最近、夜早く寝て、早朝仕事をする機会が増えてきました。今日(3月22日)は休日で栃木にゴルフへ行く日だったので、ウォーミングアップも兼ねて、近くの河川敷にマラソンに行きました。家は、朝4時半に出たので、行きは薄暗かったのですが、帰りは明るくなっており、私のマラソンのメインコースである、河川敷の土手には土筆がちらほら生えていました。いくつかつまんでポケットに入れて持ち帰りました。帰りに、家の前の神社ではすでに枝垂桜が咲き始めていました。椿とのコントラストがとてもすばらしいのです。今日、はじめて春の訪れを実感しました。
おいしい土筆は茎がしっかりしていて、はかまの一箇所をはがし、あとはくるりとはがすことができます。少し湯がいて、鰹節とみりん、しょうゆで味付けし、(私は隠し味としてそうめんのつゆをそこにいれます。)おひたしにしたり、卵とじにしたりします。
私は小さいころから土筆が大好きで、遠足や自転車で河川敷に行っては土筆を取って、自分で料理していました。
そういえば、土筆といえば、今から19年前の、印象に残るニュースを思い出しました。昭和天皇の崩御の一週間前、天皇は土筆を食べたい、とおっしゃり、まだ真冬だったので、周囲の人が一生懸命に探し、少し口にしていただいた、というニュースでした。
日清、日露の戦勝の栄華な時期の日本と、そして敗戦による焦土となった日本と、そして高度成長期による復活した日本と、「邯鄲の夢」の逆バージョンの栄枯盛衰を二度にわたり体験した天皇は、今わの際に、邯鄲の青年のように、本当は、今までの人生が全部夢であればよいのに、とお思いになったのではないかと、この「土筆を食したい」というニュースを聞いて思いました。
寒さが和らいだ頃、田んぼのあぜ道や河川敷で春の知らせをもたらす土筆は、昔から庶民の暮らしとともにあったのでしょう。
花をのみ待つらん人に山里の雪間の草の春をみせばや(藤原家隆).
土筆は室町時代から、蔬菜として食されていることが記録され、一説によると花粉症にも効くらしいそうです。
今日はお天気もよく、ゴルフの成績も超へたくそな自分としてはまあまあで、そういえば、花粉症も出ずに、なかなか気持ちの良い1日でした。