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「愛の不時着」北朝鮮と韓国「最後の王妃」韓国と日本

先週から、NETFLIXで、「愛の不時着」(2019~2020)という韓国ドラマを見、今日同じく韓国映画「大韓帝国 最後の王妃」(2016年)というのを見ました。

この二つのドラマに共通するのは、ソウ・イエジンという、主人公の女優が同じ人だったことです。

「愛の不時着」は、国境線近くでパラグライダーで飛んで、竜巻に巻き込まれて北朝鮮に不時着し、北朝鮮のエリート将校と恋に落ちる財閥令嬢。かたや、日本に蹂躙される大韓帝国最後の王妃。

この北朝鮮のエリート将校演じるヒョンピンがまたかっこよくて、市川雷蔵にそっくりです。設定は北朝鮮の最高幹部、総政治局長の次男です。ヒョンピンは今韓国で最も人気あるのトップスターです。

「愛の不時着」はまさに、文在寅政権の進める南北融和のプロパガンダであり、「大韓帝国 最後の王妃」は文在寅政権が生まれる前ではあるが、まさに反日のプロパガンダとしてはとても有効な映画です。

ただ、プロパガンダでは済まされないのは、こういうことは実際、朝鮮統治時代リアルに起こっていたことなんだろうな、ということです。

まず今大人気の、「愛の不時着」は、脱北者の監修があり、北朝鮮の生活をリアルに描いているそうですが、これは、北朝鮮の最上流家庭と、一番優遇されている軍人の家庭を描いているので、あまり悲惨な社会生活は出てきませんが、時々路上生活者とか、でてきます。

しかし、このドラマで出てくる極悪非道な将校は、作家の伊集院静の若い頃に似ているのですが(ただ、伊集院静は背が高いので、全然かっこいい)、幼少期は路上生活者だった、という設定です。

僕も10年前に、15年ぶりに韓国へ行き、その見違えるような現代化に腰を抜かすほど驚き、つまり25年前の韓国は昭和40年代の僕の子供の頃の日本の風景でした。

http://blog.media-5.jp/kitabatake/2010/02/post_49.html

10年前の韓国は街から一切漢字も消えて日本の現代よりモダンでした。

38度線にある非武装地帯に行ったのですが、そこで痛感したのは、まだこの国達は戦争しているんだなっていうことです。

双眼鏡で覗いた北朝鮮の風景は、打ち捨てられた錆切った蒸気機関車も放置されていて、相変わらず戦前の日本という感じです。


そして、この朝鮮半島に生まれたばっかりに、いつの時代も獰猛で巨大な中国とロシアとの陸続きに、大きな悲劇に苛まれてきたんだなあって思いました。

四方海に囲まれた日本は本当に、恵まれているなあ、って思うと同時に、あまりに平和ボケしてるなあって思ったことを、この映画を見て思い出しました。

この半島は大国、中国とロシアに蹂躙され続け、富国強兵を実現させることなく、さらに鎖国を解いて、大国中国とロシアにたまたま運良く部分的に勝利して調子に乗って海外侵略を始めた小国日本に併合され、その日本はいつの間にか世界を敵に回し完敗し、しかしそのとばっちりで一国を分断された朝鮮民族は、確かに日本に深い恨みがあるのは肯けます。

ただ、平和憲法下で、世界で唯一と言ってもいいくらい戦争と無縁の世界で育ってきた戦後日本の民族にとって、戦前の出来事はひと事にしか感じないのです。

僕の子供の頃はまだ上野駅や浦和駅にも傷痍軍人が白い服を着てアコーディオンを弾きながら物乞をしていました。社会全体も野性的だったと思います。

ある韓国人の学者の方が言っていました。勿論その人は徴兵で2年軍務に服していましたが、戦前の日本軍の伝統は、韓国軍の中に残ってる、と。
日本の自衛隊はサラリーマンである、と。

ハングル語は極めて日本語に近いと言われています。
それは弥生時代朝鮮半島から渡ってきた渡来人によって国家が作られて、飛鳥奈良時代ができた経緯を物語っています。法隆寺や奈良国立博物館で時々やってる飛鳥奈良時代展を見れば一目瞭然です。ほぼ朝鮮文化を感じさせるものばかりだからです。

日本女性が韓流ドラマや韓国アイドルに熱狂するのは、韓国男性が、徴兵を経験し、国家のために命を差し出す、戦前の日本の若者へのノスタルジーを無意識に感じているのではないでしょうか。

愛の不時着の男性ヒーローは市川雷蔵に瓜二つです。もっとも市川雷蔵は軍隊経験はありませんが。

今日本の財政は終戦直前期より悪化しています。
そして消費増税に伴う経済悪化に追い討ちをかけるコロナパンデミックは、
確実に世界恐慌を引き起こすでしょう。

GDP3.png

その中で戦争を全く知らない日本人はこの時代をどう乗り越えて行けるのでしょうか?
そのヒントは国家をデフォルトさせ、蘇った韓国に大きなヒントがあるのかもしれません。


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