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映画 日本独立

この連休に、ネットテレビで、今年公開された映画「日本独立」を見ました。

憲法制定の過程を、吉田茂、白洲次郎、白洲正子を中心に描いた映画です。
なんと、小林秀雄まで出てきました。

僕は、大学時代、ゼミで憲法制定過程をさんざんやり、小林秀雄は16歳から夢中になり、現在では、全集5種類持っています。白洲正子もほとんど読破しました。白洲次郎の関連資料も、少ない著書も含めて、ほとんど読破しました。鶴ヶ島にある、白洲次郎の屋敷にも、25年前に行きました。

だから、この日本独立の登場人物やストーリーはかなりよく知っていました。

この映画は、61歳になる、今の僕に、戦後に生まれ、浦和駅や、母に連れて行ってもらった上野駅で、アコーディオンを弾く傷痍軍人の物悲しいメロディの記憶や、オリンピックの聖火かマラソンを、中山道の調宮神社の前で日の丸の国旗を振りながら眺めた記憶、あらゆる僕の記憶をつなげる映画でした。

今の日本は安全保障は米国に頼り、経済の中心たる大企業のビジネスは中国に依存し、というより、中国にある会社とお金を人質にとられ、その二大国に挟まれ、この国家の流れはまったくわからない状況です。

1990年のバブル崩壊からこの30年、日本はほとんど経済成長しませんでした。
その理由を、少子化に求める人、そして政府の財政投融資を拡大しないことを理由にする人、などなどさまざまあります。

しかし、もっとも直接的な原因は、1990年以降、大企業は年率8パーセントの急成長で成長する中国市場に集中しました。

中国で商売する条件として、51%を中国の資本にするビジネススタイル、しかも中国で稼いだ金は、中国国内以外には持ち出せない、その規制で、確実に大きな利益と成長をもたらしはするものの、再投資は中国国内でしかできませんでした。

その状況は、中国に会社を持つ大企業は中国で再生産を繰り返し、現金は中国国内に蓄積されることになりました。

 いまから15年前、官僚から海外の大学教授になった親戚の人が言ってたのですが、ODAは、日本が多く拠出しているのに、まったく日本は、その国で活動をしようとしない、逆に中国は、日本からの援助金をアフリカに回し、中国の利権を必死に確保している、とぼやいていました。特に当時、ガラケーと言われる携帯電話のアンテナ基地を中国は、アフリカに必死に拡大していたそうです。

 2005年ごろの中国は、鄧小平路線を開花させつつ、急速に日本のGDPに近づきつつありました。私も2010年の上海万博は行きましたが、一対一路構想の完成が巨大なCGで展示されていましたが、それはそれはすごいものでした。一言でいうと、北京からヨーロッパまで、今日の上海や香港にある巨大ビルがシルクロードに沿って延々と乱立する、という風景でした。

 話は変わりますが、最近にわかに注目されるのは、米国の秘密文書が規定により公開され、戦前の米国では、政府に400人もソ連スターリンのスパイは潜り込み、日本に最後通牒を突き付けたハルノートの原案は、ソ連のスパイであるハリーホワイトによって、書かれた、ということです。

 日本を破滅に導いたのは、主に、スターリンだったということです。ゾルゲ事件もその一端だったのです。ゾルゲ事件で死刑にされた尾崎秀美は、米国との開戦前の首相、近衛文麿のブレーンのひとりでした。冒頭でふれた白洲次郎もそのブレーンのひとりです。だから、映画の内容はあまりに表面的だということでしょう。

 NHKのドラマ「白洲次郎」のラストシーンで、神山繁演じる白洲が、色々な家に残っていた占領時代の書類を燃やしながら、「やばい書類ほどよく燃える」と言っていたシーンは象徴的でした。

