« 資本主義の原点に帰りましょう! | メイン | 生成AI時代の歩き方 終戦記念日 »

時代を読む

最近大河ドラマの篤姫がブームになっています。篤姫が育った家の庭からとった酵母でつくった篤姫焼酎も飲みました。なかなかいける味でした。ところで勝海舟が篤姫をほめている、とウィキペディアに書いてあったので、さっそく家にあった海舟の著作、開国起源や氷川清話を読んでいたら、氷川清話のなかにびっくりするようなことが書いてありました。

要約すると、
話は日清戦争での戦勝における賠償問題について言及したことなのですが、戦争というものはやたらしてはならない。江戸幕府だって必要のない長州との戦で滅びたのだ。日本は朝鮮半島の独立保護のために清との戦争をしたのだから、領土はびた一文取ってはいけない。賠償金をたっぷりとってそれを中国の鉄道敷設資金にあてなさい。あとで鉄道を敷けば欧米列強が黙っていない。しかもこの賠償金で海外のものを買いまくれば、軽薄な日本国民はつけ上がり、輸入超過になり、日本の経済はめちゃくちゃになる。

つまり勝海舟は明治28年ごろにすでに太平洋戦争を予言していたのです。時代の流れはまさにこの通りになりました。日清戦争に勝利した日本人は、日露戦争へと突入し、そして大恐慌に突入し、それが長引くと戦争すれば打開できる、という日本人の思い上がりが満州事変を引き起こし、日華事変そして太平洋戦争の悲劇へと突入したのです。

勝海舟は預言者なのでしょうか?違うと思います。もちろん賢い人だったと思いますが、ただ野心のない常識人なだけでしょう。世の中は、いつも大部分の人は、野心をもって目先の利益に流れてしまうのです。だから世の中が正しい方向にはいかないのです。太平洋戦争だって軍部の横暴だけでは世の中動きません。ある程度は国民の支持があったからその動きをだれも止められなかったのでしょう。リーダーは大衆がどのように判断すればよいか、事前に把握していなければならないのだと思います。海舟が言うように陸奥宗光や伊藤博文が行動すれば、太平洋戦争は免れたはずです。そう思うと返す返すも残念です。

しかし間違った方向へ時代が流れれば、ジョージソロスが「回帰性」というところの揺り戻しもあるのです。この揺り戻しのありかたで国が滅んだり、栄えたりするのは歴史上の事実です。
2001年の9.11以降、金融市場の肥大化かおこり、今日の金融危機は、その揺り戻しが起きているとソロスは言います。つまり「揺り戻し」とは金融経済の反対のところの「実体経済」です。つまり企業は実ビジネスのイノベーションへと向かうはずです。またそこに向かうべきです。

いまこそ自分のイノベーション、組織のイノベーション、経営のイノベーションそして教育のイノベーションが必要な時期なのだと思います。

そして先の見えない今こそ、「常識」が足元を照らす道しるべなのだと思います。

About

2008年10月31日 09:13に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「資本主義の原点に帰りましょう!」です。

次の投稿は「生成AI時代の歩き方 終戦記念日」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

ブログパーツ

Powered by
Movable Type 3.34