHKの大河ドラマ「篤姫」は、今までにない高視聴率で、大変な人気だったようです。私も毎週楽しみに見ていました。なぜ、こんなに人気なのかが、ずいぶん話題になりました。私は、戦争シーンが少なく、女性にスポットを当てていることが良かったと思います。

しかし、本当のところ、今日の世情、もしくは視聴者の心理、もっと言うと、今の日本が「落日の徳川家」と重なるからではないでしょうか。だから、どんなに一生懸命頑張っても何かが滅びゆく大きな流れの中で、篤姫が健気に明るく生き抜こうとする姿がとても清々しく感動的に思えたのでしょう。

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今、どういう日本が滅びようとしているのでしょうか。皮肉にも篤姫たちを葬った社会、つまり黒船来航から始まった、欧米を目標としてきた日本社会なのかもしれません。明治以降、日本は欧米に追いつくために富国強兵、殖産興業をスローガンに国力を伸張させ、日清、日露戦争を経て、ようやく列強に追いついてきました。ところが太平洋戦争の敗戦で、ゼロに戻り、戦後は強兵を捨て、殖産興業で、再度欧米にチャレンジして世界第2位の経済大国にまでなったのです。

さらにバブルの波に乗り、米国まで追い越しそうになったとき、1991年、バブル崩壊が起き、30年もの長い間立ち直れずにいました。その後、米国主導のグローバリゼーションの中で、やっとBRICsの台頭に活路を見出しましたが、それもつかの間、2008年に発生した世界同時不況のもと、その活路も失い、本当の行き詰まりに直面し始めました。

もともと日本は、欧米列強の勢いに押されて、江戸幕府が倒れ、欧米のシステムを猿まねのように取り入れた側面があります。それから140年間は、欧米への憧れから、そのシステムを表面的に取り入れながらも日本的経営で成功してきたのです。ところがバブル崩壊後のこの10年、余裕のない日本企業は日本的経営を捨て去り、非正規雇用社員が4割もいる、先進国でも類を見ない社会になってしまったのです。

しかし、今の日本は経済の停滞や労働問題、少子高齢化などの課題に直面しています。また、国際的な競争力も低下しており、新興国の台頭によって日本の地位が揺らいでいます。さらに、政治不信も根強く、社会的な不満や不安も広がっています。

このような状況下で、大河ドラマ「篤姫」は、歴史的な時代や社会の中でひたむきに生き抜く主人公の姿を描いていました。それは、今の日本人の心情や現実と重なる部分があるため、多くの人々に共感を呼び起こし、高い人気を得たのかもしれません。

また、「篤姫」は女性の視点に焦点を当てていたことも一因として挙げられます。女性の社会進出や権利の向上が進んでいる現代社会において、女性の力強さや生き抜く姿勢に共感する視聴者が多かったのかもしれません。

さらに、歴史的な背景を持つ大河ドラマとしての魅力もあったと思います。日本が戦後復興を遂げ、経済的に成功してきた過程で、何かを失ったり犠牲を払ったりしてきた歴史は、今の日本人にとって考えるべきテーマなのかもしれません。

総じて言えることは、大河ドラマ「篤姫」が高視聴率を獲得し、人気を博した要因は多岐にわたるということです。戦争を扱わずに女性の視点を描いたこと、現代の日本の課題と重なる要素を持っていたこと、そして歴史的な背景を持つ魅力があったことが、その理由の一部かもしれません。

山本七平(1921〜1991年)はその著書『指導者の条件』(文藝春秋社刊)の中で、日本型経営を作り出したのは、「一揆」だと言います。一揆というと百姓一揆という抵抗運動をイメージしますが、もともとは、利益に基づいた集団規約を指すのです。そして、その建前は全員平等なのです。

江戸幕府はなぜ長続きしたのか。様々な要因が考えられますが、徳川家康が、その「一揆」という日本的組織を十分把握したうえで、江戸幕府のシステムを作った要素が大きいと思います。士農工商それぞれの階級が独立していて、それぞれ皆、哲学と誇りを持っていました。そして、同じ階級の中では皆が平等な組織体系の中で、共同体を形成していったのです。もちろん武士階級は身分へのこだわりを持っていたように見えますが、よく見ると、そうでもないところもあるのです。実は身分間の流動性があったのです。勝海舟のように曽祖父が検校として蓄財したおかげで武士になれた者や、商人に借金が返せない藩が、その商人の息子を養子にするという形で一定期間藩主にして、借金を棒引きにしてもらったという例もありました。

それに対して、欧米の社会は個人主義的で、階級差が大きく、利益を追求することが重視されます。そのため、結果的に日本的な共同体主義的な経営スタイルが長く続くことができたのです。しかし、バブル崩壊後の日本経済の苦境により、企業は利益最大化を追求するために非正規雇用を増やすなど、日本的な経営スタイルを捨てざるを得なくなりました。

現代の日本の社会は、非正規雇用者が増加し、経済格差が広がるなど、問題が山積しています。これに対し、山本七平は一揆の精神や組織を経済の中に取り入れることで、日本経済を立て直す可能性があると主張しています。一揆では利益分配や労働条件を合意に基づいて決めることが重視され、共同体の一員として平等に扱われることが特徴です。

このような共同体主義的な経営スタイルを取り入れた企業や地域が、社会的な安定や経済の発展を促すことができる可能性があります。しかし、現代のグローバル経済の中では、競争力や利益最大化が求められるため、このような日本的な経営スタイルがいかに活用されるかは課題となっています。

経済のみならず、社会全体の課題解決にも日本的な組織や価値観を取り入れることは有益であると考えられます。しかし、それが現代の国際社会との調和や競争力との両立にどのように繋がっていくかは、慎重に検討すべき問題であり、日本のリーダーや経営者に求められる能力の一つと言えるでしょう。

明治に入ると、欧米のシステムに合わせようとしたのですが、もともと日本では、外部のシステムを日本的に改良して入れるものは入れる反面、受け入れられないものは頑として拒むという土壌がありました。日本的経営といわれる下から上へ稟議を上げるボトムアップ型の組織は、まさにトップダウン型の欧米型ツリーシステムを取り入れた中で、日本型一揆組織を実現した組織形態だったのでしょう。

しかし、この30年の間に、日本企業は派遣社員・期間従業員を増やし、正社員も、年配者からどんどんリストラすることで、500年以上続いた盟約に基づく日本型一揆組織を排除したのです。その結果、日本の企業の生産性は、先進国中最下位にまで転落したのです。それでは、これからどのようになるのか。奇しくも、ドラマで篤姫が江戸城を去る前に言った言葉にヒントがあります。

