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2008年05月 アーカイブ

2008年05月21日

経営資源を絞り出す

当然、企業には時間が限られています。限られた時間のなかで、最大の利益を出すために、みんな知恵を絞っていることでしょう。

可能な限り羅列します。

1、顧客ソリューション戦略まずは一度でも、自社の商品を買っていただいたお客様に満足をいただけたならば、購買意欲は増加します。
顧客を知ることが利益のはじまり →顧客ソリューションモデルを考える→顧客DB分析、当社でも合格アンケートを取ることにより、どのように合格したかを徹底分析します。反対に合格しなかった人も分析し、どのように次の年再チャレンジをして成功したかを分析し、商品開発に生かします。

2、製品ラインナップ戦略
商品をなるべく顧客のターゲットニーズにあった製品ラインナップをおこなう。お客様のなかには、たくさんの機能を喜ぶお客様もいれば、ごちゃごちゃして抵抗感をもつお客様もいます。お客様を年齢、職業、ニーズなどに分類して同じ商品でも様々な製品ラインナップを考える。
→製品ピラミッドモデル 廉価版シリーズ、スタンダードシリーズ、GOLDシリーズなど。

3、市場シェア独占戦略
圧倒的な市場シェアの独占を目指す。市場でのトップは様々な購買段階において、特にマジョリティの層に有利に働きます。市場シェアのトップをとれば、なるべくシンプルで利用しやすい商品を低価格で販売するのが得策といえるでしょう。
しかし、あまりシェアトップにこだわると、市場を破壊する結果につながります。シェアトップになれば、市場を育てる役割にまわりましょう。

4、辛抱時間待ち戦略
今日における企業は結果を早く出さないと、すぐに撤退させられる傾向があります。赤字をなるべく出さずにおけば、時間をかけることができます。時間が生み出す利益を粘り強く追うことも戦略の一つです。→時間収益モデル。

5、ブーム取り込み戦略
コバンザメ商法で、どちらかというと短期的な売上を上げるのに適していますが、大ヒットやブームを素早く取り込むことは、ビジネスアプローチがとりやすい。
大ヒットを創造するマネジメントビジネスモデル→たとえば、学習法、脳機能開発、iPod、携帯電話、SaaSなど。特に

6、ライフスタイルアピール戦略
ライフスタイル→ストーリー説得→イメージビジネス利益モデル→なんのためのブログ?本も重要なツール。

7、経営資源多角化戦略
一つの資産から様々な製品をシステムとデータの組み合わせ→利益増殖ビジネスモデル
2、製品ラインナップも個人の嗜好やニーズをターゲットとした経営資源の多角化ですが、たとえばコンシューマー、企業、学校といった組織別の製品ラインナップ、ソリューションも経営資源の多角化になります。また年齢別ターゲットも同じです。年齢別、ニーズ別、ソリューション別、組織別に製品ラインナップが完成すれば、リピーターの確保などの顧客の組織化を進めやすくなります。

8、複合ビジネス戦略 複合エリア戦略 複合形態戦略 複合ターゲット戦略
複合形態ビジネス:一つのコンテンツからパッケージ、システム、ネットワーク展開。複合ターゲット:個人、学校、企業など。
複合エリア:米国、日本国内、ヨーロッパなど。
製品やニーズ、ソリューションを複合化することで、新しいビジネスや製品を創出することができます。

9、ヘビーユーザー、スペシャリスト囲い込み戦略すべてを知り尽くしたユーザーに支持されることの強み→スペシャリスト利益モデル→資格ソフトから業種向けナレッジシステム
→売り手が主導権を握る→主導権利益ビジネスモデル→競合がいない場合
デファクトスタンダードモデル→競合がいない場合

10、デファクトスタンダード戦略
人間の心に潜む非合理性→ブランド利益モデル
デファクトスタンダードになるにはニッチな市場を深耕することがしやすい。→専門品利益モデル

11、市場深耕戦略
点線面→パッケージ→システム→ネットワーク展開モデル
信頼がもたらすメリット→取引規模モデル


12、点線面戦略
パッケージ→システム→ネットワークなど
価値連鎖ポジション利益モデル→店頭か、ネットか

13、市場破壊戦略
市場シェアトップを目指すには、市場破壊戦略をとられやすい。こういうことをされた場合、どのように防衛するかが重要。


14、景気循環戦略
景気の追い風の時、景気減退の時、いかに売上を上げるかの検討。いずれにしても財務がしっかりしていないと、余裕ある戦略がとれない。

15、新製品売上依存ビジネス
多品種低価格商品に、このビジネスは取られやすい。返品在庫の増加が問題。

16、組織貢献ビジネス
ビジネスにおける重力の問題→相対的市場シェア利益モデル→「則天」で

17、カイゼンビジネス
利益の出そうなビジネスへ向けて取捨選択
学習の累積がもたらす知恵→経験利益モデル


孫子の兵法 始計1 陰陽五行が大切

孫子の兵法は1、計編 2、作戦編 3、軍形編 4、兵勢編 5、謀攻編 6、軍争編 7、虚実編 8、九変編 9、行軍編 10、地形編 11、九地編 12、火攻編 13、用間編があります。

当社のHPにも孫子の兵法が載っていますのでご高覧ください。
http://www.media-5.co.jp/hp/maruchi/sichisokusen/index.html
「死地則戦」→「孫子の兵法」(これ以外はまだ未完成です。)

よく「兵法読みの兵法しらず」、というのがあります。そのもっとも大きな過ちを犯すのが、孫子の兵法が陰陽五行にもとづいて作られていることを知らないことです。

昔、第2次世界大戦で、牟田口中将は武器も食糧も決定的に欠けている日本軍が、険しい山間部を通ってインド北部のインパール攻略を目指したインパール作戦を、反対する周囲を押し切って実行するとき、「諸君、この山間部は見渡す限り緑で青々としているではないか。「知将は敵を食む」と孫子にもあるではないか。」といって無理に作戦を強行しました。

このケースの場合、3、軍形編にある「勝ち戦は戦う前に決まり、負け戦は戦ってから決まる。」というケースです。やってみなければわからない戦いはすでに負けなのです。

勝つためにあらゆる綿密な計画を立て、実行していくのが戦略です。

そして世の中の流れ、勢い、気というものを最も大事にして作戦を立てたのが孫子の兵法なのです。

「やってみなければわからない」という戦は負け戦です。

孫子の冒頭部分は以下の通りです。

孫子は言う。戦争は国の重要なものである。人の生命、国の存亡がかかっている。十分に熟慮しなければならない。したがって次の5つの命題で戦力を検討し、実情にあてはめて判断しなければならない。
その5つの命題とは、1に道、2に天、3に地、4に将、5に法である。

道とは、民をして上と意を同うし、これと死すべくこれと生くべくして、危わざらしむるなり。 
天とは、陰陽・寒暑・時制なり。 
地とは、遠近・険易・広狭・死生なり。 
将とは、智・信・仁・勇・厳なり。 
法とは、曲制・官道・主用なり。 

