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玉川温泉と焼山

11月初旬の三連休に、両親と玉川温泉にいってきました。最初に行ったのは7,8年前になりますが、今年で3,4回目です。とても酸度の強い温泉で、ガンや脳梗塞のリハビリで来る人が多いので有名です。末期がんの人が何度も詭篤になりながら、少し良くなってはこの温泉で療養するなど、奇跡的な話も聞きます。

ここには3件の温泉宿があります。そして原泉が噴き出ているところは河原になっていて、そこに北投石という硫黄を結晶化した石が数多く埋まっており、そこから微量の放射能が出て、がんに効くのだそうです。

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この温泉は1680年にまたぎが発見し、本格的に開かれたのは明治17年で、それまでは、けがをした鹿やいのししが白濁した暖かい川に身をつけて傷を治す姿を猟師やまたぎが見て、ひそかに彼らの自然の湯治場だったそうです。

私はここがとても好きです。なによりも行楽地特有の浮ついた雰囲気がありません。
地熱のあたたかい河原で横たわっていると、なんだか鹿になったような気分で、自然の治癒力を感じます。ただ療養ではない私は、いつも毎日3~5回、30分ほど原泉50%の露天風呂に入り、そのなかで北畠親房の「真言内証義」と北畠顕家の「奏文」を繰り返し読んでいるのです。顕家の「奏文」は前にもブログで紹介しましたが、親房の「真言内証義」はあまりに難しくて、何度読み返してもよくわかりません。ただ毎回意味もよくわからず読んでいると、なにかしらいつも悩んでいる答えを先祖に教えてもらえる気がするのです。

今回教わった答えは真言内証義の冒頭部分に書かれている「仏教には法、報、応の三つの構成要素からなる。法身の仏は法界に無限に存在する。報身の仏は浄土を常に清め、菩薩を導く。応身の仏は大衆の迷妄をその悲しみで濁った世を清める。」というくだりです。

つまり仏教は難しいから3段階に分けて教えを広めている、ということです。そこで日頃悩んでいる当社の開発したグループウエア「則天」をどうやって世間に普及させるか、ということです。今回悟った?のはこのシステムは3段階で普及させるべき、ということです。
第1段階は改善提案を定着させるグループウエアとして
第2段階は仕事のなかで目標、実績そして予算、コストを明確に定着させるプロジェクト管理として
第3段階は個人の生産性を社員全員に意識させるシステム
としてです。

おまえは温泉にいってまでも仕事のことが離れられないのか、と言われそうですが、私の使命は世の中の経営と教育のイノベーションにお役に立つことなのです。今こそそれが本当に差し迫って必要な時期に来たのだと思います。

話を元に戻しますが、この河原にござを引いて、仲好く寄り添って寝ている老夫婦も数多く見かけます。この地は生と死を真剣に見つめ、生を大切にしようとする大衆の修験道場のようです。人は死を意識すると、普段囚われているつまらない欲望、見栄や虚飾になにものの価値も見出せなくなり、ただシンプルに生きることのありがたさに目覚めるようです。病院のような暗さはなく、わずかな可能性でも自然の治癒にかける人々の真剣さが、美しい景色のなかで溶け込み、とても素晴らしい調和の空気を醸し出しています。

そしてところどころで水蒸気や湯が噴き出ているのですが、この噴き出し口に、網にじゃがいもやサツマイモ、玉ねぎなどを入れて投げ込んでおくと、20分でふかすことができ、足湯をして待っていると、とてもおいしい昼飯ができあがります。

この時期は、この地はもう紅葉も終わりかけです。ここまでのバスからの景色はとても美しい紅葉でした。

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でも私は冬が好きです。真白に覆われた雪景色は、この温泉峡にぴったりです。今年は五月の連休前にも来ましたが、まだ雪が残り、雪の下からところどころで蕗の薹が出ていました。

花をのみ待つらん人に山里の. 雪間の草の春をみせばや というのを思い出しました。

ただ、花より団子で、少しとって家に帰って味噌焼きにしました。

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(春の玉川温泉)
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(春の玉川温泉)
この温泉が気に入っている理由がもう一つあります。焼き山のふもとにあることです。焼き山とそれにつづく八幡平は、大学時代、ワンダーフォーゲル部で1年と3年の時、3月の雪山に1か月近くこもりました。玉川温泉から、焼き山を挟んで反対側に位置する御所掛温泉をベースキャンプにし、焼き山の非難小屋に1週間ほど宿泊し、周辺を山スキーで縦走しました。晴れた日は樹氷の間をスノーダストが舞い上がり、そそり立つ雪ぴのがけをウエーデルンで舞い降りるが如く滑るのは、銀世界の本当に夢のようでした。パウダースノーだからどんな急斜面でも、簡単に滑降できるのです。本当に楽しい思い出でした。
その思い出の焼き山に登ろうと、前回から挑戦しているのですが、前回はまだ雪ののこっている4月だったので、途中で断念しました。今回は、2日目の挑戦は、雨が強くなり、断念し、3日目は午後2時5十分に出発したので焼き山山頂1キロ手間で3時半になり、最後の急登を前に、またしても断念しました。あと20分もあれば山頂にいけるとは思いますが、往復40分増やすことは、下山中に真っ暗になることが予想できます。焼き山は玉川温泉から3キロの距離なのですが、もう何年も山に登っていないからか、私にはけっこうきついです。
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(焼山への道)
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(目前の焼山)

今度来るときは午前中に登ります。

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2008年11月07日 09:28に投稿されたエントリーのページです。

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