「私たちが残すのは、徳川の城ではない。徳川の心を残すのです」江戸時代は9割近くが農民で、農民も一部の小作人以外は自営であり、そのリーダーは民意で選ばれ、農村は自治が中心に営まれていました。今企業は、中小企業が9割です。農村と中小企業は、組織の9割を占めているというところが共通しています。この苦況の中では、篤姫が言うように「徳川の心」を思い出せば良いのです。
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「徳川の心」とは、徳川幕府が作り上げた日本の村落共同体の心なのだと思います。徳川幕府の崩壊とともに幕を開けた欧米追従の国家はもう限界です。
先ほど述べた明治以降の日本型経営は、実体は村落共同体と欧米型組織との折衷だったのです。今こそこの不況下で、新しいスタイルを持った本来の日本型組織の経営にすることが、大切なのです。

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日本型経営の特徴は、一揆や村落共同体のような日本的な組織をシステム化することです。江戸時代の経営スタイルは、地域のリーダーが民意に基づいて選ばれ、自治が中心に営まれるという特徴がありました。また、明治以降の日本型経営は、欧米の組織モデルとの折衷で、和洋の要素が取り入れられました。

しかし、近年の日本企業は、派遣社員や期間従業員の増加、正社員のリストラなどを行い、日本型一揆組織を排除してきました。その結果、日本の企業の生産性は下がり、先進国の中で最下位になってしまいました。

今後は、不況の中で新しいスタイルを持った本来の日本型経営を取り戻すことが重要です。そのためには、徳川幕府が作り上げた村落共同体の精神を思い出し、日本的な組織の経営を実現する必要があります。

そして実は生成AIは、この日本型経営システムをより効率よく効果を発揮するとんでもなく素晴らしいツールなのです。

欧米型の経営はMBAなどエリート教育で磨き上げた、非常に能力のたけた層による効率的なトップダウンの仕組みです。しかしそのエリート教育というのは、論理力、情報収集力、判断力がより訓練により卓越したスタッフの独断にかかっています。
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生成AIを活用すれば、このエリート集団の論理力、情報収集力、判断力を一般の人民も活用することができるのです。よってみんなが生成AIを活用して議論することで、一握りのトップエリートの決断を凌駕する決定を作ることさえできるのです。

今こそ日本型経営を発揮させるチャンスが到来したといえます。

2023年08月01日

生成AI時代の歩き方 個人の能力を高めるITのツールで、エネルギーを取り戻す

個人の能力を高めるITのツールで、エネルギーを取り戻す

私は昭和35年、埼玉県浦和市(現さいたま市浦和区)に生まれました。昭和35年というと、ちょうど高度成長期が始まり、ようやく世相が明るくなり始めた頃です。2歳ぐらいから記憶があるのですが、子どもの頃、よく母に上野のデパートに連れていってもらいました。浦和から京浜東北線に乗って車窓を眺めていると、川口あたりで、鋳物工場が数多く立ち並び、キューポラという煙突からもうもうと煙が流れているのが印象的でした。今ではほとんど見当たりません。

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上野駅前には、白い服を着た傷痍軍人と呼ばれている人たちが大勢いて、アコーディオンを弾いていました。なぜかいつも物悲しい曲でしたが、そんな駅前の侘しさとは比べ物にならない程、当時の上野は今以上に賑わっていて、デパートの屋上の遊園地で遊ぶのがとても楽しかったのを覚えております。帰りにはおいしいお菓子を買って帰りました。今でも私は、その当時の面影を残す上野や御徒町界隈が大好きです。
小学4年生頃から、一人で東京の塾に行くようになったのですが、ヘルメットをかぶり、手ぬぐいでマスクした大学生と思しき人たちをはじめとして、ものすごい数の人々が都内の電車の中や道路に集まっていました。

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当時の日本は、エネルギーと活気にあふれていると感じました。特に東京へ行くとき、駅や通勤ラッシュ時には、人の波が絶えず押し寄せてきて、私は子どもながらもその光景に圧倒されました。彼らは一日の仕事を終えて帰る途中だったり、友人との待ち合わせだったり、様々な目的を持ちながら都会の中心に集まっていました。

そのような人々を見ていると、自分自身も何か大きな仕事や目標に向かって努力しているような気持ちになりました。だからこそ、一人で塾に通うことにも抵抗はありませんでした。それが当たり前のように感じていました。

中学生の頃、私はオイルショックが起きた時に母親が大量のトイレットペーパーを買いだめしている姿に驚いた思い出があります。

大学卒業後は円高不況の時期に就職難に直面しましたが、入ったベンチャー企業が3年間で急成長し、一部上場企業になりました。
ちょうど昭和天皇が崩御した時に転職し、28歳の若者である私にも1000万円のプロジェクトが依頼されました。

その頃から世の中の勢いが増し、バブル時代のピークがやってきました。不動産成金の銀座での贅沢な暮らしが報道され、全国にエネルギーがみなぎっていたように感じました。
しかし、バブルは2、3年で崩壊し、仕事を得ることも難しくなっていきました。

私はIT関連の新規事業のコンサルタントを担当していましたが、外注したソフトウェア開発の品質に満足できず、自身でソフトウェア会社を設立しました。そして、コンサルタント会社を辞めて設立した会社の経営に専念し、早くも10年が経ちました。

敗戦、安保闘争、ニクソンショック、オイルショック、円高不況と海外を原因とする大
きな危機を、日本人はものすごいエネルギーで、その都度乗り越えてきました。私はバブ
ルの崩壊を立ち直らせるものは内需拡大だと確信していました。

そして日本人がITという道具をフルに活用して能力を高め、専門性を持ち、消費者市場が投資市場に変わることで、内需が飛躍的に増大するものだと思っていました。少なくともバブル崩壊までは……。

ところがバブル崩壊後、日本人からエネルギーが急速に消えてしまったのです。働くことに対する「誇り」、日本人としての「誇り」が失われてしまったように感じます。どうしてそうなってしまったのか。皆さんは、昭和から平成にかけてのこの間をどのようにお過ごしでしたか。私は昭和の時代までは社会が景気循環の波にうまく乗っていたのではないかと思います。しかし平成になって、世の中全体の方向性がずれていったように感じます。