話は脱線しますが、よく人からメディアファイブの「ファイブ」はどういう意味ですか、と聞かれますが、
設立当時は、この道天地将法の5つからつけました。ビジネスの基本がこの5つだからです、と答えていました。
今では、陰陽五行、五感、五官などあらゆる世界が5で成り立っているので「ファイブ」なのだと言っています。

2008年05月22日

孫子の兵法 始計2 謂導之以教令

孫子は言う。戦争は国の重要なものである。

人の生命、国の存亡がかかっている。十分に熟慮しなければならない。

したがって次の5つの命題で戦力を検討し、実情にあてはめて判断しなければならない。

その5つの命題とは、1に道、2に天、3に地、4に将、5に法である。

道とは人民と君主が志を同じにして、生死を共にし、恐れたり、危ぶんだりしないもの。

道とは人民と君主が志を同じにして、生死を共にし、恐れたり、危ぶんだりしないもの。
まずトップは企業コンセプトを明確にすること。そしてそのコンセプトを社員全員にいきわたらせることが肝要です。最近は見かけませんが、昔はよく、朝礼で、社訓を大きな声で斉唱している会社がありました。しかし掛け声と集合研修で仕事の効率は本当にあがるのでしょうか。私の場合、掛け声だけのときは、思いっきりモチベーションは低かったのを記憶しております。また研修中はいろいろな新しいことを学び、とても楽しかったのですが、仕事につくとそれが役に立った記憶はありません。

組織の目標やコンセプトが明確になったならば、その目標にむけて、組織が機能的に行動できるシステムが必要です。そのシステムなるものがここでいう「道」にあたります。

三国志で有名な曹操は、孫子の兵法が大好きで、注釈を残しています。そしてこの道を、教育と命令系統によって導かれる、と定義しました。
「謂導之以教令」つまり「教育と命令系統の両輪のシステムで実現する組織の安定」です。

組織はもちろんしっかりした命令系統が重要です。しかし組織が進化し、改善されていくには組織のひとりひとりが「学習」していかなければなりません。組織におけるもっとも重要なことが生存適応能力です。環境に変化があれば、現場の人間が個々に学習して対応することが、必要です。三国のなかで唯一曹操の一族が中国を統一できたのは、ここに秘訣があったのかもしれません。

現代でみれば、有名なトヨタの「カイゼン」はいい例でしょう。今日、自分がどのように仕事を「カイゼン」したか、模造紙に張り出して、日々仕事をブラシュアップしていく。ということだと思います。

孫子の兵法 始計3 道天地将法

天とは昼夜、寒暑、時期など天から授かった現象。

陰陽つまりプラスとマイナス。そして時制。これはまさにバイオリズムです。

二宮尊徳のいう
「世の中、花の咲き散る、人の栄枯盛衰、生き死になど万物循環する。
このような自然の理に逆らわなければ、自然と豊になる。」
です。

世の中は朝昼夜のように、春夏秋冬のように、必ず循環します。
この循環のリズムに乗っていかにビジネスを成功させるかが問題です。

 
地とは距離、道の険しさ、広さ、生きやすい場所かをさす。

これはマーケティングです。マーケティングを考えるときは思考の基本であるベンチマーク、つまり対比です。安いか高いか。売れるか売れないか。デザインが良いか悪いか。ベンチマークして考えることが重要です。


将とは司令官の持っている知略、信念、仁徳、勇気、威厳。

将とはリーダーシップです。リーダーシップでまず必要なのは知略です。頭が良くなければ話にならない。米軍の将校マニュアル、これはもともとドイツのモルトケの戦略からとっているのですが、
リーダーにすべき人物はまず
頭が良くて野心がないこと。
次に
頭が良くて野心がある人。
3番目に
頭が悪くて野心のない人。
最悪なのが
頭が悪くて野心のある人。こういう人が組織を破壊します。

野心のないことも重要なポイントです。これが「信」・「仁」でしょう。つまり信頼される人物であり、道徳心の篤い人。勇気のあることも大切です。こういうことが身に付くと、自然と「厳」つまり威厳が出てくるのだと思います。


法とは部隊編成、司令官の道、軍需物資の管理をさす。

これは組織のシステムと考えてもよいでしょう。
企業でいえば、組織構成、昇格のシステム、財務管理といったところでしょうか。

そして孫子はきつい調子で言います。
「およそこの5つのことは 司令官になるほどの者は皆知っているが、
これを深く理解しているものは勝ち、表面上でしか理解していない者は負ける。
つまりこの5つの命題で戦力を検討し、実情にあてはめて判断しなければならない。 」

経営者は道天地将法をつねに頭に入れて経営をしなければならないのでしょう。難しいことです。

孫子の兵法 始計4 ベンチマーク

その実情とは、どちらの君主が道を有しているか。どちらの司令官が有能か、

どちらの状況が有利か、時の運は傾いているか、どちらが法令を厳守しているか、

どちらの軍隊が強いか、士卒はどちらがよく訓練されているか、

どちらが明確な賞罰をしているか、これだけで勝負ははっきりわかる。

マルコム・ボルトリッジ賞というのがあります。経営の品質にかかわる米国の賞なのですが、その項目はリーダーシップ、情報、戦略、学習、プロセスマネジメント(履歴)、顧客です。具体的には下記の評価基準ですが、この7つの項目で候補企業をベンチマークし、優秀とおもわれる企業を表彰する賞だそうです。

 1.リーダーシップと社会的責任の重要なキーワード
       1)ミッション、バリュー、ビジョン    2)リーダーシップ  3)意思決定のプロセス
       4)レビュー    5) 評価尺度・指標   6)環境・資源・エネルギー問題への取り組み        7)経営の透明性      8)企業倫理  9)地域社会との共存
 2.情報の共有化と活用の重要なキーワード
  1)情報・データの鮮度維持   2)データと結果
  3)競合比較  4)ベンチマーキング   5)情報マネジメント
 3.戦略の策定と展開の重要なキーワード
  1)戦略策定と形成   2)重点施策・実行計画   3)自企業の能力
  4)リスク     5)事業機会や脅威
 4.人材開発と学習環境の重要なキーワード
  1)学習環境   2)組織横断型チーム   3)個人と組織能力   4)社員満足
 5.プロセスマネジメントの重要なキーワード
  1)プロセス    2)サイクルタイム    3)生産性  
 6.顧客・市場の理解と対応の重要なキーワード
  1)既存顧客   2)顧客・市場の要求や期待   3)苦情処理
  4)未然防止   5)サービス基準    6)顧客満足・不満足
 7.企業活動の成果の重要なキーワード
  1)リーダーシップと社会的責任の成果 2)個人と組織の能力向上の成果  3)プロセスの成果4)財務の成果  5)顧客満足の成果

