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マーケティング アーカイブ

2008年04月02日

マズローの段階説 マーケットから見て

人間の高尚さは上へいくほど高まりますが、市場規模は下へ行くほど大きくなります。つまり資本主義社会では、原始的欲求の市場を握る企業ほど世の中をリードする一流企業になる傾向があるわけです。

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今日の戦略論、とくに米国からきたものは、大企業相手が多いものですから、下方の市場が中心に論じられるものです。顕在化された市場をどう奪うか、というものです。この市場に関しては、まさに戦いなのでしょう。

新興企業のDELLが、なぜパソコンで軒並み巨大ハードメーカーであるIBMやHP,富士通、NECを抑えてトップメーカーになったかといえば、直販という、流通チャネルの短縮によるコスト競争での優位とサポートの充実にあるでしょう。ここはまさにマーケティングの教科書的勝利だと思います。

しかしマイクロソフトがなぜアップルを押しのけてパソコン市場を握ったかといえば、その技術力ではなくOSをほかのハードメーカーに開放したことで、利用者が増え、そのアプリケーションをつくるサードパーティが増えたことにあります。

今日においてもマイクロソフトの売り上げの多くは、直接コンシューマーからのものではなく、パートナー企業からのものなのです。

GoogleやYahoo!は一般ユーザーに数多く無料で利用してもらうことで、広告収入と販売代行、そして株式公開で成功しました。

知価社会への移行は、いかにエンドユーザーを取り込み、エンドユーザーの自我の欲求と自己実現の市場が拡大していくことにあると思います。SNSで代表されるミクシィはコンシューマーの自我の欲求を満たす、典型的なビジネス成功例として、時代が知価社会へ踏み込んだことを意味します。

これから先は知価社会の本格的移行として、個人の市場が、消費市場から投資市場へと変質することだと思います。そのきっかけとなるのが団塊の世代の大量退職だと思います。

この階層はなによりもライバルが多いために戦闘的です。学生時代、学生運動など既成概念を壊すことが得意でした。なおかつ社会に入ると「いちご白書」ではないけれど、平気で体制に順応できます。しかも戦後、日本の高度成長期を作ってきた成功実績があります。さらにバブル崩壊という未曾有の失敗実績もあります。そしてきわめつきは、9.11以降の大リストラで同僚を追い出します。そのうえ、めげずにアジアの成長を利用します。

このような戦国時代の生き残りのような人たちが、そのままみんなおとなしく隠居するとは思えません。しかも数多のノウハウを持った貴重な人財です。私はこの人たちが最後の一花を咲かせる意欲のエネルギーが、知価社会への移行を促進するのだと思います。まさに若いころに果たせなかったレボリューションを、第2の青春で果たそうとする、そういう受け皿が今、必要なのだと思います。また企業にとっては大変なチャンスだと思います。

人生のさまざまなマーケットにノウハウあり

人が生きていくには本当にお金がかかります。人生のお金のかかりぐあいに応じて市場ができます。子どもの時代は、当然ですが親に払ってもらいます。いまどきの子どもは高校生時代から携帯電話を持ち、社会人になると、スーツを買い、車を買い、デートやレジャーにお金を使います。そしていつか、結婚し、子どもができ、教育費にお金がかかり、ローンを組んでマイホームを買い、親の介護をし、60を越えたころから思わず大病をしたり、80をすぎると子供に面倒をみてもらう。

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そんな人の人生を通して、医療業界があり、金融業界があり、建築業界があり、教育業界があり、旅行業界があり、自動車業界があり、IT業界があり、ファッション業界があり、冠婚葬祭業界があり、通信業界があります。

そのさまざまな業種のなかで働いてきた人々は、もちろんプロなのですから、リタイアしたあとも、なにがしかのニーズがあるはずです。それはいろいろな異業種やおもいがけないところでビジネスに発展するものだと思います。

メディアファイブの商品のラインナップは生まれてから、死ぬまでの人生全般にわたり対応しています。したがってあらゆる業種に対応している、ということです。またターゲットも個人だけでなく、企業、学校、自治体にも実績があります。

したがって皆さんの生活やビジネスのあらゆるシーンで「学び」という切り口で、メディアファイブの商品を皆様のノウハウと合体して販売していただくことができます。

是非皆様の人生のアイデアを生かすためにも、メディアファイブのビジネスパートナーとなっていただきたいと存じます。

2008年04月30日

ブランド戦略→5段階説の4番他者から承認と自尊心の欲求

ビジネスにおける最終目標はブランド化することです。これは企業が一方的にステイタスを持つのではなく、ユーザーとの共同作業によって成り立ちます。つまりユーザーがその企業の商品、サービスを利用することにより、自分のライフスタイルのステイタスが上がる効果を認めた場合にブランドの価値が輝き始めます。