今、21世紀最大の転換期が訪れています。19世紀に訪れた、蒸気機関が肉体の変革を起こしたように、21世紀の今日、生成AIが知の変革を起こそうとしています。

本書を読もうとされている皆さまは、この大きく変わろうとしている世の中で、漠然とした不安と、想像もつかないような変化を体験するにちがいありません。

経営者ならすぐに利益を出せる方法、ビジネスマンなら仕事の結果を出せる方法、仕事のない人ならすぐに仕事が見つかる方法、そしてどのような人でもいかに生きるか、です。

この35年間、内需を縮小させたのには、少子化の問題とそれ以上に格差社会への変質が大きく影響しているはずです。下層となった人々の増加が加速したために、従来多様化されていたGNP世界2位の豊かな消費市場は消えました。そして価格破壊が起き、市場があらゆるジャンルでシェアトップ企業しか残れない単一の消費市場に変化したのです。

現在の時代は、簡単に儲かることができる時代ではありません。これは、社員にとっても同様です。企業は、情報を公開し、社員自身が自己の生産性を認識し、その改善に取り組む必要があります。経営者にとっても、社員全員が利益追求の意識を持つことが重要であり、現在の困難を乗り越えるための最適な手法であり、社員の変革を促す最大のチャンスです。

そして生成AIをビジネスマン一人一人がビジネスツールとして活用することで、企業のパワーは大幅に変わります。まさに社会の、人類のビックバンが始まるときに、大切なことは、古典に帰れ、ということです。

そのためには、『孫子の兵法』という文献が参考になります。なぜなら、この古典には組織の運営に関する秘訣が含まれており、今日の経営にも役立つ教訓が詰まっているからです。現代のビジネス書では、成功事例を挙げることが一般的ですが、これらは表面的な情報に基づいていることが多いです。一方で、『孫子の兵法』は歴史を通じて検証された事例が多く含まれており、その洗練された知恵から、現代の経営に対する新たな視点を得ることができるのではないでしょうか。

そして複雑になりすぎた現代社会で起きている様々な問題を解決できるものこそ、生成AIを活
用することです。今や、生成AIというツールは、ビジネス活動を確実に大きく変容させていくでしょう。これから進めるお話は今必要な戦略の真理を、ビジネスの現場にあてはめて検証し、生成AIを活用してそれを実行する方法をご提案するものです。


2023年07月01日

世界が大きく変わる時が来ました。OpenAIの登場!

世界が大きく変わる時が来ました。

江戸時代、蒸気機関が新橋横浜間で開通したのときと同じことが、
精神世界での起きたのです!

人が何時間も調べて、しかも最高の教育を受けて、何時間も何日もかけて、初めてまとめ上げることができる内容を、OpenAIはいとも簡単に、10秒足らずでまとめてしまいます。

もちろん平気で嘘もつきますから、ある程度の知識や正解かを確認できる能力は必要ですが。
昨日のメルマガで、以下のように書きました。

【AI時代の到来】
 ChatGPTの登場とこれから必要とされる人材と学習ChatGPTの登場は、情報検索からコミュニケーションまで、私たちの生活と働き方を大きく変えました。このAIの力を個々がいかに活用できるかが、今後のキャリアやビジネス成功の鍵となります。

【世界が変わる】
 ChatGPTは、複雑な問いに対して人間のように答え、大量の情報を効率的に分析する能力を持っています。これにより、情報を得る時間が大幅に短縮され、私たちがより重要な意思決定に集中できるようになりました。未来はAIと人間が協働する世界です。

【求められる人材】
 ChatGPTのようなAIと協働できるスキルは、これからの人材にとって必須となります。特に、AIの出力を分析し、適切な判断を下すことができる「クリティカルシンキング」、AIとの円滑なコミュニケーションを取る「デジタルリテラシー」、そしてAIがまだ対応できないクリエイティブな思考力はますます重要となります。

【必要とされる学習】
 そして、この新しい時代に適応するための学習方法も変化します。情報の詰め込み式教育から、自己学習力と問題解決力を伸ばす教育へとシフトする必要があります。AIが情報を提供し、人間がそれをもとに深く考える。そんな学び方が求められます。


実はこの文章も、ChatGPTをベースにしています。

私は、35年間、シンクタンクと起業したメディアファイブで、いかに知=ナレッジを素晴らしく展開できるシステムを作ることを追求してきました。

そして、まさに、言いたいことを、一瞬で表示するこのChatGPTには、ほんとに驚かされます。

私は、35年間、このChatGPTをいままで作り上げてきたラーニングスケルトンAIというシステムに組み込むことで、大まかな人生における仕事の完成と感じております。

あと人生に残される仕事は、このシステムを一人でも多くの人にその良さを知っていただき、使ってよろこんでいただくことだと思います。

個人向けはこちら
https://www.media-5.co.jp/hp/ls_personal/index.html
小中学校はこちら
https://www.media-5.co.jp/hp/products/class/class_2/giga_school.html
高校、大学、社会人、法人はこちら
https://www.media-5.co.jp/hp/learningskeleton/koukou/index.html

私は、すでにラーニングスケルトンAIを、学校向け商品としてだけでなく、自分の仕事のツールとしても片時も手放せません。
今、多くのお客様の問い合わせが来てるのですが、私ひとりで、お客様にあったご提案をラーニングスケルトンAIを活用してご提案しています。

みなさんもぜひお試しください。

2022年11月20日

北条泰時が日本人の生き方のお手本?

NHKの大河ドラマ 鎌倉殿の13人も佳境にさしかかり、北条義時がますます悪人に、泰時のさわやかさが、ますます引き立ってきています。

2006年に発刊された山本七平の「日本の歴史 上下」(ビジネス社)に北条泰時のことが載っていました。そもそも、この本は、日本の歴史の全般を述べる本ではなく、「日本とはなにか」を南北朝と歴史と、夏目漱石の「こころ」をうまく対比しながら述べた書物です。

まず、最初に、中国の竹と、日本の竹では、なんとなく異なり、竹と同じように、日本文化には独特な文化があることを示します。

そして、その独特な文化の一例に漱石の「こころ」を紹介します。
その内容は・・・
主人公の私は、ひょっとしたことから、先生と知り合います。そして先生から色々な話を聞きます。若いころ、先生は未亡人と娘の二人暮らしの家に下宿します。

そして自分の親友Kもその下宿に誘います。
その親友Kは、医者の家に養子に行き、しかし、養家の反対を押し切って、大学は哲学科に入学しました。それにより、養家から絶縁されていました。とても意志の強い男として、先生は親友Kを尊敬していました。