この項目を「数と履歴の分配システム」では次のように考えます。
1、リーダーシップの要諦は「公平平等な評価」です。公平平等に評価、利益配分をすることにリーダーの役割はつきます。
2、情報共有はいかに有効にグループウエアを活用しているかです。情報共有をするにしても、「カイゼン」という明確な目標のもとで、活用することが肝要です。
3、戦略マネジメントの要諦は「教令一致」です。
4、学習マネジメントは「学習と仕事と教育がトライアングルに連携する」ことです。
5、プロセスマネジメントこそ「数と履歴の明示」です。
6、顧客と市場関係は「カイゼン」「コミュニケーション」をいかに社員が積極的に展開するか。
7、成果に関しては上記6項目の活動結果と市場のタイミングで結果がアウトプットされるでしょう。
ITを活用して「公平平等な評価」「カイゼン」「教令一致」「学習と仕事と教育がトライアングルに連携する」「数と履歴の明示」「コミュニケーション」を実行することが経営品質をあげることにつながります。
こういう活動して社員に「気づき」をさせることが大切です。1か月ごとに面接をおこない、そういう姿勢で仕事をしてきたか、手抜きはなかったか、無駄はなかったか、生産性はあがったかを丹念にチェックすることが肝要でしょう。
ただこういった活動は当然システムで統合されていることがベストでしょう。1~7までは有機的に連携されていて、システムで結びつくことが結果につながるからです。


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2008年05月24日

孫子の兵法 作戦編 智将は敵を食む

およそ戦争とは戦車千台、革車千台、武装兵士十万を、

千里の道を食料とともに移動するときは、内外の経費、外交の費用、

にかわやうるし、戦車や武具の供給で、日々千金を費やして、初めて十万の軍隊を動かすことができる。

勝ちいくさでも長引けば兵を鈍らし、鋭気もくじき、

そうなると近隣諸候が貧窮につけこみ、襲いかかり、

どんなに知略のすぐれた司令官でも、善後策をとることはできない。

したがって兵はまずい動きでも、すばやいほうがよく、うまい動きでの長期戦は見たことがない。

戦争の損害を知りつくせないものは、戦争の利も知ることができない。 

戦上手は、民の徴兵を再びおこなわず、食料は三度運ばず、

軍需物資は自国から取るが、食料は敵地で調達する。

だから兵站が十分に余裕がでる。国が軍隊のために貧窮するのは、軍隊が遠征して、物資を遠くに運ばなくてはならないからである。

遠征して遠くに運べば、農民が貧しくなる。

軍隊が国に近づけば物価は高騰しする。物価が高騰すれば、農民の財産は窮乏して生活にいきづまる。

生活にいきづまれば兵役、徴発をきびしくとりたてれば、力はすでに国内で尽きはて、物資は家になく、

農民の資財の7割がなくなる。

国家財政の6割がなくなる。

従って務めて優れた司令官は敵地で食料を調達する。

敵地で一鍾調達すれば、自国の20倍分に相当する。

したがって敵を破滅させるのは怒を満たすものであるが、敵の物資を得るのは利益につながる。

したがって戦車戦で戦車を10台捕獲すれば、まず捕獲した者を賞し、

掲げてある旗を味方のものと入れ替えて、味方の戦車と混ぜて、敵兵をよく訓練して味方として乗せる。

したがって戦争はなによりも勝つことが第1である。

長期戦はよくない。

だから戦争をよく知る司令官は人民の命をつかさどり、国家の安全を決する主なのである。

これで敵に勝って、益々強くなる。

日々千金を費やす 
ビジネスはひとたび始めれば膨大な金がかかります。そのためには十分潤沢な資金と売上げ見込みがなければ、ビジネスをはじめることはできません。松下幸之助の有名な言葉に「ダム式経営」というのがあります。ダムのように資金を潤沢に用意してから経営をすることが経営の重要なこと、という意味です。ある人が幸之助にどうすれば、ダム式経営ができるのですか、とたずねました。すると幸之助は「まあそれは誰にもわかりまへんなあ。誰でもそうしたいのだけど、なかなか難しいものです。」と答えました。「どうやったらお金が入ってくるか、そのコツがわかれば百万両の価値や」とも彼は言いました。

→「軍争の難きは、迂を以て直と為し、患を以て利と為す。(第7軍争篇)」なのです。
  (遠回りするほうが正しかったり、失敗が利益に結びついたりする。)
ビジネスでわかっていることは、「日々千金を費やす」ことで、だからなるべく早く投資回収をはかるビジネスを行わなければならないのです。

→「兵は拙速を聞く」 

兵は拙速を聞く  
ビジネスはすぐに投資回収ができることが原則。投資を回収しながらビジネスを発展させていかなければならない。なぜならいかなる回収が可能かはトライ・アンド・エラーが原則で、長期間準備をしていると修正がきかなくなる。

 ナポレオンは「私は戦争という事実のなかでのみ思索する」と言いました。ビジネスはマーケットの中で思索するものです。お金を生み出す場所はマーケットです。ビジネスはどんなに高尚なことを言っても利益追求がすべてであるから、いかにマーケットから真実を取り出すかが企業の存亡に関わるのです。

マーケットは黎明期、成長期、成熟期、衰退期と変化します。それに伴い、マーケットの主体である消費者やクライアントも同じように変化します。マーケットの黎明期は、消費者やクライアントはイノベーターといわれる人たちが主体で、比較的冒険をします。

多少商品に欠陥があっても、むしろ先進性や奇抜さを重視します。成長期に入ると、一般的な人々が参入しはじめ、むしろクオリティを追求しはじめます。成熟期はクオリティの追求はもはやあたりまえとなり、価格競争の時代になります。従ってベンチャー企業が参入するとすれば市場の黎明期からスタートしなければビジネスとしては成功しないものです。

将来を見据えた冒険的商品を市場に供給しながら、消費者やクライアントの意見を吸収し、経営資源を蓄積し、成長期に一気に花を開かせなければなりません。

大企業は成長期や成熟期に参入して、市場を広げようとします。しかしいつもそれがうまくいかないのはパソコンソフト(OS)ビジネスがベンチャーであるマイクロソフトに制覇されたことからも明白です。古い社会システムが新しい社会システムに取って代わるとき、古い体制は新しいシステムに取って代わるのは難しいものです。

用を国に取り、糧を敵に因る。 
武器や道具は自社で準備して利用し、売上げはリピーターのお客様からいただく努力をしなければならない。これは武器は「カイゼン」しなければならないからです。

十に其の六を去る 
ビジネスを進めれば、その6割はすぐになくなる。
どんなに

敵の一鍾(しょう)を食むは、吾が二十鍾に当たる 
リピーターに顧客の囲い込みができれば、売上げの20倍の価値がある。


ビジネスの成功は
顧客が商品を買って余りの良さに驚き、思わず口コミで勢いよく広がって、初めて成功といえるのかもしれません。

孫子の兵法 軍形編 勝兵はまず勝ちて

勝兵はまず勝ちて、しかる後に戦い、敗兵はまず戦い、しかる後に勝を求む。

事業を成功させるには、十分成功する勝算をたててから、投資をおこなうことが必要。
まず事業をおこなってから成功を試行錯誤するのは「敗兵」と言われます。

勝ちは知るべくして、為すべきものではない。
勝つべからざるものは守なり。
勝べきものは攻なり。
成功の目立つリーダーは最高に優れたリーダーではない。

勝ちは知るものであり、行為ではない。勝てないときは守り、勝つときは攻める。
うまく戦争をする者は、道を修めて法を保つ。
ゆえに勝敗をあやつることができる。
戦いがうまい者は、正義をもって戦い、システムを維持する。
(善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ)