ブランド化とは商品そのものの価値というより、その商品をお客様が購入することにより、お客様の生活や仕事がその購入価格をはるかに上回る価値をお客様に与えることが可能な状況を作り出すことです。

たとえば、ヴィトンのバッグは大変高価ですが、戦後30年代ごろまで、白州次郎は娘さんに海外旅行へ行くならヴィトンのバッグを持っていけ、と言ったといいます。それは、その頃、ヴィトンのバッグを持つことは、それなりのステイタスの証で、どうしても黄色人種として差別されがちな、ヨーロッパでは、一流ホテルでの待遇が格段と異なったからだそうです。その後、大変高価にもかかわらず、お金ではなかなか買えないステイタスを身につけられる、と一般庶民に、とくに若い女性に爆発的に広がっていったのです。ヴィトンというブランドが、購買者の社会的ステイタスを上げたのです。ベンツもしかりです。家は買えないが、ベンツなら月賦でなんとかなる。そしてベンツを持っていると金持ちに見える。まさにヴィトンと一緒です。

つまり、ブランドはお客様の生活や仕事など人生を幸福にする何らかの価値をもたらすものを持った商品なのです。

コンピュータの活用は、データ→情報→知識→知恵→ブランドと進みます。ブランドは社員が知恵を出し合って、工夫に工夫を重ね、最高品質になった商品に、お客様の評価が加わって形成されます。商品やサービスの日々の改善で、企業と顧客の相互コミュニケーションの結果、ブランド戦略は構築されます。

ブランドを構築できれば、マーケットに大きな存在感を持たすことができ、戦わずして(ビジネスをせずして)利益をあげることができる。

お客様の欲するところを提供できるだけでなく、お客様の欲するものを生みます。
したがって、ビジネスをする前に利益を確保できる。ブランド戦略とは、お客様がこのビジネスにお金を払うことをステイタスと感じさせることが大切。

たとえば当社の例では、毎年5万人以上の人が当社のソフトを購入していただき、資格試験を目指します。そのなかで、お客様に様々なアンケートをお願いして、どうしたら合格しやすいか試行錯誤し、次の年のバージョンアップに備えます。そうすることを10年以上続けていますので、その膨大なノウハウをお客様にご提供することが可能となり、そのことが、商品の購入金額の何倍もの価値として、お客様にご享受していただくことができるのです。

会社におけるあらゆる「カイゼン」がブランドをつくります。

欲求の5段階の各段階による様々な戦略

薀蓄道場マニア戦略→第4段階、他者から承認と自尊心の欲求ブランド戦略への前段階の戦略。だれでもみんな自分の存在感を主張したい。一流な商品やサービスを持ったり関わったりすることで、自分を一流に見せようとする欲求に応える戦略です。ブランド戦略+ライフスタイル戦略が必要なことです。

LEONという雑誌があります。私は内容的にはあまり興味はありません。服がどうの、靴がどうの、時計がどうの、車がどうの・・・など女性にモテるための道具としてのファッションや車や遊びの薀蓄を語る雑誌です。しかしこの間、ある機会に、この雑誌の創刊編集長の岸田氏のDVDを拝見しました。なるほど、と思ったのは、雑誌で、商品の薀蓄を語ることにより、読者を購買に結びつける、という手法なのです。30代から50代のサラリーマンに、マズローの第4段階、他者から承認と自尊心の欲求を満たすべく消費させる手法で成功した雑誌がLEONなのです。

防衛本能戦略→第2段階、安全の欲求問題やアクシデントを起こさないために対策をとることは、大変強いニーズです。たとえばセキュリティソフトなど必然的に購入します。人の危険への回避対策のニーズは強い欲求となります。

働いたことを正当に評価してもらうための、公平平等な評価システムも、利用者側からすれば安全の欲求に属するでしょう。そして組織で安心して働けるモチベーションは、経営の安定につながります。それが経営者に購買を決定づけます。

居場所提供戦略→第3段階、所属と愛の欲求人は自分の活かせる場所を、無意識のうちにいつも探しています。そういう居場所を提供する戦略。顧客の囲い込み。

たとえば、組織と個人の関係を明確化。常に組織と個人のいい意味での緊張関係を持つことが重要です。組織で利用するシステムにはそういう人間のニーズを取り込めることで、稼動しやすくなります。

