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至高の学習法

来年初め、当社より「至高の学習法」という本を出版します。
以下はその前がきの原文です。


勉強法の本が、よく売れています。そして数多く出版されています。ノウハウ本というのは、誰もが手にするものですが、なかなか実行できないのが現状です。

人はなぜ勉強するのか。それは当然、生きていくためには働かなければならず、より良い条件で働くためには勉強していい学校や資格をとることが必要だからです。

今日、新聞にはこのような記事が載っていました。「25年後には平均的なプログラマーと大工はどちらが稼げるか?おそらく大工だ。」FRBの元副議長のアランブラインダーが言ったそうです。グローバル化が進むなかで、平凡なホワイトカラーの仕事は世界のどこかの新興国に代替されてしまうのです。

日本は今先進国でも最も低い成長率です。しかもそのプラスの部分はほとんど世界に誇るグローバル企業によるもので、実質的な国内経済はマイナス成長です。しかも少子化に歯止めがかからず、地方経済は壊滅に近い状態です。そのような状況下で成り立つビジネスそのものが少ないのです。

このような過酷な国内経済状況のなかで、どのように生活するか。いままでの働き方では普通の生活はできないのです。

どのようにすればよいか。まず自分の適性を見極めることです。次に自分のキャリアをいかに生かすか、です。自分の生きてきた人生を無駄にしないことです。どのような無関係とも思えるキャリアを積んでも、それを結ぶ仕事が見つかるものです。それがオンリーワンなのです。オンリーワンの仕事につければ、価格競争やグローバル化における新興国からのビジネスの脅威からもさらされることなく、またどんなに市場が縮小していってもニッチで仕事を確保することができます。またそのビジネスを続けていき、ブラシュアップしていけばグローバルに活躍することもできるのです。

このような職業を米国のロバートライシュ教授は「シンボリックアナリスト」と名づけました。成熟経済に突入した日本において、より多くの日本人がシンボリックアナリストとして活躍しなければならないでしょう。

私のことで恐縮ですが、私は、高校時代は理系志望でした。しかし大学は一転して教育学部に入りました。就職したのはゲーム会社です。そしてシンクタンクに転職しました。そこで起業してメディアファイブという会社を作りました。メディアファイブは子どもから大人までの学習ソフトを開発しています。また教育という観点から世界初の人材育成型グループウエアを開発したのです。若い頃から、何をやりたいか分からず、ばく然とただふらふらしていましたが、その経歴の蛇行が企業、学校、コンシューマーという3つの市場に、生涯学習、学校教育、企業教育という観点で、教育コンテンツやツールを開発することにつながりました。蛇行した経歴もオンリーワン企業の誕生にもれなく役に立つこともあるのです。

それではどうやってシンボリックアナリストになれるのか?皆さんも一度自分の経歴を考えてください。どのように結びつければオンリーワンになるのか、を考えるのです。
安藤忠雄氏はボクサーから通信教育で資格をとり、世界的な建築家になりました。アナウンサーの生島ヒロシ氏も一時テレビの仕事が来なくなったのですが、ファイナンシャルプランナー試験を取り、それをきっかけに仕事が増加したそうです。

なにか行き詰ったら、まず興味のある資格でも目指したらいかがでしょう。合格という目標をもって勉強しなければ、自分の身になかなかならないし、勉強をしているうちに、新しい仕事のアイデアが様々湧いてくるものです。

この本のなかで、パソコンを活用して学習することをご提案しています。有史以来人は道具を工夫することで、文明をつくってきました。道具を工夫した民族が世の中を制してきました。学習法にしても道具を工夫すればたとえ記憶力が悪くても、思考力が弱くても自分の思いがかなうのではないでしょうか。

たとえば、皆さんの自学自習は文字を読んだり書いたりすることがほとんどだと思います。しかし言葉は人類の起源とともに生まれたのに対し、文字は文明の起源である5000年前程度です。人間の生理的機能として耳で理解する音声の発達に比べ、目で意味を理解する文字は非常に新しい機能なのです。自学自習でも音声を活用することが、どれだけ効率的かは明白だと思います。

再度私ごとで恐縮ですが、私自身本当に若い頃から記憶力が悪く苦労しました。様々な記憶力を上げる工夫をしてきました。様々な学習法の本も検討しました。メディアファイブを操業して15年になりますが、その間いかにパソコンを利用すると効果的な学習ができるか試行錯誤し、資格試験の平均合格率は60%を超え、導入したある公立中学校では文科省の統一模試で日本全国で2位になる実績を上げました。

15年間試行錯誤した学習法の研究成果を今、皆さんご紹介させていただきます。この本の中には、社会人の学習だけでなく、小中高校生にも是非知っていただきたい学習法も入っています。鉄は熱いうちに打て、と言います。若い頃に、単に受験勉強を効率的にするだけでなく、脳機能を開発し、より個人の能力を大きく伸ばしていただきたいと存じます。そして学生の時に習得した学習法をそのまま社会人になっても活用できるのです。人生はいかに学習し続けて、そしてそれを社会に生かし続けるかが成功の秘訣ではないでしょうか。この本にはその秘訣が記させております。是非子どもからお年寄りまで皆さんに活用していただけたら幸いです。


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2008年10月31日 09:22に投稿されたエントリーのページです。

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