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2023年08月 アーカイブ

2023年08月01日

生成AI時代の歩き方 個人の能力を高めるITのツールで、エネルギーを取り戻す

個人の能力を高めるITのツールで、エネルギーを取り戻す

私は昭和35年、埼玉県浦和市(現さいたま市浦和区)に生まれました。昭和35年というと、ちょうど高度成長期が始まり、ようやく世相が明るくなり始めた頃です。2歳ぐらいから記憶があるのですが、子どもの頃、よく母に上野のデパートに連れていってもらいました。浦和から京浜東北線に乗って車窓を眺めていると、川口あたりで、鋳物工場が数多く立ち並び、キューポラという煙突からもうもうと煙が流れているのが印象的でした。今ではほとんど見当たりません。

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上野駅前には、白い服を着た傷痍軍人と呼ばれている人たちが大勢いて、アコーディオンを弾いていました。なぜかいつも物悲しい曲でしたが、そんな駅前の侘しさとは比べ物にならない程、当時の上野は今以上に賑わっていて、デパートの屋上の遊園地で遊ぶのがとても楽しかったのを覚えております。帰りにはおいしいお菓子を買って帰りました。今でも私は、その当時の面影を残す上野や御徒町界隈が大好きです。
小学4年生頃から、一人で東京の塾に行くようになったのですが、ヘルメットをかぶり、手ぬぐいでマスクした大学生と思しき人たちをはじめとして、ものすごい数の人々が都内の電車の中や道路に集まっていました。

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当時の日本は、エネルギーと活気にあふれていると感じました。特に東京へ行くとき、駅や通勤ラッシュ時には、人の波が絶えず押し寄せてきて、私は子どもながらもその光景に圧倒されました。彼らは一日の仕事を終えて帰る途中だったり、友人との待ち合わせだったり、様々な目的を持ちながら都会の中心に集まっていました。

そのような人々を見ていると、自分自身も何か大きな仕事や目標に向かって努力しているような気持ちになりました。だからこそ、一人で塾に通うことにも抵抗はありませんでした。それが当たり前のように感じていました。

中学生の頃、私はオイルショックが起きた時に母親が大量のトイレットペーパーを買いだめしている姿に驚いた思い出があります。

大学卒業後は円高不況の時期に就職難に直面しましたが、入ったベンチャー企業が3年間で急成長し、一部上場企業になりました。
ちょうど昭和天皇が崩御した時に転職し、28歳の若者である私にも1000万円のプロジェクトが依頼されました。

その頃から世の中の勢いが増し、バブル時代のピークがやってきました。不動産成金の銀座での贅沢な暮らしが報道され、全国にエネルギーがみなぎっていたように感じました。
しかし、バブルは2、3年で崩壊し、仕事を得ることも難しくなっていきました。

私はIT関連の新規事業のコンサルタントを担当していましたが、外注したソフトウェア開発の品質に満足できず、自身でソフトウェア会社を設立しました。そして、コンサルタント会社を辞めて設立した会社の経営に専念し、早くも10年が経ちました。

敗戦、安保闘争、ニクソンショック、オイルショック、円高不況と海外を原因とする大
きな危機を、日本人はものすごいエネルギーで、その都度乗り越えてきました。私はバブ
ルの崩壊を立ち直らせるものは内需拡大だと確信していました。

そして日本人がITという道具をフルに活用して能力を高め、専門性を持ち、消費者市場が投資市場に変わることで、内需が飛躍的に増大するものだと思っていました。少なくともバブル崩壊までは……。

ところがバブル崩壊後、日本人からエネルギーが急速に消えてしまったのです。働くことに対する「誇り」、日本人としての「誇り」が失われてしまったように感じます。どうしてそうなってしまったのか。皆さんは、昭和から平成にかけてのこの間をどのようにお過ごしでしたか。私は昭和の時代までは社会が景気循環の波にうまく乗っていたのではないかと思います。しかし平成になって、世の中全体の方向性がずれていったように感じます。

