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経営論 アーカイブ

2008年03月31日

はじめまして

はじめまして。メディアファイブの北畠です。このコーナーはさまざまなビジネス戦略のご提案をさせていただきたいと存じます。皆様もどしどしご参加ください。議論しましょう。

私は学校を卒業して3年間はコナミというゲームソフト会社で平社員を経験し、次の11年間で日本総研というシンクタンクで経営コンサルタントを経験し、15年間メディアファイブという教育ソフトメーカーを創業し、経営してまいりました。(その間5年間はシンクタンクと当社を二足のわらじで働いていました)

その間、総務、営業、企画、開発、マーケティング、調査、コンサルティングを経験し、コンサルタントとしてかかわった業種は多岐にわたります。

最後のサラリーマン生活の11年間であるコンサルティング活動を通して言える事は、私には経営を指導する能力はありません。すぐに当事者になってのめりこんでしまいます。大変申し訳ないことですが、この期間経営の勉強を人様のおかげでさせていただいていたのです。そして経営者15年目の今日でも、まだ私は四苦八苦しながら会社の舵取りをしております。

今日私ができることは、皆様の視点に立ち、自分や自分の会社を実験台にして、また自分や私どもの会社の資源を利用して、なにかしら、皆様のビジネスのお役に立つことだと思います。私や私どものスタッフ、私の会社も学びながら皆様と一緒に成長させていただきます。

私どもメディアファイブの役割は、自らが実験台となり、試行錯誤してつくったシステムやサービスを、皆さんに利用していただき、どんどんご意見をいただき、試行錯誤し、皆様の社員一人ひとりの能力を高め合い、組織力を高めていただき、企業間の業務提携を促進し、みんなが豊かで幸せな社会を実現することだと思います。

どんなにライバル会社でも、お互いに共存できる場所はあるはずです。狭い市場で肩肘張り合うより、協力し合って市場を広げていくことが、本来のビジネスのあるべき本質だと思います。拡大するべきものは自社のシェアではなく、自分がターゲットとする市場の拡大にあるはずです。

そうは言っても、私たちも内部分裂や裏切り、乗っ取りの画策など、いやなことも経験してきました。だからこそもちろん外部からの攻撃には敏感です。守りに関しては慎重に、つねに万全の準備を目指します。

そういうい意味では、ご不快になられた方がいらっしゃったならば、ご容赦ください。しかし私たちは守りは万全を目指しますが、けっして攻撃はいたしません。常に新しい市場を創造し、その市場の拡大を目指します。とても日本らしい会社でしょう。

市場シェアの奪い合いなどやっているから、慢性不況になるのです。みんなで市場を広げていくことが大切だと思います。孫子の兵法だって、戦わずして勝つことが最上の策だといっているではないですか。企業の「勝ち」は利益を出すことです。それが企業の「価値」につながります。

ですから、皆さんも是非ご安心いただき、ビジネスパートナーになっていただきたく存じます。ご意見もどんどんいただきたく存じます。

今後ともよろしくお願いします。

2008年04月01日

マズローの5段階説 組織論から見て

私は、ビジネス活動の基本は、マズローの5段階説にあると思います。
1、生理的欲求 2、安全の欲求 3、集団帰属の欲求 4、自我の欲求 5、自己実現の欲求

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まず個人が働くこという観点から見れば

1、生理的欲求 もちろん健康を害することなく働けることは当然。
2、安全の欲求 解雇されない。正当に自分の仕事を評価してもらう。
3、親和(所属)の欲求 自分がこの組織で活躍できる、という実感がもてる。
4、自我の欲求 公平平等に組織貢献した報酬がもらえる。
5、自己実現の欲求 自分の能力が会社を通して社会に活かされている実感を感じる。

この5つの社員の欲求が、会社組織のなかで満たされることが、有効に機能する組織となることだと思います。

当社の人財開発型グループウエア「則天」は、まさにこの視点に基づいて開発されたものです。
毎日の個人の足跡が残るから、個人の仕事の正当性を主張することができます。

自分と組織の関係が明確だから、上司に指揮さるずとも、自らの組織の役割が見えて、明確にするべき行動が把握できます。

自分の仕事が会社にどう貢献でき、どのように利益をもたらすかが把握できるために、当事者意識が生まれ、いかに利益を出すことが困難かが理解でき、、不必要な不平や不満が生まれません。