2008年05月21日

経営資源を絞り出す

当然、企業には時間が限られています。限られた時間のなかで、最大の利益を出すために、みんな知恵を絞っていることでしょう。

可能な限り羅列します。

1、顧客ソリューション戦略まずは一度でも、自社の商品を買っていただいたお客様に満足をいただけたならば、購買意欲は増加します。
顧客を知ることが利益のはじまり →顧客ソリューションモデルを考える→顧客DB分析、当社でも合格アンケートを取ることにより、どのように合格したかを徹底分析します。反対に合格しなかった人も分析し、どのように次の年再チャレンジをして成功したかを分析し、商品開発に生かします。

2、製品ラインナップ戦略
商品をなるべく顧客のターゲットニーズにあった製品ラインナップをおこなう。お客様のなかには、たくさんの機能を喜ぶお客様もいれば、ごちゃごちゃして抵抗感をもつお客様もいます。お客様を年齢、職業、ニーズなどに分類して同じ商品でも様々な製品ラインナップを考える。
→製品ピラミッドモデル 廉価版シリーズ、スタンダードシリーズ、GOLDシリーズなど。

3、市場シェア独占戦略
圧倒的な市場シェアの独占を目指す。市場でのトップは様々な購買段階において、特にマジョリティの層に有利に働きます。市場シェアのトップをとれば、なるべくシンプルで利用しやすい商品を低価格で販売するのが得策といえるでしょう。
しかし、あまりシェアトップにこだわると、市場を破壊する結果につながります。シェアトップになれば、市場を育てる役割にまわりましょう。

4、辛抱時間待ち戦略
今日における企業は結果を早く出さないと、すぐに撤退させられる傾向があります。赤字をなるべく出さずにおけば、時間をかけることができます。時間が生み出す利益を粘り強く追うことも戦略の一つです。→時間収益モデル。

5、ブーム取り込み戦略
コバンザメ商法で、どちらかというと短期的な売上を上げるのに適していますが、大ヒットやブームを素早く取り込むことは、ビジネスアプローチがとりやすい。
大ヒットを創造するマネジメントビジネスモデル→たとえば、学習法、脳機能開発、iPod、携帯電話、SaaSなど。特に

6、ライフスタイルアピール戦略
ライフスタイル→ストーリー説得→イメージビジネス利益モデル→なんのためのブログ?本も重要なツール。

7、経営資源多角化戦略
一つの資産から様々な製品をシステムとデータの組み合わせ→利益増殖ビジネスモデル
2、製品ラインナップも個人の嗜好やニーズをターゲットとした経営資源の多角化ですが、たとえばコンシューマー、企業、学校といった組織別の製品ラインナップ、ソリューションも経営資源の多角化になります。また年齢別ターゲットも同じです。年齢別、ニーズ別、ソリューション別、組織別に製品ラインナップが完成すれば、リピーターの確保などの顧客の組織化を進めやすくなります。

8、複合ビジネス戦略 複合エリア戦略 複合形態戦略 複合ターゲット戦略
複合形態ビジネス:一つのコンテンツからパッケージ、システム、ネットワーク展開。複合ターゲット:個人、学校、企業など。
複合エリア:米国、日本国内、ヨーロッパなど。
製品やニーズ、ソリューションを複合化することで、新しいビジネスや製品を創出することができます。

9、ヘビーユーザー、スペシャリスト囲い込み戦略すべてを知り尽くしたユーザーに支持されることの強み→スペシャリスト利益モデル→資格ソフトから業種向けナレッジシステム
→売り手が主導権を握る→主導権利益ビジネスモデル→競合がいない場合
デファクトスタンダードモデル→競合がいない場合

10、デファクトスタンダード戦略
人間の心に潜む非合理性→ブランド利益モデル
デファクトスタンダードになるにはニッチな市場を深耕することがしやすい。→専門品利益モデル

11、市場深耕戦略
点線面→パッケージ→システム→ネットワーク展開モデル
信頼がもたらすメリット→取引規模モデル


12、点線面戦略
パッケージ→システム→ネットワークなど
価値連鎖ポジション利益モデル→店頭か、ネットか

13、市場破壊戦略
市場シェアトップを目指すには、市場破壊戦略をとられやすい。こういうことをされた場合、どのように防衛するかが重要。


14、景気循環戦略
景気の追い風の時、景気減退の時、いかに売上を上げるかの検討。いずれにしても財務がしっかりしていないと、余裕ある戦略がとれない。

15、新製品売上依存ビジネス
多品種低価格商品に、このビジネスは取られやすい。返品在庫の増加が問題。

16、組織貢献ビジネス
ビジネスにおける重力の問題→相対的市場シェア利益モデル→「則天」で

17、カイゼンビジネス
利益の出そうなビジネスへ向けて取捨選択
学習の累積がもたらす知恵→経験利益モデル


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