今、21世紀最大の転換期が訪れています。19世紀に訪れた、蒸気機関が肉体の変革を起こしたように、21世紀の今日、生成AIが知の変革を起こそうとしています。

本書を読もうとされている皆さまは、この大きく変わろうとしている世の中で、漠然とした不安と、想像もつかないような変化を体験するにちがいありません。

経営者ならすぐに利益を出せる方法、ビジネスマンなら仕事の結果を出せる方法、仕事のない人ならすぐに仕事が見つかる方法、そしてどのような人でもいかに生きるか、です。

この35年間、内需を縮小させたのには、少子化の問題とそれ以上に格差社会への変質が大きく影響しているはずです。下層となった人々の増加が加速したために、従来多様化されていたGNP世界2位の豊かな消費市場は消えました。そして価格破壊が起き、市場があらゆるジャンルでシェアトップ企業しか残れない単一の消費市場に変化したのです。

現在の時代は、簡単に儲かることができる時代ではありません。これは、社員にとっても同様です。企業は、情報を公開し、社員自身が自己の生産性を認識し、その改善に取り組む必要があります。経営者にとっても、社員全員が利益追求の意識を持つことが重要であり、現在の困難を乗り越えるための最適な手法であり、社員の変革を促す最大のチャンスです。

そして生成AIをビジネスマン一人一人がビジネスツールとして活用することで、企業のパワーは大幅に変わります。まさに社会の、人類のビックバンが始まるときに、大切なことは、古典に帰れ、ということです。

そのためには、『孫子の兵法』という文献が参考になります。なぜなら、この古典には組織の運営に関する秘訣が含まれており、今日の経営にも役立つ教訓が詰まっているからです。現代のビジネス書では、成功事例を挙げることが一般的ですが、これらは表面的な情報に基づいていることが多いです。一方で、『孫子の兵法』は歴史を通じて検証された事例が多く含まれており、その洗練された知恵から、現代の経営に対する新たな視点を得ることができるのではないでしょうか。

そして複雑になりすぎた現代社会で起きている様々な問題を解決できるものこそ、生成AIを活
用することです。今や、生成AIというツールは、ビジネス活動を確実に大きく変容させていくでしょう。これから進めるお話は今必要な戦略の真理を、ビジネスの現場にあてはめて検証し、生成AIを活用してそれを実行する方法をご提案するものです。


2023年08月03日

生成AI時代の歩き方  2江戸に学べ

もう、15年前になりますが、2008年、NHKの大河ドラマ「篤姫」は、今までにない高視聴率で、大変な人気だったようです。私も毎週楽しみに見ていました。なぜ、こんなに人気なのかが、ずいぶん話題になりました。私は、戦争シーンが少なく、女性にスポットを当てていることが良かったと思います。

しかし、本当のところ、今日の世情、もしくは視聴者の心理、もっと言うと、今の日本が「落日の徳川家」と重なるからではないでしょうか。だから、どんなに一生懸命頑張っても何かが滅びゆく大きな流れの中で、篤姫が健気に明るく生き抜こうとする姿がとても清々しく感動的に思えたのでしょう。

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今、どういう日本が滅びようとしているのでしょうか。皮肉にも篤姫たちを葬った社会、つまり黒船来航から始まった、欧米を目標としてきた日本社会なのかもしれません。明治以降、日本は欧米に追いつくために富国強兵、殖産興業をスローガンに国力を伸張させ、日清、日露戦争を経て、ようやく列強に追いついてきました。ところが太平洋戦争の敗戦で、ゼロに戻り、戦後は強兵を捨て、殖産興業で、再度欧米にチャレンジして世界第2位の経済大国にまでなったのです。

さらにバブルの波に乗り、米国まで追い越しそうになったとき、1991年、バブル崩壊が起き、30年もの長い間立ち直れずにいました。その後、米国主導のグローバリゼーションの中で、やっとBRICsの台頭に活路を見出しましたが、それもつかの間、2008年に発生した世界同時不況のもと、その活路も失い、本当の行き詰まりに直面し始めました。