自分の仕事が、いろいろなほかの人との仕事と合わさることで、いかに利益をだし、社会に貢献するかが見えるので、明確な仕事の自己実現ができ、自信とやりがいにつながります。

私のメインのブログの中の「旭山動物園の奇跡」ではありませんが、本来働く人に、日々、絶え間なく正しい情報を伝達し、指導し、評価する、ということを、限られた経営資源のなかで、リーダーの資質という属人的な経営資源だけで頼ることは難しいと思います。

このようなときこそ、システムというツールをいかにうまく活用するかが、資本の有効活用につながるのだと思います。

2008年12月07日

リエンジニアリング

リエンジニアリングという言葉はあまり最近聞かれません。どうせビジネス用語などはコンサルティング会社か、経営学の先生がめしのたねに造語してるだけなので、覚える必要はないと思います。
でも現場で使えるエッセンスは覚えておくべきでしょう。

リエンジニアリングとは「ビジネス・プロセスを根本的に考え直し、抜本的にそれをデザインし直すこと」です。しかし、どうデザインすべきかは、古来より決まっています。

「公平平等な評価をし、教育、学習と仕事を一体化させながらつねに自分の仕事や組織を改善し、進化させていくこと」なのです。孫子は、大軍を臨機応変に風林火山に動かすためには、公平な分配と道天地将法を日頃組織に訓練させろ、と言っています。それを三国志の曹操は「教令一致」(教えることと指示することを一体化させろ)と解説しています。

具体的にはどういうことでしょう。
企業組織が拡大していくと、中間管理職にスタッフの評価を託す、従来の人事評価システムでは、実際、公平平等な評価ができるリーダーは、そう多くはいません。

その結果、スタッフは、直接自分の昇進や収入の増加につながる人事権を握っている上司への企業内営業へ走る傾向が強くなります。

そして、企業としての正当な活動がされなくなるケースが増えてきます。
そこで、こうした利潤追求に結びつかない、無意味な社内営業をなくすために、
会社が創造するリアルタイムの付加価値を、公平平等に分配するシステムが必要になるのです。

社員に無意味な縄張り意識を取らせないためにも、社員に「部署」という意識よりも「利益追求」という企業目的のために行動させることが大切です。

一歩進んで、社員一人一人が小さな事業主としての意識を持たせなければなりません。

メーカーの営業マンを例にとると、従来は売上のノルマを設定され、その数値を達成することが仕事の目標でした。そしてその目標達成のために、リーダーは足で稼げ、とか御客様の懐に飛び込めとか、現実味のない根性論を展開する上司が多かったのです。

本来、そういう上司は失格です。つねに社員が売れるための「しくみづくり」と「モチベーション」をナビゲートしてやることこそリーダーの役割です。

まず社員にチベーションをつけることが重要かもしれません。それは先ほど述べた「小さな事業主」に追い込むことです。責任と自由を同時に持たせて、目標を設定するのです。利益追求に貪欲にさせなければなりません。

次にどうしたら利益を上げられるか、を顧客の立場にたって考えることです。そうすると、まず顧客がなにを欲しがっているのか、そしてどうしたら顧客のそのニーズにこたえられるかを考えることです。必死にならなければ、利益なぞ獲得できません。小さな事業主だからこそ必死になれるのです。

これからは単純にモノを売る商売から、サービスやコンサルティング、情報などのソフトが利益や売り上げに大きく貢献することになります。

そのために営業マンに課せられる能力は
1. 市場分析能力 マーケティングの知識を活用して市場の現状、流れ、自社商品の位置づけなどを読みとりながら、自らが肌で感じる市場に深く切り込んでいけること。 2. 販売店指導能力 販売店経営者の立場に立って、いかに利益を上げるか、特に自社商品をどう扱えばよいか、在庫管理も含めて的確なアドバイスができること。
3. 企画力+開発に必要な基礎的技術能力 どのような商品が市場で受け入れられるのか、商品知識、商品を構成している基礎的な技術知識を備えることにより、的確に開発にフィードバックできること。
こうした能力は、今までごく限られた「伝説的な」営業マンにのみ可能なものとされてきました。しかし、いま、ITの活用により、多くのヒトがこの能力を身につけることが可能となるのです。 単純作業からゼネラルへ 自分の役割を明確化することは大切である。しかしよりよく仕事をするには、仕事の流れの全体像を把握しなければなりません。組織を仕事の全体の流れを把握するしくみをつくることが必要です。

