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デュークスベリの戦い

フランスに亡命していたヘンリー6世の王妃マーガレットは、皇子エドワードと南英ウェーマスに上陸。バーネットでの味方の敗北を知るが、再挙を決意しウェールズ入りを目指す。

エドワード4世はこれを阻止しようと、王妃軍を追い、デュークスベリ南方に広がる原野での決戦となる。

マーガレット王妃を中心とするランカスター軍はデュークスベリの町を背に右翼をソマセット公、左翼にデヴォンシャ伯、中央に17歳の王子エドワードという布陣。しかし中央で実際に指揮をとっていたのは、寝返りの常習犯ウェンロック卿である。

一方エドワード4世率いるヨーク軍は右翼へースティング、左翼グロスター、そして中央にはエドワード4世が弟クラレンスを従えて全軍を指揮する。
また200の槍部隊を予備軍として左翼後方に配する。

戦いは砲撃戦で始まる。

ランカスター軍右翼のソマセット公が、側面からの奇襲を図り、右手の小山の外側を回って密かに軍を進める。
王エドワードは、この小山の西の高台に敵が伏兵を置く危険を考え、ここを占領させるために一隊を送る。この一隊はソマセット軍と遭遇するが、身を隠してこれをやり過ごし、引き返して奇襲を受けながらも陣容を立て直した見方とともにソマセット軍を挟み撃ちにする。

ソマセット軍に呼応して正面から攻撃をかけることになっていたウェンロックが動かず、ソマセット軍は大敗を喫する。

辛うじて陣地に戻ったソマセット公はウェンロックの裏切りに憤激してこれを殺害。

リーダーを失ったランカスター中央軍は敗走。これに連鎖して全軍は総崩れとなり、勝敗は決した。

これもランカスター側はフランス人の傭兵に依存するという寄せ集めの組織力の弱さが、現場での混乱を招いた。

傭兵であり、寝返りの常習犯であるウェンロックを中央軍の司令官にしていたことも問題である。

謀攻編 勝ちを知るに5つあり。
 戦うべきかを見極められるものは勝つ
 軍の多寡に応じて用法を用いられるものは勝つ
 司令官と兵が一心同体のときは勝つ
 思慮分別のあるものがないものと戦えば勝つ。
 司令官が有能で君主がよけいな口出しを、しないことをわきまえていれば勝つ。
敵を知り己をしれば百戦危うからず。

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2008年12月06日 19:21に投稿されたエントリーのページです。

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