もともと日本は、欧米列強の勢いに押されて、江戸幕府が倒れ、欧米のシステムを猿まねのように取り入れた側面があります。それから140年間は、欧米への憧れから、そのシステムを表面的に取り入れながらも日本的経営で成功してきたのです。ところがバブル崩壊後のこの10年、余裕のない日本企業は日本的経営を捨て去り、非正規雇用社員が4割もいる、先進国でも類を見ない社会になってしまったのです。

しかし、今の日本は経済の停滞や労働問題、少子高齢化などの課題に直面しています。また、国際的な競争力も低下しており、新興国の台頭によって日本の地位が揺らいでいます。さらに、政治不信も根強く、社会的な不満や不安も広がっています。

このような状況下で、大河ドラマ「篤姫」は、歴史的な時代や社会の中でひたむきに生き抜く主人公の姿を描いていました。それは、今の日本人の心情や現実と重なる部分があるため、多くの人々に共感を呼び起こし、高い人気を得たのかもしれません。

また、「篤姫」は女性の視点に焦点を当てていたことも一因として挙げられます。女性の社会進出や権利の向上が進んでいる現代社会において、女性の力強さや生き抜く姿勢に共感する視聴者が多かったのかもしれません。

さらに、歴史的な背景を持つ大河ドラマとしての魅力もあったと思います。日本が戦後復興を遂げ、経済的に成功してきた過程で、何かを失ったり犠牲を払ったりしてきた歴史は、今の日本人にとって考えるべきテーマなのかもしれません。

総じて言えることは、大河ドラマ「篤姫」が高視聴率を獲得し、人気を博した要因は多岐にわたるということです。戦争を扱わずに女性の視点を描いたこと、現代の日本の課題と重なる要素を持っていたこと、そして歴史的な背景を持つ魅力があったことが、その理由の一部かもしれません。

山本七平(1921〜1991年)はその著書『指導者の条件』(文藝春秋社刊)の中で、日本型経営を作り出したのは、「一揆」だと言います。一揆というと百姓一揆という抵抗運動をイメージしますが、もともとは、利益に基づいた集団規約を指すのです。そして、その建前は全員平等なのです。

江戸幕府はなぜ長続きしたのか。様々な要因が考えられますが、徳川家康が、その「一揆」という日本的組織を十分把握したうえで、江戸幕府のシステムを作った要素が大きいと思います。士農工商それぞれの階級が独立していて、それぞれ皆、哲学と誇りを持っていました。そして、同じ階級の中では皆が平等な組織体系の中で、共同体を形成していったのです。もちろん武士階級は身分へのこだわりを持っていたように見えますが、よく見ると、そうでもないところもあるのです。実は身分間の流動性があったのです。勝海舟のように曽祖父が検校として蓄財したおかげで武士になれた者や、商人に借金が返せない藩が、その商人の息子を養子にするという形で一定期間藩主にして、借金を棒引きにしてもらったという例もありました。

それに対して、欧米の社会は個人主義的で、階級差が大きく、利益を追求することが重視されます。そのため、結果的に日本的な共同体主義的な経営スタイルが長く続くことができたのです。しかし、バブル崩壊後の日本経済の苦境により、企業は利益最大化を追求するために非正規雇用を増やすなど、日本的な経営スタイルを捨てざるを得なくなりました。

現代の日本の社会は、非正規雇用者が増加し、経済格差が広がるなど、問題が山積しています。これに対し、山本七平は一揆の精神や組織を経済の中に取り入れることで、日本経済を立て直す可能性があると主張しています。一揆では利益分配や労働条件を合意に基づいて決めることが重視され、共同体の一員として平等に扱われることが特徴です。

このような共同体主義的な経営スタイルを取り入れた企業や地域が、社会的な安定や経済の発展を促すことができる可能性があります。しかし、現代のグローバル経済の中では、競争力や利益最大化が求められるため、このような日本的な経営スタイルがいかに活用されるかは課題となっています。

経済のみならず、社会全体の課題解決にも日本的な組織や価値観を取り入れることは有益であると考えられます。しかし、それが現代の国際社会との調和や競争力との両立にどのように繋がっていくかは、慎重に検討すべき問題であり、日本のリーダーや経営者に求められる能力の一つと言えるでしょう。