権限委譲
現場が、組織全体のしくみを把握していれば、現場で改善できることも多いはずです。むしろ現場で問題が生じたら、現場ですぐに改善できる仕組みにする必要があります。その場合、すぐに電子決済できるITを活用した稟議機能が必要でしょう。

評価の基準 評価の基準は、いかに個人が会社に付加価値を生んでいるか、ということです。しかしこの付加価値を単に入ってくる利益だけでとらえると、社員がスタンドプレーに走り、直接利益を生まない部署ではモチベーションが下がったりします。

そこで、評価の基準を、従来の人事評価をすべてにするのではなく、社員のグループウエアなどでの活動を自動的に記録するしくみをつくり、プロフィットを中心とする「採算」そしていくら仕事で改善提案したか「学習」スキルや技術の基準「スキル」どのくらい情報提供したか「情報」 それに従来の「人事」そして「目標達成度」を加えた6項目で点数を出し、リアルタイムに出た利益を社員の点数の割合に応じて配分するのです。

そうすることにより、目に見えない社内貢献も含めて社員は今、自分がどのくらい利益貢献しているかが把握できます。

教育
教育は三国志の時代から、曹操が教令一致を説いているように、経営に重要なポイントです。もちろん従来型の集合研修も必要です。しかしいつも身近ですぐに学べ、さらに新たに学んだものをすぐに入力して利用できるシステムにすることが、社員教育の効果を引き出します。

価値連鎖

 生物は摂取する食物が変化すれば、それに応じてその生態も変化します。企業も同様に市場が変化すれば、それに合わせて商品形態、販売戦略、組織形態も変化させなければ生き残れません。高度成長期以降、いかに企業がその“生態系”を変化させてきたのでしょうか。その方法をバリューチェーン(価値連鎖)と言います。

 1975年代、皆と同じ生活水準、同じ物を持つことが幸せの指標でした。商品形態は100円ライターに代表される、大量生産、大量消費の時代であり、安く機能的な商品が市場で歓迎されました。壊れれば、安くて新しい物を買い換えればよしとする「使い捨ての時代」でした。

 そして流通経路は、メーカーから長年馴染みの問屋に商品を卸し、二次問屋、三次問屋を経て、小売店に流れます。常に単一のチャネルに安定的に商品が流れる商品流通形態が主流であったのです。メーカー、問屋、流通、小売店が、それぞれ住み分けテリトリーで安定して経営できるのを美徳としたのです。

 このような市場システムの中では、与えられた仕事を確実にこなすことが社員の使命であり、経験が重視され、年功序列、終身雇用が適切な組織形態だったのです。

 1980年代に入ると、若者を中心に自己主張が始まりました。服飾においてデザイナーズ・ブランドが台頭したことがその象徴的な事例です。趣向が多様化し、市場が細分化され始めると、市場に投下した商品は在庫が増加し、投資回収率が悪くなり始めました。

 企業は製造過程を変えると大きなコストがかかるため、商品の形は変えず、デザインを変化させることで、細分化され市場ニーズを満たそうとしました。デザイナーズ・ブランドの自動車や食器、家具が多く登場し始めたのもこの頃です。企業では細分化された市場をより明確に認識する必要が生まれ、多くの企業にマーケティング部門が設立されました。また、テレビや雑誌の成熟化に伴い、ユーザーの趣向を自社に有利に誘導しようとするイメージ戦略も企業の利潤追求に大きな役割を持つようになり、企業宣伝、広告への投資が飛躍的に伸びました。

 細分化された市場には、画一的なヒエラルキーの組織では対応できず、事業部制という各部署への権利委譲が始まったのです。

 1990年代に入ると、バブルの崩壊が起こり、多くの商品が売り上げを下げる中で、ファミコンやパソコンソフトなどのパッケージソフト主体の商品が伸びていったのです。販売戦略も単に市場の構造を把握するだけでなく、直接ユーザーとのコミュニケーションを図るようになりました。顧客の組織化、カードビジネスのブームはその具現化した戦略を企業に取り込んでいったのです。

 2000年代に入り、急速に多くの家庭がパソコンを持ちネットワークでつながるようになりました。家にいながら、メールを使い、インターネットショッピングや旅行・観劇の予約などを取るようになりました。