戦争の勝敗は次の点で決まる。 

1に地形の高低、広狭、距離
2に地形に集まる物量、
3に物量に活用しうる兵数、
4に兵数の比較 
5、その比較で得る勝利。

よって勝兵は大きなおもりで小銭をはかるがごとく、
敗兵は軽いおもりで重い大金をはかる。

現代語訳すれば

ビジネスの成功は
1にマーケティング。市場の勢い、大きさ、ライバル関係。
2に資本力
3に人数
4に人材
5にベンチマーク

勝者は一杯に水のたまった堰を一気に切って、深い谷底に流し込む勢いが、形である。

作戦編でも述べましたが、本当に勢いよく拡大していくビジネスをつかむことが、本当の成功といえるのでしょう。はじめに、どうしたら勢いよく拡大するかを、十分なマーケティングに基づいて、綿密に考えて、お金を集め、人を集め、教育して人材に育て、ライバル会社とのベンチマークを入念におこない、実行していくことが、ビジネスの成功といえるのでしょう。

言うは易し、行うは本当に難しいです。

孫子の兵法 兵勢編 正を以て合い、奇を以て勝つ。

正を以て合い、奇を以て勝つ。

激流が石を舞い揚げる勢いが「勢」である。

鷲がくちばしで一撃のもとに真二つにしてしまうのが「節」である。

ゆえにi戦上手の人は勢い険しく、節は短い。

勢いは弓を引くように、節は機を発するようにする。

戦上手は組織で動き、個人に依存せず、適材適所で勢いの形に乗せられる。

この「組織で動き、個人に依存せず」というのが重要です。

個人に依存し過ぎず、チームワークでおこなうビジネスでなければ、そのビジネスは安定しません。チームワークでおこなうビジネスにすることが大切です。

そのためにプロジェクト管理システムを導入しましょう。プロジェクト管理は、チームワークの構造を明確化し、個人依存にかたよらせないためにも大切なシステムなのです。

孫子の兵法 謀攻編 戦わずして勝つ

百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり、
戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり。

ビジネスの場合、戦いは「投資」つまりお金を出すことに相当すると思います。そう考えると、常に金をかけて、リスクをおってビジネスすることが、「最善」ではない、ということになるでしょう。

これはとくに「シェア」のビジネスに該当します。シェアトップの企業であれば、自分から投資しなくてもあらゆる企業から有利なビジネス提携話が持ち込まれます。

たとえば、デパート、スーパー、家電量販店などシェアが独占的になればなるほど「商品を仕入れて売る」という投資行為をすることなしに、商品を仕入れるときに「バックマージン」というもとから確保できる利益をもらうことができます。

ビジネスは一度スタートすれば「日々千金を費やす」のです。まずはお金をかけずに、事業提携やあらゆる知恵を利用してビジネスをおこない、ぎりぎりのところで少ない投資をすることが正道なのだ、ということでしょう。

孫子の兵法 軍争編 風林火山

孫子は言う。司令官は天子から命令を受けると、

兵を集め、軍隊を編成し、敵と向かい合って宿営しなければならないが、これも実際の戦闘ほど難しくはない。

戦闘の難しいところは、遠回りしたほうがかえって早く到着したり、災いが利益となってしまったりすることである。

遠回りをするのは、利益があるからそうするのであって、

人より後から出発して、人より先に到着するのである。これこそが、遠回りと近道の使い方を知っている者である。

戦闘には利益と危険がつきものである。全軍を挙げて目先の利益を追ってしまっては、

最終的な利益は得られない。

{解説}
利益も、誰もが考える方法では利益を得ることはできない。あたりまえのことをあたりまえにしては利益を確保することができない。人より一歩先を考え、目先の利益だけにとらわれず、より広がりのあるビジネスに育てる視野が必要だろう。

鎧を脱いで、昼も夜も走り続け倍の早さで道を急ぎ、

百里進んで戦えば、三司令官を捕虜にされてしまうだろう。

さらに、元気なものはたどり着くが、疲れた者は着いてこれず、辿り着くのは割合では十分の一であろう。

五十里進んで戦えば、上司令官が倒されて、たどり着くのは全体の半分ほど。

三十里ならば、三分の二がたどり着く。

近隣の諸候の意図を知らないで、普段から国交を持つことはできない。

敵国の地理、地勢を知らないで、軍隊を進めることはできない。

その土地の道案内人なしで、地の利を得ることはできない。

だから、兵の動きは敵にさとられないようにし、

自軍に有利になるように動き、臨機応変に動く。

風のように素早く動き、林のように静かに止まり、

火のような勢いで侵攻し、

影のように敵に察知されないようにし、山のように落ち着いて、雷のように敵に攻撃をする。

奪った領土は地元の民衆に分け与え、利益を士卒で分け、すべて利益があると見て行動する。

{解説}
この節は「風林火山」で孫子の兵法の最も有名な句であるとともに、孫子の兵法の根幹でもあります。

風のように速く、林のように静かに、火のように猛烈に攻撃し、時には山のように動かない。臨機応変に組織をあたかも一人で動いているように物事を目標に向かって成功に導け、といっていますが、そういう組織にするためには、公平平等な利益の分配と常日頃の「道天地将法」の教育が必要である、と説いています。企業でいえば、道とは企業コンセプト。天とは景気や市場の状況。地とはマーケティング。将とはリーダーシップ。法とはシステム、そして遵法。

さらに「無形に至る」つまり先入観なくして現場の問題を臨機応変に解決していく学習する組織であることも大切であることを説いています。

風林火山で有名なのは、言うまでもなく武田信玄なのですが、その組織は中央集権的組織ではないのです。信玄は国人領主の集団指導体制の議長的役割でした。そしてその下に普段は農業をやっている地域武士団で構成されているのです。

甲斐の国は名馬の産地で、信玄の騎馬軍団は馬を育てているから強い、という説もあります。つまり信玄はトップダウン型の経営者だから強いのではなく、公平平等な評価のもと、ひとりひとりの独立性と威厳を守りながら、法というシステムをつくり、風林火山の戦争での行動様式を作ったのです。

つまり家臣を小事業家の集団として契約し、公平平等な分配のシステムをつくって国を強大化させていったのです。極めて日本人にあった組織にしかたら甲斐の国は強大化していったのでしょう。

