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とと姉ちゃんと、野口悠紀雄の「戦後経済史」

三連休の初日、野口悠紀雄氏の「戦後経済史」と「変わった経済、変わらない日本」を読みました。

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「戦後経済史」を読んでいたら、今朝リビングに降りてきたら、テレビでNHKの朝の連ドラの「とと姉ちゃん」を放映してたのを思い出しました。

ちょうど、とと姉ちゃんが出版している、「暮らしの手帳」で、洗濯機の性能比較を公開する、というお話でした。

家には、1998年発刊の「暮らしの手帳」があり、まだとと姉ちゃんが編集者として名前がありました。

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1998年くらいになると、料理の話ばかりでしたが、戦後、高度成長期の日本で、家事の三種の神器といわれる、洗濯機、冷蔵庫、テレビをみんなが買いたくて、色々なメーカーの性能比較とかが読者の関心ごととなって、「暮らしの手帖」で盛んに特集していたのでしょう。

その当時はそして給料が、どんどん上がっていくに従い、家庭の暮らしもどんどんよくなり、洗濯機や冷蔵庫やテレビを買い替えて、それが家庭の幸せであり、国民全体がその幸せを追って、日本は驚異的な内需拡大により、高度成長を遂げるのです。

野口悠紀雄の戦後経済史も、この内需こそが高度成長を作った、と言っていました。

2000年を過ぎて、アジアやブリックスが高度成長を遂げるのも、世界の工場が、すでに人件費の高騰した日本から、第三諸国に移り、第三諸国の国民も、三種の神器を求めて高度成長が実現したのです。

暮らしの手帳が一世を風靡したのも、その象徴だったのでしょう。

話を「戦後経済史」に戻すと、

日本の戦後の復興計画は、すでに、終戦前に、安倍首相の祖父である岸信介を中心に、計画されていたそうです。

というより、戦争における日本経済は、敗戦にむかって、どんどん追い詰められ、国家総動員法という、統制経済が岸信介を中心に進められました。

戦後の復興を、満州建国を復興モデルとして、統制経済に近い形で、岸信介たちは復興させました。


一時、敗戦という形でリセットした日本経済は、表面上は占領軍の指導の下に、しかし実際は、戦前から温存されていた官僚たちが、満州建国をモデルに、見事に復興を成し遂げたのです。

勿論焼野原の中で、驚異的なインフレとなり、戦後十年は国民は塗炭の苦しみを乗り越えてきました。

大都市の空襲による、工場の壊滅や、戦後米軍がめぼしい機械を米国に持って行ったことで、かえって日本は新しい機械を入れて、生産性があがった、という話もあります。

そして野口氏の説は米国と英国はITと金融で、見事経済の停滞を乗り越え、情報化への産業革命を果たしたのに対し、日本とドイツは工業化からの脱却ができずにいる、という話でした。

そして中国は日本のGDPを二倍近く引き離し、東南アジアやBRICSといわれる国の成長が著しい時代になりました。


日本は新しい産業を早くつくらないと、来るべき老人社会に、竹やりで立ち向かうことになる、というのが、氏の結論でした。


さらに1年前に出した新書「変わった世界、変わらない日本」では、高度なサービス業による、内需拡大と人材開国が必要だ、と提言しています。

僕はそれに反対ではないのですが、日本における雇用制度では、難しいと考えます。

あまりに現状の雇用制度は、働く気のない人にも手厚い保護がなされています。

それこそ戦後の統制経済のなごりでしょう。

しかし、それは、日本人のプロ意識を劣化させています。ここを解決しない限り、日本は変わらないでしょう。

私は、今の政府は、おじいちゃんがやったことと同じことをしようとしている気がします。

「一度リセットして、新しい日本を作る。」


そのためか、政府や日銀が外貨を買い出したか、買う話が今、浮上しています。
(現状では日銀は外債を買えません)
出所は、安倍首相だそうです。ますますおじいさんと同じことをするのではないでしょうか?


私たち庶民はどうすればいいか?それはしっかり自分のビジネスを、プロ意識をもって、社会に必要と認められることです。

そうであれば、どんな環境下でも生きていけます。

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2016年09月17日 23:03に投稿されたエントリーのページです。

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