明治に入ると、欧米のシステムに合わせようとしたのですが、もともと日本では、外部のシステムを日本的に改良して入れるものは入れる反面、受け入れられないものは頑として拒むという土壌がありました。日本的経営といわれる下から上へ稟議を上げるボトムアップ型の組織は、まさにトップダウン型の欧米型ツリーシステムを取り入れた中で、日本型一揆組織を実現した組織形態だったのでしょう。

しかし、この30年の間に、日本企業は派遣社員・期間従業員を増やし、正社員も、年配者からどんどんリストラすることで、500年以上続いた盟約に基づく日本型一揆組織を排除したのです。その結果、日本の企業の生産性は、先進国中最下位にまで転落したのです。それでは、これからどのようになるのか。奇しくも、ドラマで篤姫が江戸城を去る前に言った言葉にヒントがあります。

「私たちが残すのは、徳川の城ではない。徳川の心を残すのです」江戸時代は9割近くが農民で、農民も一部の小作人以外は自営であり、そのリーダーは民意で選ばれ、農村は自治が中心に営まれていました。今企業は、中小企業が9割です。農村と中小企業は、組織の9割を占めているというところが共通しています。この苦況の中では、篤姫が言うように「徳川の心」を思い出せば良いのです。
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「徳川の心」とは、徳川幕府が作り上げた日本の村落共同体の心なのだと思います。徳川幕府の崩壊とともに幕を開けた欧米追従の国家はもう限界です。
先ほど述べた明治以降の日本型経営は、実体は村落共同体と欧米型組織との折衷だったのです。今こそこの不況下で、新しいスタイルを持った本来の日本型組織の経営にすることが、大切なのです。

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日本型経営の特徴は、一揆や村落共同体のような日本的な組織をシステム化することです。江戸時代の経営スタイルは、地域のリーダーが民意に基づいて選ばれ、自治が中心に営まれるという特徴がありました。また、明治以降の日本型経営は、欧米の組織モデルとの折衷で、和洋の要素が取り入れられました。

しかし、近年の日本企業は、派遣社員や期間従業員の増加、正社員のリストラなどを行い、日本型一揆組織を排除してきました。その結果、日本の企業の生産性は下がり、先進国の中で最下位になってしまいました。

今後は、不況の中で新しいスタイルを持った本来の日本型経営を取り戻すことが重要です。そのためには、徳川幕府が作り上げた村落共同体の精神を思い出し、日本的な組織の経営を実現する必要があります。

そして実は生成AIは、この日本型経営システムをより効率よく効果を発揮するとんでもなく素晴らしいツールなのです。

欧米型の経営はMBAなどエリート教育で磨き上げた、非常に能力のたけた層による効率的なトップダウンの仕組みです。しかしそのエリート教育というのは、論理力、情報収集力、判断力がより訓練により卓越したスタッフの独断にかかっています。
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生成AIを活用すれば、このエリート集団の論理力、情報収集力、判断力を一般の人民も活用することができるのです。よってみんなが生成AIを活用して議論することで、一握りのトップエリートの決断を凌駕する決定を作ることさえできるのです。

今こそ日本型経営を発揮させるチャンスが到来したといえます。

2023年08月12日

生成AI時代の歩き方 まもなく日本は復活する可能性が出てきました。

日本はバブル時代のような証券市場での高株価維持と、都心でのマンションの平均価格が1億3千万円と高騰しています。

30年にわたる低成長であり、東北の大震災、国内産業の空洞化、コロナパンデミック、税負担率の上昇などいいことのなにもない、日本でなにが起きているのでしょうか?