そしてつねに熱心に訓練をおこなっていれば、組織が一体となって行動できるのです。

遠回りと近道の使い方を知っているものが勝つ。これが、戦闘の方法である。

だから、戦闘の難しさを知らなければならない。武器がなけれが負けるし、食料がなければ負けるし、物資の蓄えがなければ負ける。

軍政は言う。戦場では互いの言葉が聞こえないので、鐘や太鼓で合図をする。

戦場では互いに目で確認しあうことができないので、旗で命令を伝達する。鐘や太鼓や旗は、兵の注意を一箇所に集めるためのものである。

兵が統率されていれば、勇者でも一人で進むことはないし、臆病者が一人で退却してしまうこともない。

これが兵の扱う方法である。

だから、夜の戦いには火や太鼓、昼の戦いには旗がよく使われるのは、用途に応じてのことである。

また、敵の軍隊から気を奪い、司令官からは心を奪うことができる。

このために、朝には気が鋭く、昼には気がだるくなり、夕には気が尽きてしまう。

だから、うまく兵を扱うものは、気が鋭い朝は避けて、昼や夕に攻撃するのだ。

これが、気についてよく知っているもののやり方である。

軍を整え治めて敵が乱れるのを待ち、静かに構えて敵の秩序が乱れるのを待つ。

これが、心理についてよく知っている者のやり方である。

近くに陣を構えて敵が遠くから攻めてくるのを待ち、

ゆっくり休養をとって敵が疲れるのを待ち、

たっぷり食べて敵が飢えていくのを待つ。

これが、力についてよく知っている者のやり方である。

整然と旗を立て、

堅固な隊列を組んだ敵を正面から迎え撃ってはいけない。

これが、臨機応変をわかった者のやり方である。


孫子の兵法 虚実編 無形に至る

兵を形するの極は、無形に至る。

色即是空 空即是色という般若心経の有名な一節があります。形あるものはすなわち無であり、無はすなわち形あるものとなる、という意味なのですが、平家物語の諸行無常のように形あるものはいつか滅びて無になる、ということだけを言っているのではないと思います。

これこそバーチャルとリアルの関係、デジタルとアナログの関係なのではないでしょうか。孫子の兵法の主題は、いかに気の流れを読み取り、それを生かして、いかに戦いに勝つ、ということが本質なテーマです。戦上手は戦う前から勝敗を理解できます。戦う気がこちらに味方するまでは動かない、というのは戦上手の徳川家康の真骨頂でしょう。

ビジネスでも人間関係でも、心があり、人が動き、形ができる。IT社会になるまでは、この過程の時間が長かった。インターネットが人々の生活の主流になると、ネット上でのあらゆる活動がそのままビジネスに直結する、という点で本当にバーチャルが魔法のように現実(リアル)に影響するようになりました。
ソフトバンクの孫正義氏はリアルなビジネスは限界があるけれどバーチャルなビジネスのインパクトは無限大だ、といっています。リアルなビジネスで苦労して会社を上場(本当に苦労して)、バーチャルなビジネスで飛躍した初代の成功者の至言だと思います。

しかし、バーチャルなビジネスほど参入しやすく、ちょっとしたことですぐにひっ繰り返されます。だから玉石混合であらゆるものが参入し、マネーロンダリングの温床となり、ある意味、業界全体で見れば、インチキや犯罪も多く胡散臭いイメージが出てしまいます。しかしそれは新しい時代にはつきものです。勝者に対する嫉妬も含めた庶民のイメージ、マスコミのイメージもあるかもしれません。

そういうリスクは多いけれども、バーチャルな意志がリアルに実現できる可能性が高くなる、ということは、より運より実力による成功が高くなる、ということではないでしょうか。

生物には必ず死があります。これは生物の存在を維持するために最も高度な戦略だそうです。社長ブログでこのことは書きましたが、 固体は、長い年月のうちに老化し、傷つき、変質します。ところが生殖機能をつけ、固体を再生する遺伝子情報だけを伝達できれば、生命体は常に新しく、増殖していくことができます。 そして生命体は、老化すれば癌が発生するように遺伝子データが変質する可能性が生まれるのです。だから生命体は遺伝子を保護するためにあらかじめ死をプログラムしている、という説があります。

これからの企業も、企業を発展させるものは資本でも土地でも労働力でもなく、その企業のなかで培ってきた企業ノウハウではないでしょうか。つまり流動的な労働市場のなかでいかに素質ある人材を確保し、ノウハウを伝授して育て、かれが築いたノウハウをフィードバックさせ、効率よく次の新人に伝授するか、ということが企業の重要な”資本”となるのです。

孫子は「無形に至る」といいます。経営戦略の究極はこのことばに語りつくされているように思えます。会社の究極の戦略はこの遺伝子の手法ではないでしょうか。「遺伝子経営論」です。

孫子の兵法 九変編 将に五危あり

知者は思考するとき必ず、利益と損失の両面を考慮に入れる。

利益を考えるときは損害の面も考えれば、順調にことが進む。

損害を破った時は利益の面も考えれば、その問題を解決することができる。

よって敵を屈服させるものは、害をうまく扱い、

敵を疲弊させるものは事業をうまく扱い、

敵を誘うには利益をうまく扱う。

ビジネスを考える上でもメリット、デメリットを考えるのは、基本です。しかしここでは、デメリットをどうメリットに変えていくか、あるいはメリットにするまでいかなくても、どう利用してプラスにするかを考えろ、ということがここでのポイント。

投資と回収という考え方もできます。いかに投資し、いかに回収するか。常にそのビジョンを明確に描いて指揮することが、利益を誘導します。

司令官には陥りやすい五つの危険性がある。
必死の覚悟で猪突猛進するものは必ず死が待ち構え、

生きることに固執する司令官は捕虜になりやすく、

短期で怒りっぽい司令官は罠にはまりやすく、

あまりに潔癖すぎるのは、辱められやすく、

人民を愛する司令官は情に流され、敵の術中にはまりやすい。

軍が破れ、司令官が殺されるのはこのためである。

深く考えなければならない。

凡そ此の五つの者は将の過ちなり、用兵の災なり。

これを現代のビジネスで考えると
一か八かで勝負しようとすれば、失敗し、

利益ばかり追求しても、かえって失敗し、

気が短いには商売にならず、

慎重に行動ばかりしても、売上は拡大せず、

人を大切にばかりしてもなめられる。

ということでしょう。


孫子の兵法 行軍編

孫子は言う。軍を動かすときは必ず、敵を観察しなければいけない。

山を越えるときはなるべく谷に添って進み、敵より少し高いところに位置して、敵を攻撃するときは、下から攻め登ってはいけない。

これが、山岳地帯での戦い方である。

河川を渡ったときはすぐに水から離れ、敵が渡ってきても、水の中で迎え撃ってはいけない。半分ほど渡らせておいて、攻撃すると有利になるだろう。

戦おうとするときは、水際で待ち構えてはいけない。

敵より少し高いところに位置して、水の流れに従って下ってくる敵を迎え撃ってはいけない。

これが、水辺での戦い方である。湿地を渡るときは、速やかにその場を立ち去らなければいけない。

もしそんな地帯で戦うことになったら、水草のあるところに陣を取って、樹木を背にしなさい。

これが、湿地帯での戦い方である。

平地では動きやすい場所を選び、高い地点を右後方にして、草前方に、草木の茂ったところを後にしなさい。

これが、平地での戦い方である。

この四つの行軍法によって、黄帝は四人の他の皇帝に勝ったのである。

ビジネスの場合、どうしたら利益をあげることができるかをよく観察することです。状況は様々に変化します。その変化に対し、利益に転換する術を探らなければなりません。現代の場合、顧客ターゲットを絞り、その顧客がどうすれば購買を決定してくれるか、その条件や状況を観察することです。

