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超天才三島由紀夫

先に、ご紹介したように、ドナルドキーンが人生で出会った最高の天才とは、三島とウエリーだといいました。

三島は、自衛隊の決起を促して、1970年11月25日に自衛隊市ヶ谷駐屯地に突入しました。

かれのような超天才が、このクーデターが成功するとは、勿論思っていなかったでしょう。


たとえ成功しても、ちょうどソ連がチェコに侵攻したように、すぐに米軍に鎮圧されるでしょう。

さらに、当時、学生を中心に、左翼運動家が多く、中国やソ連もそういう運動家を利用して介入してきたかもしれません。

いずれにしても、もし自衛隊の一部でも三島由紀夫になびいたら、それこそ、日本の大混乱だったでしょう。

しかも国民の意識は、一部を除いて、大多数は、先の太平洋戦争に辟易してほとんど否定にまわるでしょう。

そのようなことを百も承知して、なぜ、三島は決起したのか。

自衛隊が、米軍から独立することは、ほとんど不可能でしょう。


おそらく三島は自分の作品を、日本文化のエッセンスとして、国に、もっと言うと、日本の歴史にくさびを入れたかったのでしょう。


そしてそのくさびは45年たった今日、さらに大きな文化的な力となって光り輝いています。

その証拠に、今日において、籟王のテラスも、黒蜥蜴も、近代能楽集も劇で演じられています。


敗戦後、GHQによる軍事占領がおこなわれ、1985年のプラザ合意で、経済において米国の侵攻がはじまり、2001年以降、経済も実質占領のような状態になりました。

一人当たりのGDPは、1995年をピークに、今日に至っては、先進国で最低です。

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ところが、最近日本ブームが起こり、日本文化が世界中で見直されることになったのです。

神社仏閣いたるところで外国観光客であふれ、ホテルは満杯、日本食は世界中で愛されるようになりました。

今から10年前、ラストサムライなるハリウッド映画が興行され、これは、日本にイラク戦争を参加させるプロパガンダだ、という声もよく聞きます。


しかし、先行して世界に広まった黒沢映画や三船敏郎、最近はジブリ映画など、武士道や自然、神仏、そしてなにより日本食を世界中の人が魅了するようになったなのです。

榊原英資氏が、なにかの本に書いていましたが、その食文化が世界的にブームになる国が、世界の主役の国になると。


確かに、日本食が世界で人気になれば、日本のあらゆる製品が、世界中の人々に、関心を持たれることになります。

電化製品も、自動車も、アニメも、観光も、芸術も、そして教育も。 ・・・さらに慎重に熟慮をしなければなりませんが、平和憲法も、天皇制の在り方を含めた歴史も。


軍事的独立などしなくても、金融や情報を支配されても、文化で世界を席捲すれば、日本はその存在を輝かすことができます。

パフィではないけれど、それが日本の生きる道ではないでしょうか?

もし三島由紀夫が、現代まで生きていて、この状況を見たらなんというでしょうか?

ただただ、この国の軟弱と堕落を嘆くのみでしょうか?

彼の最後の小説の豊饒の海は4巻からなり

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明治時代末期に、軟弱で廃頽した性格の松枝清顕という、侯爵家の一人息子がタブーに命をかける第一巻「春の雪」と

清顕が転生して、右翼の息子で、剣道に生き、信念のために、資本家を殺害して自決する飯島勲が主人公の「奔馬」と

勲が終戦後転生し、タイの姫で、奔放できまぐれで、周囲を翻弄する月光姫を主人公とする「暁の寺」と

月光姫の転生かと思われて、時代は1970年でしょう。本田繁邦の養子となって本田を悩ませる安永透を主人公とする三島の絶筆「天人五衰」。
しかし安永透は転生の証拠となる,20歳での死が実現出来ず,失明して生きながらえます。

最後に,第一巻から通して転生を追いかけた本田繁邦は、月照寺の綾倉聡子を訪ねました。

第一巻で親友の松枝清顕が犯したタブー、皇族の婚約者綾倉聡子との逢瀬が発覚し、清顕は20歳で死に、聡子は月照寺で尼さんになっていたのでした。

本田は80歳になる聡子に昔話を始めると、聡子はきょとんとし、そんな話は知らない、と言う。

そして聡子は本田に、本当にそう言う事がこの世で存在したのか、それも心の問題でしょう、と狐につままれたような事を言います。

これは仏教の輪廻転生の問題であり、輪廻転生とは、生まれ変わることであり、人が死に、生まれ変わるのは、魂ではなく、阿頼耶識、簡単に言うと「意志」が生まれ変わるそうです。

そして形にみえるものは、心にうつるものであり、事実は何もなく、なにもないなかで、形になって、スマフォのゲームのように現れる、という色即是空、空即是色を聡子は本田に悟らせて、物語は終わります。

これを書き終えて、三島はその日の朝に市ヶ谷駐屯地に切腹しに行きます。

確かに、第四巻の「天人五衰」は1970年代からバブルまでのいわゆる「昭和」の時代が時代背景でした。

ところが、今は、また明治末期から大正への第1巻「春の雪」の時代に戻ったのではないでしょうか?


その時代と当然同じではありません。平成は、年を追うごとに、経済は停滞し、老人は増加し、地震や災害も増加して、幸いにして戦争はないものの、そしてスマフォに代表されるバーチャルな時代となり、「ネトウヨ」なる新たな愛国者なるものも出現しました。

日本の食文化は世界に人気を博し、日本の古都は外国人で埋め尽くされ、そのなかで、外国人から日本の良さを実感させられ、昭和バブル時代の、金や物欲が国民の中から消えて、ジブリを代表されるアニメは世界に冠たる日本文化の代表となり、若者は自動車を持つことに固執しなくなり、類型的には、明治末期から大正時代に近いのかもしれません。

しかも連続する災害に、若者は数多くボランティアとして参加し、利他の精神は健在なり、という風潮になっています。

一人ひとりが、オンリーワンをめざし、精神的豊かさのなかで、暮らせる仕事をしていくことが、今日的な働き方なのかもしれません。


当社も、殺風景なオフィスビルから住宅街のモダンな一軒家にオフィスを移しました。

絵を飾り、みんながマイペースに文化的創造ができるよう、そんな働き方を目指します。

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2016年12月18日 23:47に投稿されたエントリーのページです。

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