しかし、これは気まぐれな一時しのぎの現象ではありません。
まもなく日本は復活する可能性が出てきました。

理由は、日本の大企業が、中国投資をストップして、国内に回帰を始めたからです。
中国の巨大市場で、大きく利益をあげた大企業も多くはありましたが、中国での活動で得た利潤は、中国から持ち出せず、中国国内でしか再投資できません。なので、大企業は連結決算では、中国依存で大きく売り上げをあげましたが、実際に中国以外、特に日本国内での投資は多くはしませんでした。
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その結果日本は30年間GDPが上がらず、中国は急成長し、2011年に逆転し、公表では現在日本の3倍のGDPです。

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日本は円安で、それにもかかわらず長い間強いデフレ経済でした。最近ウクライナ戦争で、インフレに転じてはいますが、諸外国に比べ、インフレ率はそれほど高くはありません。例えばタイと比較しても、普通の物価は日本より3割くらい安いだけです。タイにもダイソーがあり、100バーツショップと表示されていますが、300円ショップです。35バーツショップはありません。
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マクドナルドもかつやもありますが、日本の値段は同じか、心持若干高いです。
伊勢丹など高級デパートやユニクロさえ、日本より同等の商品は、タイの方が高いです。

初任給の人件費はまだ日本が高いですが、管理職や専門職など、中間管理職以上になると、タイの企業にすら賃金で抜かれます。仕事における人の依存度もどんどん低くなるし、社会の治安の良さと、日本人のまじめさ、対外的なブランド力を考えると、日本への投資回帰は、コスパがいいのではないでしょうか。

さらに、現政権下で、生成AIの積極活用を打ち出し、特に教育でも、企業でも肯定的です。

国民ひとりひとりが、AIをうまく活用して、ビジネスに活かすことができれば、日本人のスキルレベルはあがります。

現政権はリスキリング(再スキルアップ教育)なるもの、ようするに、社会人の再教育によって、そして転職や副業など、労働流動性をさらに活発化させることにより、経済を活性化させようとしています。

そのことは、とても正しいことだと思います。まだ未知数ではありますが、生成AIの活用は、
活用を取り入れた企業ほど成功していく
ことが予想されます。

この30年、よりITを積極的に導入した企業ほど、成長する、とは言い切れませんでしたが、AIの活用度はそのまま企業の収益向上に反映することが、予測されます。

これらを踏まえた上で、何が日本復活の可能性を高めるのかというと、大企業だけでなく、中小企業や個人も含めた広範な産業全体の生産性向上です。大企業の中国からの撤退と日本への再投資は、一部の大企業の収益を確保するだけでなく、全体の産業構造を強化するチャンスを与えています。つまり中小企業の復活こそが、日本復活なのです。

更に、AIを含むデジタルテクノロジーの進歩は、生産性を向上させる道具であり、産業全体の効率化を推進する可能性を秘めています。 企業にとってAIの活用度は、単なる収益向上だけでなく、中小企業やスタートアップ企業の人材不足を解消し、新たなビジネスモデルを生み出す基盤となり、社会的な価値を創造する可能性を持っています。

また、教育の改革も日本復活の鍵を握ります。現政権が進める再スキルアップ教育や労働流動性の活発化を通じて、個々の国民のスキルの底上げを目指すことで、一人一人が活躍する社会を築くことができます。

しかし、これらの変化が起きるには、ルールメーキング、社会インフラ整備、資本投入など、国や地方公共団体の果たすべき役割があります。これにより、産業全体の価値創造や労働者一人一人のスキルアップに繋がると共に、日本の経済力を再び高める可能性があります。

日本が復活するためには、国際競争力の強化、生産性の向上、技術革新、教育改革など様々な要素が関わってくると思いますが、その中でも大企業の投資回帰・デジタル化・教育の進展は大きな鍵となるでしょう。デジタル化や教育の進展を通じて人々のスキルアップが進むことを期待しつつ、大企業だけでなく中小企業や個人までが一緒に成長していけるような社会形成に期待したいところです。

そして、以上のことは、手前味噌ですが、「AIの普及」以外は、2009年に出版した「究極の経営」で述べたこととほぼ一緒でした。
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https://www.media-5.co.jp/hp/info/new/kyukyoku.html


当時の経済学者や経済評論家は、日本の経済における門戸開放と、海外投資こそ日本経済の発展には必要と、みな主張し、M&Aが活発になり、株式市場も海外からの買収などに有利になルール変更され、にもかかわらず株価と経済の低迷を招き、多くの企業が弱体化し、外資に買われたりしていきました。

