知者は思考するとき必ず、利益と損失の両面を考慮に入れる。
利益を考えるときは損害の面も考えれば、順調にことが進む。
損害を破った時は利益の面も考えれば、その問題を解決することができる。
よって敵を屈服させるものは、害をうまく扱い、
敵を疲弊させるものは事業をうまく扱い、
敵を誘うには利益をうまく扱う。
ビジネスを考える上でもメリット、デメリットを考えるのは、基本です。しかしここでは、デメリットをどうメリットに変えていくか、あるいはメリットにするまでいかなくても、どう利用してプラスにするかを考えろ、ということがここでのポイント。
投資と回収という考え方もできます。いかに投資し、いかに回収するか。常にそのビジョンを明確に描いて指揮することが、利益を誘導します。
司令官には陥りやすい五つの危険性がある。
必死の覚悟で猪突猛進するものは必ず死が待ち構え、
生きることに固執する司令官は捕虜になりやすく、
短期で怒りっぽい司令官は罠にはまりやすく、
あまりに潔癖すぎるのは、辱められやすく、
人民を愛する司令官は情に流され、敵の術中にはまりやすい。
軍が破れ、司令官が殺されるのはこのためである。
深く考えなければならない。
凡そ此の五つの者は将の過ちなり、用兵の災なり。
これを現代のビジネスで考えると
一か八かで勝負しようとすれば、失敗し、
利益ばかり追求しても、かえって失敗し、
気が短いには商売にならず、
慎重に行動ばかりしても、売上は拡大せず、
人を大切にばかりしてもなめられる。
ということでしょう。