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孫子の兵法 始計2 謂導之以教令

孫子は言う。戦争は国の重要なものである。

人の生命、国の存亡がかかっている。十分に熟慮しなければならない。

したがって次の5つの命題で戦力を検討し、実情にあてはめて判断しなければならない。

その5つの命題とは、1に道、2に天、3に地、4に将、5に法である。

道とは人民と君主が志を同じにして、生死を共にし、恐れたり、危ぶんだりしないもの。

道とは人民と君主が志を同じにして、生死を共にし、恐れたり、危ぶんだりしないもの。
まずトップは企業コンセプトを明確にすること。そしてそのコンセプトを社員全員にいきわたらせることが肝要です。最近は見かけませんが、昔はよく、朝礼で、社訓を大きな声で斉唱している会社がありました。しかし掛け声と集合研修で仕事の効率は本当にあがるのでしょうか。私の場合、掛け声だけのときは、思いっきりモチベーションは低かったのを記憶しております。また研修中はいろいろな新しいことを学び、とても楽しかったのですが、仕事につくとそれが役に立った記憶はありません。

組織の目標やコンセプトが明確になったならば、その目標にむけて、組織が機能的に行動できるシステムが必要です。そのシステムなるものがここでいう「道」にあたります。

三国志で有名な曹操は、孫子の兵法が大好きで、注釈を残しています。そしてこの道を、教育と命令系統によって導かれる、と定義しました。
「謂導之以教令」つまり「教育と命令系統の両輪のシステムで実現する組織の安定」です。

組織はもちろんしっかりした命令系統が重要です。しかし組織が進化し、改善されていくには組織のひとりひとりが「学習」していかなければなりません。組織におけるもっとも重要なことが生存適応能力です。環境に変化があれば、現場の人間が個々に学習して対応することが、必要です。三国のなかで唯一曹操の一族が中国を統一できたのは、ここに秘訣があったのかもしれません。

現代でみれば、有名なトヨタの「カイゼン」はいい例でしょう。今日、自分がどのように仕事を「カイゼン」したか、模造紙に張り出して、日々仕事をブラシュアップしていく。ということだと思います。

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2008年05月22日 00:53に投稿されたエントリーのページです。

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