そして、当時は日本のより多くの企業が中国への投資に夢中になり、ほとんどの大企業は、中国に生産拠点を持っていき、しかし、その利潤を中国国外に持ち込めず、中国の驚異的なGDPの増加に貢献すれども、日本のGDPがほぼ横ばいの主要な原因となりました。

ただ、ニート、フリーターの一部は、yutuberという個人事業主となって、独立自営する人が急増しました。

「究極の経営」では、個人のスキルアップモチベーションで、リスキリングを行う、というものでしたが、GDPの鈍化から、そういうモチベーションは日本国内では生まれませんでした。

また、スキルといっても、知識を増やすことはできても、人間の思考力という資質は到底努力だけで向上するものではありませんでした。

国民、一般大衆の思考力を底上げするには、この「生成AI」というだれでもが、簡単に手に入れら、簡単に活用できる知能の道具が普及する必要があり、それは14年の歳月を待たなければなりませんでした。

また、中国という、米国に追いつくまでに急成長した巨大国家が、経済的に行き詰まり、国内を安定させるために、さらに経済面での締め付けを強化し、日本の大企業が中国市場での投資を考えなおし、日本市場への回帰がはじまるつつあるチャンスを迎えることも大きな環境要因になりつつあります。

「生成AI」の登場で、このツールをより積極的に効果的に活用することこそ、リスキリングが努力しないで、一瞬で実現できてしまうのです。

そういう効果的なツールを当社は作りました。
ラーニングスケルトンAIです。
シート上で、自分の構想や企画、ノートに書きたいことを並べて、文章を選択するとCHATGPTが起動して、アドバイスしてくれます。そして選択をはずしてAI探求ボタンを押すと、関連情報を重要項目ごとに表示します。

ビジネスで活用するラーニングスケルトンAI
https://www.media-5.co.jp/hp/office/

あらゆるあなたの仕事を飛躍的にバージョンアップさせます!

そして教育変革を先取りする学校現場でのラーニングスケルトンAI
https://www.media-5.co.jp/hp/class_example/
ラーニングスケルトンAI教育活用法
https://www.media-5.co.jp/hp/learningskeleton/openai/

2023年08月15日

生成AI時代の歩き方 終戦記念日

今日は終戦記念日です。

1945年8月15日 天皇の終戦の玉音放送が、ラジオで流れました。


日本全国の大都市が空襲で焼け野原になり、広島、長崎で原爆を落とされ、ソ連が参戦してきました。

私も小さい頃から、原爆や空襲の悲惨なドラマや本をテレビでみたり、図書館で読んだりしていました。「8月がくるたびに」という絵本は繰り返し読みました。
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そんな悲惨なことがおきてから、15年後に生まれ、多感な少年期は30年後ぐらいでした。

当時は、今よりはるかに終戦記念日は、社会の大きな出来事だったと思います。

私も、なぜ、日本は、巨大な米国などと戦争に突入などしたのか、なぜ戦争を回避できなかったのか、物心つくころから思っていました。

もっとも印象にのこる、その言葉は満州事変の張本人、陸軍きっての天才といわれた石原莞爾中将の、東京裁判山形出張所での言葉です。裁判官から、戦争責任はどこにある、というと、石原莞爾は、大声で、「明治維新のペルーの黒船艦隊だ!」と叫んだそうです。


それが、歴史を知る人の正解だと私も思います。

戦国時代、日本は世界最強の軍事国家でした。
それを利用しようと、豊臣秀吉は慶長の役を起こしました。
しかし秀吉の死後、天下を統一した家康は、世界に目を向けず、武器をみんな寺の釣り鐘や農機具に作り変え、平和な260年の礎を作りました。軍事の強い武将で、このような人物は古今東西どこにもいなかったでしょう。