 昔は、このような消費スタイルになると、流通機能は不要となり、直接メーカーとユーザーのコミュニケーションにより、商品が配信されることが予想されました。しかし実際は、流通・小売り業は、量販店やスーパー、ディスカウント店に代表されるように淘汰され、一極集中し、利益をあげるポジションになりました。またインターネットも楽天やアマゾン、価格コムに代表されるインターネットで情報収集してショッピングするためのショッピングモールが全盛を極めています。
 
 パソコンの利用形態はデータ→情報→知識→知恵と流れます。具体的に言うとワープロソフトや表計算で「データ」を加工していた時代、インターネットなど「情報」を集める時代、情報を共有し、学習に利用する「知識」、ノウハウをパソコンで実践する「知恵」の時代へと移行します。しかし日本は、この「情報」の時代からなかなか「知識・知恵」の時代へとは進めません。それはなぜか。日本は、金融ビックバン以降、株価はあがり、また米国金融バブルにより、株式市場で利益をあげるか、もしくは外国金融資本の乗っ取りから、自社をいかに防ぐかで、商品市場にあった組織体系よりも、株式市場にあった組織へと変貌することになったのです。また国内消費市場は、冒頭でも述べたように、減少の一途をたどったのです。その結果、日本企業のITへの戦略的投資は抑えられ、そこで働く日本の消費者のITの利用形態は「情報」での利用にとどまっているのです。

 ただ電子辞書、ウィキペディア、マイクロソフトの「エンカルタ」という形で知識をデジタルで活用する時代は来ました。しかしパソコンの利用形態では、まだ「知識」の時代に来たとは言い切れません。「知識」の時代が完全に来る前に、「知恵」の時代に突入することが予測されます。

 なぜなら100年に一度の大不況であり、この不況を乗り切るために、人々はあらゆる手段を試みるでしょう。組織は、死に物狂いで知恵を結集して利益を求めることに行き着くことが想像されるからです。そして「知恵」の時代に突入すれば、「知識」的な利用も飛躍的に増大するでしょう。いろいろな媒体で「組織IQ」とか「暗黙知」が最近目立って語られるのもその流れです。ただ企業のなかで、皆の知恵を有効に結集させるためには、評価と配分を工夫しなければなりません。自分の知恵がどのように利益担保され、リターンされるのか、明確にならなければだれも知恵を出さないからです。現状の企業の状況はそういう状況です。

 「知識」の時代がなかなか来なかった理由に、日本の教育現場の問題もあります。教育現場でパソコンがなかなか利用されなかったのです。その理由は2つあります。ひとつは運用面で、個別習熟度別学習とそれに伴う遅滞者対策が教育現場で進まないからです。もうひとつはインフラ面で、一人一台環境のノートパソコンと、無線LANがなかなか普及しないからです。インフラ面はパソコンの価格がかなり下落したことで、今後の学校での普及に期待できます。運用面は、今、話題になっている文部科学省が主導する全国統一模試の結果を、学校ごとに公表するか否かにかかっています。なぜなら結果が明示されれば、現場の先生方は真剣に個別習熟度別学習に取り組むからです。教育現場でパソコンが当たり前のように活用されれば、各家庭でもパソコンを活用した学習が習慣化されるでしょう。

 そして、その時代が幕を開けると、人々はパソコンやITを手足のように酷使し始め、いかにビジネスに生かすか、いかに利益を獲得するか、考えめぐらせることでしょう。そうなると、もっとも有効なのは、他人の知恵をフルに活用することに行きあたります。もともと付加価値をあげるためには、よりよいパートナーを数多く見つけることです。そしていかにうまく知恵を出し合って付加価値のある商品やサービスに仕上げるか、が重要になっていきます。そして人々がそれを追いかけていくと組織のメリットがあるときだけ、企業を利用するという企業と個人の境界線がなくなるような労働形態が出現することが予想されます。

 おそらく今の派遣法の改正や労働問題はこういう形で解決されていくことでしょう。ある意味現代の労働問題は、こういった企業組織の変革期に必然的に起きる問題なのかもしれません。企業と個人が高度に発達したシステムで結び、労働キャリアをそのまま他企業に生かせれば、派遣社員やニートやフリーターの問題は解決します。

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