軍は低い地点は避けて高い地点に配置し、

陰になる北ではなく陽のあたる南に位置し、

人馬の健康に留意し、軍に病気がなければ、必ず勝てる。

丘陵や堤防があるところでは、その南に位置し、それを右後方にする。

これが、兵士の利益を考えた、地の利を得たやり方である。

上流に雨が譜って水が泡立っていたら、

もし、これを渡ろうとするなら

それが収まるまで渡るのは待ちなさい。

絶壁下の谷、狭い盆地、道に迷って容易に出られないような場所、深く茂った低木地帯、深い沼地、壁に挾まれた狭い道などには、絶対近づいてはいけない。

自らはそのような場所から離れ、敵を追い込みなさい。

自らはそれに向かうように戦い、敵がそれを背にするように戦いなさい。

軍の行くところに、断崖、池、森林、茂み等があったら

必ず詳しく探索しなさい。

伏兵が潜んでいる場合がある。

近づいていっても敵が平静なのは、守りに自信があるからである。

遠くから戦いを仕掛けてくるのは、見方を前進させようとしているからである。

攻撃しやすい場所に布陣しているのは、なにか利益があってのことである。

樹木が動くのは敵が来ていることを示している。

草むらに仕掛けがたくさんあったら、疑ってかからなければならない。

鳥が飛び立ったり、獣が逃げ出すのは伏兵がいる証拠である。

塵が高く舞い上がり鋭く尖っているのは、戦車が走って来ている。

塵が低く広範囲に広がっているときは、歩兵が来ている。

塵が散らばってあちこちに舞い上がっているときは、敵が薪を集めている。

塵が少なくあちこちに動いているときは、敵が宿営を作っている。

使者の口上がへり下っていて、一方で軍備を増やしているのは、進軍の意図があるからである。

口上が強硬で、進軍があるように見せかけるのは、退却するつもりがあるからである。

約束もしていないのに和平を求めてくるのは、なにか策謀があるからである。

まず軽戦車が出てきて側面に並ぶのは、陣を構えるつもりがあるからである。

忙しく兵や戦車の配置をするのは、時期を狙っているからである。

進んだり退いていたりするのは、こちらに誘いをかけているのである。

兵士が武器を杖代わりにしていたら、飢えている証拠である。

水を汲んでいる兵士が真っ先に飲んでいたら、水が足りなくなっている証拠である。

好機なのに進撃してこないのは、かなり疲労しているからである。

敵陣に鳥が集まっていたら、そこには敵はもういない。

夜大声で呼びあっているのは、恐怖に駆られているからである。

敵軍が乱れているのは、司令官の命令が守られていないからである。

旗が乱れ動くのは、隊列が乱れているからである。

将校が怒っているのは、兵士が怠慢であるからである。

軍馬を殺して食べているのは、食料が底をついたからである。

炊事道具を捨てて兵舎にも戻らないのときは、最後の攻撃を仕掛けてこようとしている。

将校が丁寧でしかも不安げに、繰り返し兵士に話しかけているのは、信望を失っている証拠である。

やたらに賞を与えるのは、策が尽きたからである。

やたらに罰するのは、行き詰まっているからである。

司令官が、最初強気で後で弱気になっていくのは、兵の扱い方を知らない証拠である。

交戦中に人質を連れて和平を求めてくるのは、疲労して休戦したいからである。

敵兵が怒っているのに睨み合ったままで、

戦いを始めるでもなく退却するわけでもないというときは、慎重に観察しなければならない。

兵は多ければいいというものではない。

ただ、勇敢に進めばいいわけではない。司令官と兵士とが力をあわせ、敵の兵力を調べ、適切な兵力を整えるのがよい。

だが、敵を侮っていては、捕虜にされてしまうだろう。

兵士が軍に馴染んでいないうちから罰してしまうと、服従しなくなるだろう。

そうなれば、戦いでは役に立たない。

兵士がすでに軍に馴染んでいるのに罰を行なわなくても、兵士として役に立たなくなる。

だから、礼儀をもって命令し、力によって軍を整える。これによって、必ず勝てる体制といった体勢になる。

命令が普段から行き届いていれば、教育すれば、民衆は服従する。

命令が普段から行き届いていないと、教育しても、民衆は服従しない。

命令が普段から行われているのは、民衆との相互理解があればこそである

細かい状況分析が情報収集の基本といわれています。


孫子の兵法 地形編

(通ずる者)開けたところ 敵味方どちらも行きやすい場所は、敵よりも先に高いところを占領し、補給路を確保して戦えば、必ず有利になる。

(さまたぐ者)進軍はやさしいが、撤退が難しいところは途中に難所のあるところである。そこに敵の備えがなければ勝ち、あれば負ける。

(支るる者)道が枝分かれしている場所は先に進んだほうが負けである。

(隘き者)両側が岸壁で道がせばまっているところでは、そこに兵力を厚くして敵軍を迎えればよい。敵軍が隘道に兵を厚くしていたら、戦ってはならない。少ない兵で守っていたら攻撃すべき。

(険しき者)高く険しい地形では敵よりも先に高くて日当たりのよい場所に陣取って敵を待ち受けよ。もし敵に先に占領されていたならば攻撃してはならない。

(遠き者)両軍が遠く隔たって対峙しているときは、敵軍を誘い出さなければならない。

指揮官が怒って司令官に従わず、敵に遭遇すれば、自分の憤りによって勝手に戦ってしまい、

司令官もその指揮官を評価しないような場合を、崩という。

司令官が弱く威厳がなく、命令も徹底していない、
将校、兵士も動揺し、軍の陣をあちこちに移動させたりするような場合を、乱という。

司令官に敵情を判断する能力がなく、小部隊を大部隊に向かわせたり、弱兵に強兵を攻撃させたりして、軍が敵の力を見分けることができないことを、北という。

以上の六つは、敗北につながるもので、司令官が必ず心得ていなければならないことで、十分に理解していなければならない。
{解説}
(通ずる者)オーソドックスなビジネスの手法はだれもが思い付くものであるから、他社より早く、効果的なアピールをし、市場投入する必要がある、ということ。ビジネスには常に工夫が必要で、当り前のことを当たり前に行っていては、利益は得られない。工夫が思い付かなければ、他社より有利な状況を考えださなければならない。

(さまたぐ者)ビジネスとして参入するのはやさしいが、撤退するのが難しい市場がある。この場合、強力なライバル会社がある場合は、参入しないほうがよい。たとえば量販店に商品を流す場合、継続して流していても、返品の問題は大きい。競合商品が多くあるほうが、赤字になりやすい。シェアが高ければ、効果的である。

(支るる者)道が枝分かれしている場所は先に進んだほうが負けである。ビジネスでもっともものにならないことは、ちょっと利益があがらないと、すぐに方向転換して、いつまでたっても利益があがらない場合です。方向性を一度決めたならば、そこでどのように利益をあげるか、粘り強く試行錯誤することが大切です。

(隘き者)小さい会社ほど、ニッチな市場でまずチャレンジすべきでしょう。そこで、シェアナンバーワンになったならば、その市場をいかに拡大するか、大企業と組むことが得策です。もしニッチな市場にすでに強力なシェアナンバーワンの企業がいれば、その市場はビジネス投入を回避したほうがよいでしょう。

(遠き者)すぐに利益をあげることのできないビジネスは、なるべく経費を使わず、利益をあげる機会が近づいてくるのを待つことです。

現場スタッフがリーダーに従わず、お互い感情的な状態を崩という。
現場スタッフがリーダーをなめて従わず、命令も徹底しない場合を乱という。
リーダーに判断能力がなく、とんちんかんな命令をだすことを北(にぐる)という。