 人はだれでも、色々な後ろ盾があるものです。しかし、それは時として歴史を大きく変え、一国すら滅亡に導くことになることもあります。

 今日本は、スパイ防止法はありません。それがなにを意味するのか、あまりに恐ろしい事態です。

今日、日本はものすごく大きな岐路に立たされています。安全保障では、米国との同盟は絶対であり、経済は,大企業中心に、中国に人質に取られています。しかも、あらゆる中国の意向が司法、行政、国会の三権に浸透しているようです。

 冒頭でも触れましたが、私は、大学は教育学部の社会科学分野の法学研究室に属していました。卒論は憲法変遷論でした。当時はほとんどの指導いただく先生方は左系でした。それはそれで、既成概念を正しいものとせず、ゼロから考えて、ゼミや、社会学、経済学、倫理学のゼミ間横断的に合宿で議論するのは、とても自由で楽しかったです。

 しかし、終戦直後の国民の戦争アレルギーと、占領軍の施策による徹底的な平和教育は、戦後70年、中国の強大化、覇権主義の強化に伴い、日本を滅亡に導く強毒のイデオロギーとして、変わりつつあります。
 
 戦争なんて、簡単には起きない・・・。親中派の人はみんな言います。しかし戦争はすでにミサイルや戦車や戦艦で戦う時代ではありません。
 以前もブログで触れましたが、超天才的なハッカーがひとりいれば、一国の軍隊を壊滅させることもできるのです。特に、これからは量子コンピュータの実用度にかかってくるでしょう。

 さらにこのコロナ問題も、細菌兵器のひとつかもしれません。

 なによりも、大企業幹部をはじめ、政治家、官僚、警察、司法にいたるまで、あらゆる中国とのかかわりあいはあるでしょう。

 私も、10年前、経済団体の役員をしているとき、何度か中国に行き、中国の若手の官僚たちと話をしました。あまりに、あまりに頭がよく、驚きました。

 多分、一緒に行った経営者たちの中で、有望なひとたちは、さらに深く中国の人たちとコミュニケーションを深めていったと思います。

 チベット、モンゴル、ウイグル、香港も、まずはその国の人から、より強い親中派が重要な地位を占め、支配を強めていきました。

 今、中国からのサイレントインベージョンが日本国内に浸透しつつある中、習近平政権になって、中国の脅威が顕在化され、マスメディアが戦後教育の強毒化で、ほぼメディア機能を失い、インターネットがそのメディアの役割に変わろうとし、徐々に日本国民は目覚めようとしています。

中国の人は、「中国は日本なんか相手にはしていない」と言っています。しかしそれは、彼らが立ち向かうボスキャラは世界覇権国である米国に絞っている、という意味です。

 平和ボケして、スパイ防止法もなく、やり放題ができる日本は、すでに支配が完了している、と思っている在日中国人も多いようです。

 戦後76年、外交における紛争を解決する手段として戦争することを認めない、国の交戦権を認めない、ということを憲法に記述して国が生き残れる時代は終わりました。

 交戦権を否定すれば、日本は、ウイグル、モンゴル、チベット同様の自治区になるのみです。しかも今の中国の人たちは、反日教育で育っています。もっとひどいことになることも予想されます。それは、SNSで日本が被害にあうと、中国の人の誹謗中傷の書き込みをみれば、容易に想像がつきます。

新中派の人は、今こそ、米中が対立しているなかで、平和を唱え、その仲介をすることで日本はより素晴らしいポジションを獲得できる、と言っています。
しかし、すでに、それは間違いであることの前例があります。

そもそも中国は、天安門事件のとき、世界から孤立していたのを救ったのは日本です。
それなのに、日本が民主党政権になると、足元を見るように、いきなり尖閣諸島は自国領土だと主張をはじめます。

中国にとって、日本が無防備でいることは、実効支配していい、ということなのです。スパイ防止法がなく、土地規制法もなく、専守防衛に従事し、GDP1%の防衛予算は、どうぞ、日本を支配してください、とイコールです。

中国で反日教育をうけているのに、日本が人気なのは、日本の、あまりに呑気な社会を、本能的に求めているからでしょう。

「日本独立」

とにかくこの映画はとても考えさせられる映画でした。

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