1,米国トランプ政権誕生とAI政策の注目、その背景にあるシンギュラリティの概念
米国ではトランプ政権が誕生したことを契機に、人工知能(AI)に関する政策や議論が一段と活発になっています。これらの動きの背景には、未来の技術進化に関する深い考え方や予測が関係しています。その一つが、トーマス・カーツワイルという未来学者が書いた著書『シンギュラリティは近い』です。
2,シンギュラリティと人類の進化のエポック(時代区分)
この書籍では、人類の進化や技術革新を「エポック(時代区分)」という視点で捉えています。大きく分けて6つのエポックがあり、それぞれの段階で地球や生命、文明の変化が大きく進展してきました。以下の図をご覧ください。
3,各エポックの概要
エポック1:地球誕生と生命の起源
地球が誕生しました。
海ができました。
有機物(生命の材料になる物質)が形成されました。
その有機物から微生物と呼ばれる単純な生命が誕生しました。
これが最初の時代区分です。
エポック2:多細胞生物と繁栄
生殖と進化を繰り返しながら、多細胞の生命体へと進化しました。
魚が海を泳ぎ、陸に上がる爬虫類、哺乳類、鳥類といった複雑な生き物が登場しました。
エポック3:人類の出現と社会の形成
人類が現れました。
集団で暮らすための村や都市を築きました。
国家や文明を発展させ、戦争も起きました。
この段階では現代の私たちも含まれます。
エポック4:技術革新とIT革命
コンピューターの発明が世界を大きく変えるきっかけとなりました。
日本のNECが最初の半導体とマイクロコンピュータ(例:TK80)を開発。
マイクロコンピュータが普及し始めました。
1980年代には、スティーブ・ジョブズのAppleⅡが登場。
日本ではNECのPC88や、ソニー、松下電器のMSX、任天堂のファミコンなどが発売されました。
私もこの時期に大学を卒業し、ゲーム会社のコナミに就職。
コナミの東京支店の下の階では、当時はまだ設立5年目のソフトバンクもコナミのゲームを家電量販店に卸すソフトの問屋さんでした。
いまや、ソフトバンクは日本で最も巨大な、グローバル企業です。当時仕事で、ソフトバンクへ行くたびに、人がネズミ算式に増えていき、その光景は、あまりに不思議でした。
この時代の変化が、今の情報社会の基盤になっています。
エポック5:AIとビッグデータの時代
約40年が経ち、インターネットやパソコンの普及に続き、特に近年はAI技術が急速に進展しています。
その象徴的な出来事が、「ChatGPT」の登場です。
数万人の研究者やエンジニアの努力により、AIが高度な会話や判断を行えるレベルに到達し、爆発的に普及しこれから訪れるエポック6:シンギュラリティ(技術的特異点)
そして今、私たちは将来的に「シンギュラリティ」と呼ばれる段階の訪れを予感しています。
これは、人類の知能や文明が、現在の理解を超えるほどに急激に進化し、自ら自己改善を繰り返す段階のことです。
まさに、「人類の文明がひっくり返るような時代」が近づいていると言えるでしょう。
4,今後の展望と私たちに求められること
このような未来の流れの中で、私たち一人ひとりが「どう生きるべきか?」を真剣に考える必要があります。シンギュラリティに向かう過程で、先見の明を持つ人々は、新たな大きなチャンスをつかむことができるでしょう。
私たちは、これからの時代に備え、変化を恐れず、積極的に学び、準備を進めていくことが重要です。未来は予測できない部分も多いですが、適切な情報と理解を持つことで、その流れに乗ることができるのです。
この文章が、未来技術や進化の流れを理解するためのヒントとなれば幸いです。