先生は下宿屋の娘に恋をしており、その娘も、母親も先生を気に入っています。同じく下宿している親友も、その娘に恋をして、先生に告白します。

先生は、親友の告白を後ろめたく思いながら、下宿屋の娘との結婚の約束をしてしまいました。

先生が、そのことを親友Kに話す前に、下宿屋のおかみさんが、親友Kに、今度うちの娘と彼が結婚するからお祝いしてくださいな、と先に言ってしまいました。

親友Kはその夜、自分の部屋で頸動脈を切って、自殺をしてしまいました。

そのあと、先生は罪の意識を感じながらも下宿屋の娘と結婚し、時々Kの墓参りにいっていました。

明治の終わりの今、先生は知り合ったばかりの私にそのことを告白し、自殺するのです。

ここで山本七平は、親友Kを後鳥羽上皇に例え、先生を北条泰時に例えています。ちなみに「私」は慈円というところか。

北条泰時は明恵上人に「なぜ、あなたのような人格者が、後鳥羽上皇に弓を引くという大罪を犯したのですか?」という問いに対し、もし、上皇が先頭にたって兵を率いていたなら、弓矢を折り、ひれ伏して、打ち首にもなったでしょう」

後鳥羽上皇の側にいた慈円も、それから40年後に生まれた北畠親房の神皇正統記にも、後鳥羽上皇の承久の乱は、否定的でした。

天皇になった人でいくさで敗れて流罪になったは、後鳥羽上皇、後醍醐天皇がいます。山本七平は、後醍醐天皇も、親友Kになぞらえていました。そして先生が足利尊氏、傍観している「私」が北畠親房。

明確な意思を持って、断行していく天皇はうまくいかないのかもしれません。

あまり歴史的事件にはなりませんでしたが、孝明天皇、大正天皇も意思をはっきりさせて悲劇を招いたかもしれません。

孝明天皇は、攘夷を断行しようとし、しかもあくまで幕府と融和的な政治を行おうとし、急死しました。大正天皇は、タブーのひとつではありますが、山縣有朋から政権を奪取しようとして、病気になり、昭和天皇が摂政につき、実質的な交代をさせられました。

日本の天皇は、いつの時代も象徴的な存在であり、それを逸脱すると、悲劇が起きることがわかります。しかし、逆に古くは、道鏡、足利義満、織田信長など、天皇に取って代わろうとするリーダーも急死や失脚をしています。

大変不思議ではありますが、天皇というものが、古来より継続され、この体制が続いてきたことは、これが、日本の国民性の成せる結果なのかもしれません。

北条泰時は、そういう意味では、日本の権力を手中にしながら、自分の地位は低く、自分の所領は少なく、しかも質素な生活をし、御成敗式目を定めて、国内より戦争を極力なくしたことは、歴史上、徳川家康と並ぶ、優れたリーダーの筆頭だったといえるでしょう。

2022年11月13日

半世紀の亡国へのカウントダウン

亡国へのカウントダウンがはじまりました。
もう、あらゆることで、今年、それがあらわになりつつあります。
でもここでお話させていただくことは、亡国へのカウントダウンが始まったから、軍備増強をしろ、だとか、隣国を敵対視しよう、だとか、憲法を改正しよう、だとか主張するつもりはありません。

政治も、経済も、社会も絶望的なこの世の中でのあきらめムードこそ、危険なのです。
日本に戦争を起こさないように、しっかり政治を監視し、必死に働いて自分の周りの経済を動かし、多様化する情報のなかから、多角的視野にたって、真実をみつめよう!というお話です。

まずは政治・・・

日中国交正常化は、いまから50年前の1972年9月22日でした。

僕は小学6年生でした。

小学校4年生の時、三島由紀夫が市谷駐屯地に突入して、日本の亡国を憂いて割腹した二年後でした。その時は、まだ戦後まもない頃で、戦争への嫌悪は社会中に満ち溢れていたので、とても奇妙で、怖い印象がありました。
しかし、10年前くらいから、ようやく三島由紀夫の絶望と嘆きが、身に染みてわかるようになりました。(ただし、その行為は肯定できるものではありません。三島も10歳の時に経験した2.26事件は、その事件をきっかけに太平洋戦争へと突入したことは事実です.)


最近読んだ田中角栄本によると、この時、毛沢東は、田中角栄に屈原の「楚辞の歌」を送ったそうです。

「楚辞の歌」は、高校時代、漢文の教科書に載っていて、ちょうど、1975年くらいに授業で習ったのです。

これは紀元前、秦が中国統一するころ、秦が、楚の国の皇帝に甘い言葉で、同盟を結ぼうと呼びかけたとき、楚の宰相だった屈原は、もう一つの大国斉と組み、秦との同盟に反対したのですが、楚の皇帝は屈原を解任し、秦と組んだばかりに、楚は滅び、屈原は、5月5日に川に飛び込み自害したのでした。

なぜか、この日が端午の節句になったのです。

そもそも、男の子の成長を祝うのに、なぜ屈原の命日を記念日にしたのか、わかりませんが、
毛沢東は、秦を米国になぞらえ、斉の国を中国になぞらえ、このまま米国に追従すると国が滅びますよ、という意味で、「楚辞の歌」を送ったのでしょう。

まあ現代からみれば、もし屈原の言う通り、楚が斉と同盟を結んだら、斉という国が中国を統一し、同じように楚が滅びていたかもしれません。

しかし、こうもみることできます。毛沢東は、実が秦は中国で、いずれ世界征服しますよ。屈原のような部下を生まないでくださいね、というおおいなる皮肉を込めた贈り物だったかもしれません。

いずれにしろ、今、日本は亡国の一歩手前にいます。
つい最近まで、巨大化した中国にODAの援助を日本はし続けていました。
なぜ、援助をし続けていたのか、それは、最近元大王製紙の会長だった井川氏が、暴露していましたが、中国の要人に、耳元で、日本の政治家と組んでODA案件を作ってくれれば、30%のマージンを送ります、とささやかれたそうです。

これは衝撃的な告白です。田中角栄も、3000億円のODA援助を中国に約束して実行しましたが、300億円のキックバックがあった、という噂があります。

なぜ日本はバブルはじけた後も、ODAばかり積極的におこない、まじめな産業育成をしなかったか。そのキックバックが欲しくて、政治家や官僚がむらがっていたというならば、それは空恐ろしいことです。