江戸時代は学問を中心に、戦争もほぼなく、非常に平和で豊かな社会が実現されました。世界で最も暮らしやすい、知的水準の高い国家だったのです。

それを嘉永六年ペリーが大砲で脅して、開国を迫り、植民地化の危機意識から、江戸幕府は倒れ、明治政府が樹立され、富国強兵のスローガンのもと、着実に国力、軍事力をのばし 、日清戦争に勝ち、日露戦争にかろうじて勝ち、世界で恐れられていた2大国を打ち破ったことで、大衆も日本が無敗の神国と勘違いし、軍国主義化していったのです。

石原莞爾の指摘はそのことを言ってるのです。
515事件で、海軍将校が犬養毅を暗殺したとき、嘆願書が山のように送られ、だれも死刑にならなかった。
226事件は、陸軍上層部は守ろう、という動きもあったが、さすがに天皇が強硬に指示して鎮圧しました。
しかし226事件以降は、軍部の暴走をとめることはできなかった。昭和天皇も回顧録で、もし、太平洋戦争を許認可しなければ、自分の身にもなにか起きたかもしれない、と独白された記録があります。

臣下の閣僚が皆殺しに近い形になった226事件以降は、天皇ですら危険を感じていたのだから、ましてや、閣僚はみな戦争への道を反対すれば、命はない、と感じたでしょう。

大きな統合的な戦略もなく、縦割りの官僚よろしく、陸軍は満州へ、海軍は石油を求めて東南アジアへと侵攻していきました。

真珠湾攻撃は、そんな中で、海軍中心にその計画を進めていったのです。

こんな軍事力のまた裂きのような状態で、米国に戦争を仕掛けたのです。本当は、追い詰められて、やむなく口火を日本から切ったのですが。

それで、戦後、GHQの指導のもと、愛国賛美や軍事崇拝を徹底的にタブーとして貶めてきました。憲法も世界で初めて戦争放棄を掲げました。
もちろん私も、反戦、反軍事、反権力という、教育を受けてきました。

しかし昨年に起きたウクライナ戦争は、核を手放した国家が、いとも簡単にロシアの侵攻を許し、全土が戦場になりました。

これで日本は本当にいいのか、という問題を押し付けられました。
隣国は核を持つ独裁国家中国ロシア北朝鮮です。

独裁国家の戦争勃発の確率は、民主国家の10倍ともいわれています。

そして台湾有事は一食触発です。

戦争を起こさないためにはどうするか、これは国民全員の課題です。

そのなかで、戦後は、平和主義、核廃絶、戦争放棄こそ平和への道でしたが、いまはそれがなおさら戦争を誘発する可能性があることをウクライナは証明しました。

歴史的に見れば、戦争が勃発を始めた南北朝時代から、室町時代、戦国時代までの267年戦乱の世が続き(1333年から1600年)、江戸時代の平和な267年が続き(1600年から1867年)、戦争の多かった明治大正昭和初期の78年戦争の時代が続き(1867年から1945年)、戦後から今年までの78年が平和な時代でした。(1945年から2023年)

そうやって見ると、来年から日本も戦争の時代になります。

経済的な復活が、日本を戦場にすることから守ります。
それは、ポールケネディが「大陸の興亡」という本で明確になります。

恐ろしいです。 なにげない日常の中で、ある日突然ミサイルが落とされ、日常世界は一変します。ウクライナの人はそう言っていました。

日本人にできることは、日本国民にできることは、なるべく早くひとりでも多く生成AIの活用方法を覚えて国民の知的ステージを飛躍させることです。

まずは、日本人は、平和ボケ脳を切り替える必要があります。どの外国へ行っても、常に身近に戦争がり、まったく気配すらないのが、日本でした。

タイとカンボジアの国境は、機関銃やバズーカ砲を持っている兵がうろうろしていました。
DMZと呼ばれる非武装中立地帯は、北朝鮮との国境で、韓国の兵隊は、あまりの緊張と恐怖から精神を病んだり、自殺したりする徴兵があとを絶たないといいます。

米国も、中国も、イギリスもフランスも常在戦場です。

とにかくこの国が戦場にならないようにするためには、国民知の上昇が必要です。
生成AIの出現は、すでに教科書に記述されている内容を解答する試験に、なんの価値もないことが明確です。

生成AIを中心とする教育こそ、国を二度と滅ぼさないための教育だと思います。

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