崩、乱、北の状況はリーダーの能力不足から起こるもので、そういう状態を放置すると、組織が崩壊します。

敵情を知り勝算を立て、地形の険しさや遠近を把握するのは、上将(司令官?)の役割である。
このことを理解して戦えば必ず勝ち、理解せずに戦えば必ず負ける。
だから、勝てる見込みがあるならば、君主が戦うなと言っても、
戦うべきである。勝てる見込みがないときは、君主が戦えと言っても、戦うべきではない。

したがって、勝ち進んでも名誉を求めず、退却しても罪を受ける。
民衆の安全を守り、君主の利益のために尽くすのが、国の宝となる司令官である。

司令官は、兵士を自分の赤ん坊のように見るものである。
だからこそ、深い谷へも一緒に行けるのである。
司令官は、兵士を我が子のように見るものである。
だからこそ、一緒に死ぬこともできる。
甘やかして戦わせることができなくなったり、愛する余り命令することができなくなったり、
秩序を乱しても抑えることができなくなっては、たとえれば、わがままな子供が役に立たないように、兵士として使い物にならなくなってしまう。

ノミュニケーションをあまり頻繁に行うことは、上記のような問題を誘発する。

自軍が攻撃するのに十分備わっていると分かっていても、敵が自軍より優勢で今は敵に攻撃を仕掛ける時ではないことが分からなければ、勝負は五分であろう。

今が敵を撃つべきだと分かっていても、自軍が攻撃する準備ができていないのを分かっていなければ、
勝負は五分である。

敵を撃つときだと分かっていて、自軍の準備が整っていることも分かっていても、地形が不利であることが分からなければ、勝負は五分である。

だから、軍の動かし方をよく分かっているものは、動き出してから迷うことはなく、兵を挙げてから追い込まれるということはない。

だから、敵を知り自分を知れば、確実に勝つことができる。

天のめぐりと地の利を知れば、完全な勝利を収めることができる。

リーダーとしての能力は迷うことなく、あるべき組織の動く方向すべてが、一寸もたがわず見えることにある。そういう状況にならないうちは、リーダーになってはならない。


孫子の兵法 九地編 死地則戦

孫子は言う。軍を用いるのに、

散地、軽地、争地、交地、

衢(く)地、重地、ヒ地、囲地、

死地がある。諸候が自分の領地で戦う場合、その戦場を散地という。

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散地 すなわち自国の領土では戦ってはならず
→シェアの高い自社商品では、あまり冒険をせずに、現状維持に努めよ。

軽地 すなわち敵国に少し侵入した地 にはもたつくことをしてはならず
→新しい市場に参入するときは、素早くテストマーケティング。

争地 すなわち先に占領したほうが有利な地では占領されれば攻撃してはならず
→ライバル会社のシェアの高い市場では、参入は控えたほうがよく

交地 すなわち進出するには楽な地では隊列を分断されることなく
→参入障壁の低いところは、ほかの企業もどんどん参入するので、撤退の危険も高いことを知るべし
 IT市場は、起業する会社も多いが、ほとんどの会社は10年以内に撤退になる。参入しやすい分、ライバル会社が次から次へあらわれ、いくつもの収益の柱をもっていなければ、また企業戦略がしっかりしていなければ、すぐに消滅してしまう。

く地 すなわち三国が交わる地では親交を結び
→ライバル三社で提携して市場を拡大する方法もある。

重地 すなわち敵国へ深く侵入した地ではすばやく攻撃しなければならず
→ライバル会社の高いシェアの市場では深入りしてはならない。

死地 すなわち全滅する恐れのある地では死を賭して戦わなければならない。
→市場自体が消滅しそうになったときは、命運をかけて勝負にでなければならない。


孫子の兵法 火攻編

孫子はいう。火攻には五つある。

第一は敵兵と一緒に建物を焼く、

第二は食料を焼く、

第三は輸送隊を焼く、

第四は倉庫を焼く、

第五は敵の軍隊を直接火によって攻撃することである。

火を起こすには必ず発火の原因が必要である。

そのための道具を準備しなければならない。

また火攻には、適切な時がある。適切な日というものがある。適切な時とは、空気が乾燥している時である。

適切な日とは、月が箕・壁・翼・軫の星座に重なる日である。

この四つの日には、たいてい風が強く吹く。

火攻では、前述の五つの場合に応じた攻撃をする。

火が敵陣内から発生したら、素早くその外側から攻撃する。

火が発生しているのに敵陣が静かな場合は、攻め込んではいけない。

火の様子を見極めて、状況に応じて攻めるか攻めないかを決める。

外から火をかけるときは、内側の出火を待つ必要はなく、

すかさず攻撃に出る。火が風上に発生した場合は、風下に入って戦ってはいけない。

昼中ずっと風が吹いている場合は、夜には風は止む。

軍は五つの火攻を知り、計算して自軍を守らなければいけない。

火を攻撃の助けとすればその効果は明らかであり、

また、水を攻撃の助けとするのも強力な手段である。

ただ、水は敵の連絡や物資の補給を断つことはできるが、敵を一気に攻め落とすことはできない。

戦闘自体に勝利しても、戦争がなんの報いもないものだったら、それはどうしようもない。国費の無駄使いである。

聰明な君主はこのことを考え、優秀な司令官は功績を修めてくるものである。

利益がなければ戦争を起こさず、得るところがなければ軍隊を使わず、危機に立たなければ戦わない。

君主は怒りから戦争を始めてはいけない。司令官も怒りから戦いを仕掛けてはいけない。

利益になる場合のみ動き、利益にならなければ動かない。怒りは喜びに帰ることはあるだろうが、

滅んでしまった国は元に戻らない。死者も再び生き返ることはない。

だから、聰明な君主、優秀な司令官は無駄に戦うことをしない。

これこそが、国家の安全を守り、軍隊を保持するということである。

現代に役立てる解説としては、逆の意味の解説をしなければなりません。すなわち「市場に火をつける」とは、商品やサービスを評判にして、噂が噂を呼び、大繁盛することを指します。企業が成功するスタイルは、まずはこのスタイルが理想でしょう。そう考えて、火攻編を見直してみると、

市場に火をつけるとは、

第一はライバル会社と一緒に市場を盛たてる

第二は資金を集める

第三はパブリシティ、リリース、商品流通を拡販する

第四は倉庫をからにする

第五はビジネスの勢いにのってシェアをトップにする

といったところでしょうか。以前NO2の自動車メーカーの社員だった方が、こんなことをおっしゃっていました。NO1のTが本気で自社つぶす気ならつぶせるでしょう。それぞれのターゲットの車に、それ以上の性能とそれ以下の価格投入をすればよいのだから。でもそれをわざとしないのです。そうやって市場全体を活性化させて自分のトップシェアを維持していく。おそらくそれが自動車市場を健全に維持していく方法なんでしょう。ライバル会社と一緒に市場を盛りたてることが、市場の活性化に役立つことは、昔から「談合」などの形であらわれています。「談合」は違法な場合もあるので、そうはならない形で市場を育てるコミュニケーションは必要でしょう。