さらに、私も、シンクタンクの研究員時代、知人がODA案件で中国出張いっているときに、ハニトラにあったと、30年ぶりに告白されました。

ましてや、政治家、マスコミ幹部には、間違いなくハニトラは当然の接待として用意されていたことが想像できます。

今、野党はもちろん、公明党、自民党も、人権侵害のある中国を一切批判しません。これは上記のようなハニトラだけではなく、戦前から日本の共産化ははじまりました。

ゾルゲ事件も、近衛文麿首相の側近グループの摘発事件です。その一人である西園寺公望の孫は、逮捕後、すぐに釈放されましたが、戦後、中国にわたり、文化大革命で日本に戻されると、朝日新聞に入社しました。

田中角栄の日中国交回復は朝日新聞が主導したそうです。

戦前の上流階級やインテリ階級、戦後の安保世代にわたり、マルクス主義を信奉する若い人が多くいました。その理由は、自由主義の無駄や矛盾に満ちた衆愚政治より、より効率の良い政治体制にあこがれるからなのでしょうか?それが今日のITにおける監視技術の向上で、中国のように、より最適な統治国家が生まれやすくなるのかもしれません。

その思想はトロッキズムと言い、ソビエト連邦樹立の立役者であるレーニンの後継者であり、スターリンの政敵であるトロッキーの主張で、今米国の民主党を中心にグローバリストの中心思想のようです。

私は、嫌中派ではありません。むしろ、その文化、歴史を通して、中国は好きです。しかし、そのあまりにプラグマティックな考え方や、行動力、深い洞察力、一国の支配権を背景に深慮遠謀な政策を持つことができたこの国の国民性を考えると、今の平和ボケした日本は、無防備な鶏くらいにしか見えないかもしれません。そうなると、それは接収対象にならざるを得ないのです。

日本で経営している知り合いの中国人の経営者は、日本人は働かない、頭を使わない、って嘆いています。そのくらい、中国は競争過多で教育も社会も厳しい中、日本は教育も社会も中国人から見れば、とてもゆるい社会に見えます。

それは、けっして悪いことではありません。医療制度、介護制度、年金制度も本当に国民ひとりひとりに優しい、素晴らしい制度です。物価上昇率の低さも含めて、世界中で、今日、もっとも生活しやすい国家であることは、誇りにできることだと思います。

政治家も官僚も上記の問題はあっても、このような福利厚生に厚い国家を作っていることは、かれらが、他の外国諸国にくらべて、きわめてすぐれていることは、確かです。

戦後日本の教育は、あまりに平和主義で、しかも愛国をタブー視する、記憶力中心の教育であることと、住みやすい、弱者へのサポートが手厚い社会であることが、今の日本の状況を作っているように思います。

ただ、文科省も、ICT教育の普及をきっかけに、大きく探求学習教育へ舵を切り始めました。

次は経済・・・

1995年以降、円高に拍車がかかり、中国の高成長市場もあって、日本の大企業はこぞって日本の下請け中小企業を捨てて、中国との合弁製造企業をつくり、中国に製造を移しました。

確かに中国市場は巨大で、最初のうちは、儲かりましたが、合弁した中国企業は次第に、そのノウハウを吸収し、ファーウエイやハイセンスなど巨大家電メーカーが誕生し、日本のシャープ(これは、台湾企業のフォンハイ)、東芝、パナソニックの一部など、多くは中国企業に飲み込まれていきました。

そして世界に名だたる家電メーカーといえるのは、かろうじてゲーム市場を押さえているソニーくらいになりました。

中国で合弁企業を作っても、日本へその利益をもってくることができません。しかし連結決算としては計上できるので、大企業の雇われ社長は中国市場内で再投資し、日本での投資はなるべく凍結していました。

その結果、日本経済は世界で唯一、経済成長することができず、日本のあるべき経済成長は中国に上乗せされて、中国の経済成長を大きく助けることになったのです。
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さらに日本の大企業による国内投資の凍結は、内需を弱体化し、中小企業の成長に直撃しました。

そしてそれに追い打ちをかけるように消費税の導入、課税率のアップは、中小企業の利益をさらに直撃しました。

なぜこのようなことが起きたのでしょうか?

それは著名な経済学者がこぞって、日本のバブル崩壊以降の経済の低迷を、日本の市場の閉鎖性を理由にしていたのです。

米国のレガノミクス、イギリスのサッチャーイズムを例に、日本の市場開放を声高に要求しました。

その結果、証券市場は、4半世紀の業績開示など、外資ハゲタカファンドに有利なレギュレーションに変更され、大企業の雇われ社長は、さらに見せかけの業績アップを株主総会で披露することになったのです。

その結果、日本的な経営の良さは失われ、優良な中小企業は激減し、非正規雇用は増大し、長期的経営、十分な研究開発は国内ではできなくなりました。

なによりも、日本の大企業は、必死に生き残る中小企業の能力に依存していたのですが、その中小企業が弱体化し、生存が厳しくなるにつれ、日本の産業は、衰退の一途をたどります。

そして社会・・・

社会的な問題のもっとも深刻なのは、マスコミの反日報道。

これは、日本の内需の弱体化に大きく影響されるマスコミは、民間の広告に依存しているため、国内産業が弱体化すれば、まずは広告費から削減されていきます。
そこに外資の大きな資金が流入すれば、外国の意向を優先してしまうのは仕方ありません。


このように、今、日本は、完全に免疫を失った、末期か、死期の近づいた患者そのものです。

防衛力は、GDPが世界三位のために、費用的には上位に位置していますが、中国、ロシアという軍事大国と北朝鮮という専制国家に囲まれ、十分な装備も弾薬も少なく、ただただ、日米安保という米国の軍事力に依存して、肩身の狭い思いをしている自衛隊の今の現状も、サイレントインベーションがすでに完了している日本国内において、さらに、我々国民の主権はせばまり、生きづらくなりつつあります。

なぜこのようなことになったのでしょうか?
これは、明治維新で開国した日本が、富国強兵のスローガンのもと、国家が強力な中央集権の中で、日清、日露戦争で勝利し、米国に噛み付いて、無条件降伏したことにより、日本人の独立心を削ぎ落とす政策をGHQが行ったことが原因でしょう。特に教育において。

そして、どうしたら、日本は復活できるのでしょうか?


