それでは、次にくる需要革命、すなわち生活者の革命とは、どのようなものでしょうか?
われわれは、まず10年後の2027年をイメージしてみましょう。そしてさらに10年後2037年後を想定してみましょう。
まず、今進歩しつつある人工知能について考えてみましょう。
人工知能の構造は、パターンをなるべく多く記憶させ、具体的には、正解といわれる事例をたくさん記憶させ、判断すべき事象を、そのパターン群から類似、もしくは一致するものを選び出し、それを正解としてアクションをおこさせる、という仕組みです。
人工知能が発達すればするほど、より擬人的なロボットが出てくるのは明白です。
たとえば介護ロボットを作れるとします。
ある一人暮らしの寝たきり老人がいるとします。その老人が介護ロボットを雇います。
おなかすいた、と老人がいうと、ごはんを作って口に運んでくれます。トイレ、というとしびんやおむつをとりかえ、洗浄もしてくれる。もしくはトイレに運んでくれる。
さびしくて話しかけると、ロボットは実にきめ細やかに理想的な会話をしてくれる。
具合が悪くなれば、すぐに救急車を呼んでくれる。
これを、人間がやるときのデメリットは、人には感情があるので、優秀な介護をする人をさがさないと、本当に老人はつらいことになります。近年、介護老人ホームで老人の虐待が事件になったりしますが、そういうことはロボットにはありません。
おそらく教育でもそうでしょう。家庭教師を頼むより、言葉を認識するロボットが教えてくれるほうがより、優秀な先生でしょう。
仕事を管理監督指導するのもロボットがおこなったほうがいいかもしれません。
それでは人間がロボットにとってかわられないことはなにか?
まずトップの決断。これは、ロボットを利用して新しい目的を実現するのだから、トップつまり社長の決断とか、教育だったら親の決断とか、そういうものは、まずはロボットにとってかわられません。
こういう社会になることで、人間はどう変わるのか?教育とか、労働とか、人間にとって努力と苦痛が伴うものが、苦痛なく楽しく生産活動ができるようになるでしょう。
それは、人々が、競争原理に従って勉強したり、働いたりするのではなく、協調によってより付加価値をたかめ、楽しく人生を起こる社会の実現につながるのだと思います。
情報化社会は、豊かな中間層が7割以上もいて、そして仕事の時間も短く、あえて、楽しく貢献的に消費をおこない、また個人個人が仕事での投資も含めた生産活動をすることによって、よりみんなが豊な社会が実現されるのです。
経済の流れはより豊かにより活発にながれることが、みんなも潤すのです。決して一部の独占と中間層の消滅、貧富の差の拡大は富を持つ層の富すらも奪いかねないのです。
とにかく中間層を厚くして、経済をより活発に回すことが、富裕層にとっては、もっとも大きく儲けることができるのです。当然のことに中間層も下層も豊かになれます。
歴史は繰り返す、というなら確実にこの後、大きな戦争がきます。
しかし、人類が賢くなり、戦争を起こさなくても、情報化社会への需要マーケットの移行がスムーズに起こせれば、戦争は回避されます。
需要革命は、教育によって行われます。よりここちよい、でもしっかり知識や技術や思考を身に着けて、いままでにない仕事へと変化させる、そんな状況が拡大していけば、需要革命は起こると確信しています。
詳しくは、2008年に書いた拝著「究極の経営」をお読みください。
あれから9年経ちますが、まったく修正のいらない内容と自負しております。
でも売れませんでした。(≧◇≦)
売れない古い本の宣伝で ドーモスミマセン!