資金集めも火をつけることが必要です。日本の場合、上場していない場合、銀行からの資金供給が中心です。また中小企業の場合、国による融資保証制度もあります。そういったものを活用しながら、また資本を集めることも戦略です。外部から有望な会社とみられる場合は資金は集まります。資金を集める上でも魅力ある企業づくりは大切な戦略となります。

いったんヒットすると、すごい勢いで記事になり、流通業者からのオファーも多くきます。市場に火をつけることは、戦略的に簡単にできることではありません。ユニクロでさえ試行錯誤し、「1勝9敗」なる本をだしています。根気よくトライアンドエラーをつづけることがヒットにつながるのです。

孫子の兵法 用間編


孫子は言う。もし十万の軍隊を動かし、離れた場所へ遠征したとすると、

人民の出費、国家の軍事費は、一日あたり相当の額になり、

国の内外で動揺が起こり、道端で怠け、仕事に集中できない者が大勢出て、

何年も膠着状態が続いた末、一日で勝敗が決まってしまうような戦いが起こったりする。

だから、いくらかの出費を惜しんで、敵情を知らないままに戦うというのは、全く問題外である。

これでは、費との上に立つ司令官とは言えない。君主の補佐役とは言えない。勝利を修める人物ではない。

聰明な君主、賢明な司令官というものは、行動に出れば勝利を修め、

成功をするのは、あらかじめ敵の実情をよく知っているからである。

敵情は鬼神から教えてもらうわけにもいかないし、

過去の出来事から判断できるものでもないし、占いによって予見することもできならない。

必ず、人を使って情報を得て、敵情をしらなければならない。

諜報員を使うには五つの方法がある。郷間、内間、

反間、死間、生間の五つである。

この五つが同時に行なわれたら、敵は実際に何が起こっているのか知ることはできなくなる。

これは既に人間業ではなく、国家の宝である。

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昔、就職活動のとき、あるアパレル会社の面接で、重役に産業スパイにならないか、といわれて、「そんな仕事があるのか」と腰を抜かしたことがありました。もし産業スパイという仕事についていたら、当時想像だにしなかった、ユニクロという怪物の前にいまごろ失業していたかもしれません。

戦争の場合、一瞬の出方次第で勝敗が決まることもあるので、スパイは大変重要なファクターだったでしょう。しかしビジネスの場合、直接は顧客に対し商品が売れるか、売れないかであり、「敵を倒す」という要素が少ないため、スパイのプライオリティは低下します。もちろんどの企業もライバル会社は存在するでしょうが、直接相手を倒すのではなく、顧客に受け入れられるか、否かです。ただ情報収集、分析という観点は重要な要素であることは変わりはない。

ただどんなに情報を集めても、それで利益が出る、とは限りません。現在、インターネットを活用すれば、相当な情報を収集することができます。今日必要とされているのは、収集した情報の分析力ではないでしょうか。

ターゲット顧客の情報、市場環境、購買者行動の分析、価格効果、競合他社の影響など必要情報を分析し、商品や販売方法を改善しいかに購買者に購買決定をさせるか、ということが最終目的になります。

現代では、市場をよく知るためには、スパイなどしなくても、ライバル会社と仲良くなって、お互い情報交換をして市場を拡大していくことのほうが、建設的で、意味のあることでしょう。

倫理に反するスパイ活動はかえって企業のイメージダウンにつながりやすくなります。
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郷間とは、敵国の民間人を使うことである。

内間とは、敵国の官僚を使うことである。

反間とは、敵国の諜報員を使うことである。

死間とは、虚偽の情報を自国の諜報員を使って敵方に伝えることをいう。

生間とは、敵国に侵入して情報を得てくることをいう。

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日本はスパイ天国といわれ、他国からは、様々なこういった諜報活動で日本の世論や市場は操作されているようです。特に、ビジネスシーンにおいて、こういう活動が活発化しています。もちろん大企業のオーナーや、トップクラスの人々は、あからさまではないにしても、こういう役割をする人たちをネットワークしているでしょう。大企業で時々おこる不可解な現象はこういったベースがあるのは確かです。ただ一般のわれわれには無関係なことなので、影響のある所だけ注意して、防衛するべきでしょう。マネをすることは大変危険です。

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だから、軍の仕事のなかで、諜報員と親しくし、

報酬を十分に与えるのは重要なことで、さらにその仕事は秘密裏に行なわれなければならない。

生まれながらの智者でなければ、諜報員を使いこなすことはできない。

道義を重んじるのでなければ、諜報員を使いこなすことはできない。

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ただ情報収集の場合でも相手から、信頼関係を感じてもらうように努力することは、大切です。「口が堅い」という印象も信頼関係を築くファクターでしょう。



微妙なことにも気がつかなければ、諜報員を使いこなすことはできない。

本当に微妙なものである。しかし、諜報員はいかなることにも有効である。

諜報員の機密がもれた場合は、その諜報員や関連した者も全員殺してしまわなければならない。

軍を攻撃する場合であれ、城を攻める場合であれ、人物を殺そうとする場合であれ、

必ずその司令間、側近、補佐役、門番、使用人の姓名を知っておき、

味方の諜報員を使って彼らの動静を調べておかなければならない。


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微妙なことに気づくためには、まえもって相手方の予備知識をもっていなければ、微妙なしぐさを感知できません。まずは仮説をもって情報収集することです。


敵国からやってきた諜報員は、必ず捜し出し、便宜を謀って、

味方につくようにする。このようにして、反間を使うことができるようになる。

敵国の諜報員によって、敵の内情を探ることができる。敵国の諜報員を使うことによって、敵国の民間人、官僚を諜報員として雇い、利用することができるようになる。

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これによっても、また、敵の内情を探ることができる。死間は、敵に虚偽の情報を流すのに使うが、敵の内情がわかれば、どのような情報を流せばよいかわかる。

さらに、味方の諜報員が必要な情報を集めてくることもできるようになる。

五間の仕事については、君主も必ず知っておかなければならない。中でも、反間についてを知っておくことは重要である。

だから、敵の諜報員は優遇しなければならない。

昔、殷が繁栄してきたころ活躍した伊摯は、元は殷に滅ぼされた夏の人間だった。

周が栄えてきたときに活躍した呂牙は、殷の人間だった。

だから、聰明な君主、賢明な司令間が、有効に諜報員を使えば、必ず成功を修めることができる。

これが、軍事において重要なことで、これがあるから軍隊は信頼して動くことができる。

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ビジネスにおいて倫理に反したスパイ行為は、危険だからやめましょう。この間諜編で参考になるのは、名刺交換した相手に、興味があれば、その会社の沿革やら好評されている情報から、その会社の収益の取り方を学び、その人と再開したときに疑問に思っていることなどを、さりげなく聞くことでしょう。
ビジネスにおける情報収集は、戦争におけるそれに比べ、はるかに複雑で難しく、情報を収集したからといってすぐにメリットが表れるとは限りません。商品やビジネススタイルを改善し、市場に受け入れられる試行錯誤の糧のひとつであることは確かです。努力だけは怠らないことです。


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