まずは内需拡大するしかありません。

どうしたら内需拡大するのでしょうか?
それは国民一人一人が自立することです。
これはありえないことではありません。
江戸時代、日本の従事者の9割は農民でした。
農民こそ、今の中小自営業者と同じ感覚です。
そして、米には半公半民という高い税金はかけられていましたが、
新たな開墾や野菜などの作物には税金がかかりませんでした。
つまり新規事業にはお金がかからなかったのです。
そして農民の経済力を高めた原動力が寺子屋なのです。
ほぼ多くの国民が、寺子屋で文字を学び、四書五経を学び、歴史を学んだことが
日本の明治開国後の日本の発展を作りました。
しかし、残念ながら、特に戦後日本の教育から、哲学と、思考力と、日本の歴史や政治などを勉強することが、軽んじられました。

まずは、資格をとって、独立心を促す意味で、ナナミシリーズを発売しました。
https://www.media-5.co.jp/next_revolution/
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今、日本の教育、それも生涯学習として必要なのが、思考力、哲学、歴史、政治経済、そして数学や科学です。
そのために、とっておきなAIシステム「Learning Skelton AI」を開発しました。
https://www.media-5.co.jp/hp/products/class/class_2/giga_school.html
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私はこの提案を、2009年に出版物として「究極の経営」として提案しました。
その頃は、中国ビジネス真っ盛りだったので、見向きもされませんでした。
しかし、11年たち、この主張がさらに正しいことが証明されました。
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是非ご高覧ください!
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2021年12月17日

「究極の経営」から10年、リニューアルに着手します。

「究極の経営」から10年、リニューアルに着手します。

この書籍を書いたのは2009年です。

https://www.media-5.co.jp/hp/info/new/kyukyoku.html


ずいぶん大それた名前を付けました。理由は、先に「至高の学習法」なるものを出版し、この本は印刷した3000部を早い段階で売り切りました。そして至高ときたら、究極ーと社員が言い、究極の経営になりました。

世の中がコロナ時代となり、DX名のもと、デジタルシステムの普及を政府が主導するようになり、当社も2008年に開発した人材育成型グループウエア則天にAIの機能を取り入れて、昨年リニューアルしました。

この「究極の経営」は、当時、この則天のプロモーションブックの位置づけで書きました。
今、出版してから11年、当時を振り返りながら、この本の将来に対する考え方のどこが正しく、間違っていたかを検証しながら、改訂版を作っていきたいと存じます。

まず、この書籍を出版したのは、小泉政権での改革が叫ばれ、郵政民営化が行われ、安倍政権、福田政権、麻生政権へと移行し、自民党から民主党への政権交代移行期でした。

まさか、この後、民主党で、はこものから人への投資と謳われ、大きな国民の期待に反して、まったく教育投資の増加をしなかったばかりか、消費増税という公約違反までしでかし、自民党が政権を奪取し、民主党は解党しました。

その間に中国の台頭著しく、いまた、米国を抜く国力を維持し、特に日本は、中国への安全保障上の危機が明確になってきました。
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(IMF統計より)
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その間、GDPでは、2009年に中国に抜かれ、一人あたりGDPは、1990年から2000年までは日本が世界一の一人当たりGDPを誇っていたのが、現在では21位まで転落しています。

なぜ、このようなことになったのでしょうか?
ひとつは、高度成長期、日本は、世界の下請け工場として、経済発展をし、そこに、古くからある日本型経営によって、規模も生産性も世界トップクラスになっていったのでした。

行き詰ったのは、デジタル化における、米国におけるイノベーションについていけなかった、ということでしょう。

勿論当時から、日本版、MICROOSOFTもFACEBOOKもGOOGLEもありました。しかし、OSやインターネットを米国企業に握られているので、OS,検索、SNS、ネットショッピングなどの分野では、米国企業に勝てなかったのです。携帯も、ガラケーまでは、日本も世界でけっこうシェアを伸ばしてましたが、スマホで完全にアップル、ファーウェイ、サムソンに太刀打ちできないようになりました。

これは、世界中の資金が米国に集中し、しかも世界でもっとも軍事予算があり、研究開発にも軍事費をはじめあらゆる資金が、流れ込みます。軍事開発から技術のイノベーションも起こりやすく、しかも、米国の消費者は、日本人より消費性向が強いのです。

反対に、日本は、とくに公開している大企業は、米国流のグローバルな経営にシフトさせられ、その結果、従来の日本のよき、長期戦略による経営ができなくなることで、技術力を失い、競争力を失い、挙句の果てに、中国、台湾の台頭により、世界に冠たる大企業すら中国、台湾に吸収されていくのです。

さらに、台湾、中国は、世界の工場として、人件費の安さを武器に、グローバルに仕事をとり、ノウハウを吸収して、世界有数のメーカーが誕生していきました。

日本の13倍もある人口と、急速に成長する中国、台湾経済に、日本の大企業も利益追求するために、進出していきました。

中国国内では、子会社をつくるには、中国企業との合弁が必要であり、しかも過半数の株は中国側にもたされました。

その結果いつでも中国に会社を奪われるし、また中国で得た利益を海外に出すことも禁止されていたので、中国国内で再投資するしかなかったのです。

それでも日本の大企業は、中国に投資を続けました。なぜそんなに不利な状況でも中国に投資し続けるかというと、日本の上場している大企業は、四半期で利益を開示し、利益を出し続けないと、株主総会で、すぐに社長交代をよぎなくさせられるからです。

サラリーマン社長は、それをふせぐためにも、見かけは大きな利益を出す中国市場に投資を続け、日本国内への再投資がどんどん減っていったのです。

しかし、今日では、日本の大企業のブランドは、品質も含めて中国に太刀打ちできないようになり、なんとか吸収されはじめたのです。

このままでは、日本の大企業の大部分を中国・台湾に吸収され、日本人は後進国のようになってしまいます。

これを防ぎ、日本を復活させる、唯一の策は、日本の中小企業がDXに目覚め、オリジナルな売れるニッチな商品をたくさん商品化し、ビジネスで成長させることです。

そのためには、企業のDX化、教育のデジタル化が急務です。日本国民全員がAIを駆使し
社員やスタッフが組織で協力しあい、頭脳を集積して新しいニッチな市場をどんどん開拓していかなければなりません。

日本人は、現実的です。、必要に迫られなければ、仕事も生活も方法を変えません。


いま、巨大中国に飲み込まれる危機を多くの日本人が感じている今日、1864年か嘉永元年の黒船のように、次に日本が大きく変わる時期に来ているのだと思います。

2021年08月07日

映画 日本独立

この連休に、ネットテレビで、今年公開された映画「日本独立」を見ました。

憲法制定の過程を、吉田茂、白洲次郎、白洲正子を中心に描いた映画です。
なんと、小林秀雄まで出てきました。

僕は、大学時代、ゼミで憲法制定過程をさんざんやり、小林秀雄は16歳から夢中になり、現在では、全集5種類持っています。白洲正子もほとんど読破しました。白洲次郎の関連資料も、少ない著書も含めて、ほとんど読破しました。鶴ヶ島にある、白洲次郎の屋敷にも、25年前に行きました。

だから、この日本独立の登場人物やストーリーはかなりよく知っていました。

この映画は、61歳になる、今の僕に、戦後に生まれ、浦和駅や、母に連れて行ってもらった上野駅で、アコーディオンを弾く傷痍軍人の物悲しいメロディの記憶や、オリンピックの聖火かマラソンを、中山道の調宮神社の前で日の丸の国旗を振りながら眺めた記憶、あらゆる僕の記憶をつなげる映画でした。

今の日本は安全保障は米国に頼り、経済の中心たる大企業のビジネスは中国に依存し、というより、中国にある会社とお金を人質にとられ、その二大国に挟まれ、この国家の流れはまったくわからない状況です。

1990年のバブル崩壊からこの30年、日本はほとんど経済成長しませんでした。
その理由を、少子化に求める人、そして政府の財政投融資を拡大しないことを理由にする人、などなどさまざまあります。

しかし、もっとも直接的な原因は、1990年以降、大企業は年率8パーセントの急成長で成長する中国市場に集中しました。

中国で商売する条件として、51%を中国の資本にするビジネススタイル、しかも中国で稼いだ金は、中国国内以外には持ち出せない、その規制で、確実に大きな利益と成長をもたらしはするものの、再投資は中国国内でしかできませんでした。

その状況は、中国に会社を持つ大企業は中国で再生産を繰り返し、現金は中国国内に蓄積されることになりました。

 いまから15年前、官僚から海外の大学教授になった親戚の人が言ってたのですが、ODAは、日本が多く拠出しているのに、まったく日本は、その国で活動をしようとしない、逆に中国は、日本からの援助金をアフリカに回し、中国の利権を必死に確保している、とぼやいていました。特に当時、ガラケーと言われる携帯電話のアンテナ基地を中国は、アフリカに必死に拡大していたそうです。

 2005年ごろの中国は、鄧小平路線を開花させつつ、急速に日本のGDPに近づきつつありました。私も2010年の上海万博は行きましたが、一対一路構想の完成が巨大なCGで展示されていましたが、それはそれはすごいものでした。一言でいうと、北京からヨーロッパまで、今日の上海や香港にある巨大ビルがシルクロードに沿って延々と乱立する、という風景でした。

 話は変わりますが、最近にわかに注目されるのは、米国の秘密文書が規定により公開され、戦前の米国では、政府に400人もソ連スターリンのスパイは潜り込み、日本に最後通牒を突き付けたハルノートの原案は、ソ連のスパイであるハリーホワイトによって、書かれた、ということです。

 日本を破滅に導いたのは、主に、スターリンだったということです。ゾルゲ事件もその一端だったのです。ゾルゲ事件で死刑にされた尾崎秀美は、米国との開戦前の首相、近衛文麿のブレーンのひとりでした。冒頭でふれた白洲次郎もそのブレーンのひとりです。だから、映画の内容はあまりに表面的だということでしょう。

 NHKのドラマ「白洲次郎」のラストシーンで、神山繁演じる白洲が、色々な家に残っていた占領時代の書類を燃やしながら、「やばい書類ほどよく燃える」と言っていたシーンは象徴的でした。

 人はだれでも、色々な後ろ盾があるものです。しかし、それは時として歴史を大きく変え、一国すら滅亡に導くことになることもあります。

 今日本は、スパイ防止法はありません。それがなにを意味するのか、あまりに恐ろしい事態です。

今日、日本はものすごく大きな岐路に立たされています。安全保障では、米国との同盟は絶対であり、経済は,大企業中心に、中国に人質に取られています。しかも、あらゆる中国の意向が司法、行政、国会の三権に浸透しているようです。

 冒頭でも触れましたが、私は、大学は教育学部の社会科学分野の法学研究室に属していました。卒論は憲法変遷論でした。当時はほとんどの指導いただく先生方は左系でした。それはそれで、既成概念を正しいものとせず、ゼロから考えて、ゼミや、社会学、経済学、倫理学のゼミ間横断的に合宿で議論するのは、とても自由で楽しかったです。

 しかし、終戦直後の国民の戦争アレルギーと、占領軍の施策による徹底的な平和教育は、戦後70年、中国の強大化、覇権主義の強化に伴い、日本を滅亡に導く強毒のイデオロギーとして、変わりつつあります。
 
 戦争なんて、簡単には起きない・・・。親中派の人はみんな言います。しかし戦争はすでにミサイルや戦車や戦艦で戦う時代ではありません。
 以前もブログで触れましたが、超天才的なハッカーがひとりいれば、一国の軍隊を壊滅させることもできるのです。特に、これからは量子コンピュータの実用度にかかってくるでしょう。

 さらにこのコロナ問題も、細菌兵器のひとつかもしれません。

 なによりも、大企業幹部をはじめ、政治家、官僚、警察、司法にいたるまで、あらゆる中国とのかかわりあいはあるでしょう。

 私も、10年前、経済団体の役員をしているとき、何度か中国に行き、中国の若手の官僚たちと話をしました。あまりに、あまりに頭がよく、驚きました。

 多分、一緒に行った経営者たちの中で、有望なひとたちは、さらに深く中国の人たちとコミュニケーションを深めていったと思います。

 チベット、モンゴル、ウイグル、香港も、まずはその国の人から、より強い親中派が重要な地位を占め、支配を強めていきました。

 今、中国からのサイレントインベージョンが日本国内に浸透しつつある中、習近平政権になって、中国の脅威が顕在化され、マスメディアが戦後教育の強毒化で、ほぼメディア機能を失い、インターネットがそのメディアの役割に変わろうとし、徐々に日本国民は目覚めようとしています。

中国の人は、「中国は日本なんか相手にはしていない」と言っています。しかしそれは、彼らが立ち向かうボスキャラは世界覇権国である米国に絞っている、という意味です。

 平和ボケして、スパイ防止法もなく、やり放題ができる日本は、すでに支配が完了している、と思っている在日中国人も多いようです。

 戦後76年、外交における紛争を解決する手段として戦争することを認めない、国の交戦権を認めない、ということを憲法に記述して国が生き残れる時代は終わりました。

 交戦権を否定すれば、日本は、ウイグル、モンゴル、チベット同様の自治区になるのみです。しかも今の中国の人たちは、反日教育で育っています。もっとひどいことになることも予想されます。それは、SNSで日本が被害にあうと、中国の人の誹謗中傷の書き込みをみれば、容易に想像がつきます。

新中派の人は、今こそ、米中が対立しているなかで、平和を唱え、その仲介をすることで日本はより素晴らしいポジションを獲得できる、と言っています。
しかし、すでに、それは間違いであることの前例があります。

そもそも中国は、天安門事件のとき、世界から孤立していたのを救ったのは日本です。
それなのに、日本が民主党政権になると、足元を見るように、いきなり尖閣諸島は自国領土だと主張をはじめます。

中国にとって、日本が無防備でいることは、実効支配していい、ということなのです。スパイ防止法がなく、土地規制法もなく、専守防衛に従事し、GDP1%の防衛予算は、どうぞ、日本を支配してください、とイコールです。

中国で反日教育をうけているのに、日本が人気なのは、日本の、あまりに呑気な社会を、本能的に求めているからでしょう。

「日本独立」

とにかくこの映画はとても考えさせられる映画でした。

2020年07月19日

「愛の不時着」北朝鮮と韓国「最後の王妃」韓国と日本

先週から、NETFLIXで、「愛の不時着」(2019~2020)という韓国ドラマを見、今日同じく韓国映画「大韓帝国 最後の王妃」(2016年)というのを見ました。

この二つのドラマに共通するのは、ソウ・イエジンという、主人公の女優が同じ人だったことです。

「愛の不時着」は、国境線近くでパラグライダーで飛んで、竜巻に巻き込まれて北朝鮮に不時着し、北朝鮮のエリート将校と恋に落ちる財閥令嬢。かたや、日本に蹂躙される大韓帝国最後の王妃。

この北朝鮮のエリート将校演じるヒョンピンがまたかっこよくて、市川雷蔵にそっくりです。設定は北朝鮮の最高幹部、総政治局長の次男です。ヒョンピンは今韓国で最も人気あるのトップスターです。

「愛の不時着」はまさに、文在寅政権の進める南北融和のプロパガンダであり、「大韓帝国 最後の王妃」は文在寅政権が生まれる前ではあるが、まさに反日のプロパガンダとしてはとても有効な映画です。

ただ、プロパガンダでは済まされないのは、こういうことは実際、朝鮮統治時代リアルに起こっていたことなんだろうな、ということです。

まず今大人気の、「愛の不時着」は、脱北者の監修があり、北朝鮮の生活をリアルに描いているそうですが、これは、北朝鮮の最上流家庭と、一番優遇されている軍人の家庭を描いているので、あまり悲惨な社会生活は出てきませんが、時々路上生活者とか、でてきます。

しかし、このドラマで出てくる極悪非道な将校は、作家の伊集院静の若い頃に似ているのですが(ただ、伊集院静は背が高いので、全然かっこいい)、幼少期は路上生活者だった、という設定です。

僕も10年前に、15年ぶりに韓国へ行き、その見違えるような現代化に腰を抜かすほど驚き、つまり25年前の韓国は昭和40年代の僕の子供の頃の日本の風景でした。

http://blog.media-5.jp/kitabatake/2010/02/post_49.html

10年前の韓国は街から一切漢字も消えて日本の現代よりモダンでした。

38度線にある非武装地帯に行ったのですが、そこで痛感したのは、まだこの国達は戦争しているんだなっていうことです。

双眼鏡で覗いた北朝鮮の風景は、打ち捨てられた錆切った蒸気機関車も放置されていて、相変わらず戦前の日本という感じです。


そして、この朝鮮半島に生まれたばっかりに、いつの時代も獰猛で巨大な中国とロシアとの陸続きに、大きな悲劇に苛まれてきたんだなあって思いました。

四方海に囲まれた日本は本当に、恵まれているなあ、って思うと同時に、あまりに平和ボケしてるなあって思ったことを、この映画を見て思い出しました。

この半島は大国、中国とロシアに蹂躙され続け、富国強兵を実現させることなく、さらに鎖国を解いて、大国中国とロシアにたまたま運良く部分的に勝利して調子に乗って海外侵略を始めた小国日本に併合され、その日本はいつの間にか世界を敵に回し完敗し、しかしそのとばっちりで一国を分断された朝鮮民族は、確かに日本に深い恨みがあるのは肯けます。

ただ、平和憲法下で、世界で唯一と言ってもいいくらい戦争と無縁の世界で育ってきた戦後日本の民族にとって、戦前の出来事はひと事にしか感じないのです。

僕の子供の頃はまだ上野駅や浦和駅にも傷痍軍人が白い服を着てアコーディオンを弾きながら物乞をしていました。社会全体も野性的だったと思います。

ある韓国人の学者の方が言っていました。勿論その人は徴兵で2年軍務に服していましたが、戦前の日本軍の伝統は、韓国軍の中に残ってる、と。
日本の自衛隊はサラリーマンである、と。

ハングル語は極めて日本語に近いと言われています。
それは弥生時代朝鮮半島から渡ってきた渡来人によって国家が作られて、飛鳥奈良時代ができた経緯を物語っています。法隆寺や奈良国立博物館で時々やってる飛鳥奈良時代展を見れば一目瞭然です。ほぼ朝鮮文化を感じさせるものばかりだからです。

日本女性が韓流ドラマや韓国アイドルに熱狂するのは、韓国男性が、徴兵を経験し、国家のために命を差し出す、戦前の日本の若者へのノスタルジーを無意識に感じているのではないでしょうか。

愛の不時着の男性ヒーローは市川雷蔵に瓜二つです。もっとも市川雷蔵は軍隊経験はありませんが。

今日本の財政は終戦直前期より悪化しています。
そして消費増税に伴う経済悪化に追い討ちをかけるコロナパンデミックは、
確実に世界恐慌を引き起こすでしょう。

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その中で戦争を全く知らない日本人はこの時代をどう乗り越えて行けるのでしょうか?
そのヒントは国家をデフォルトさせ、蘇った韓国に大きなヒントがあるのかもしれません。


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