第2集 第3集 ともに最初に衝撃なことばが述べられました。
トップ63人が、下位32億人の資産と同じ、ということです。
そして、一国のGDPを超える企業がランキング10位くらいから出てくることです。そして20位以下はほとんどが企業で占められることです。
そして、数多くのグローバル企業が、小国を裁判で訴えている、ということです。
さらに驚くことに、フリードマンの孫が、グローバル企業のための、国家を作ろうとしていることです。
もっとも小さい国を買収なり、交渉して、そこにグローバル企業は本社を置き、税金を大幅に軽減させよう、ということです。
最近、金融ビジネスで有名になったケイマン諸島はその一例でしょう。
もはやグローバル企業自体が、ものすごい力をもった新興国として変貌していくのです。
その一方で、あるスペインの村が紹介されました。
その村では、人間の根幹となるビジネス、衣食住にかかわることは、村営にして、利益をあげてはいけないしくみにしています。
村の経済は発展し、若い人の流入は増加し、とてもハッピーだ、ということでした。
村長の采配が優れているのでしょう。
しかし、これは、マルクスの主張する、まさに共産主義国家そのものです。
資本主義は競争から共存へと変化していくのです、と結論づけます。
村の規模が小さいのと、村長の手腕が稀有であることが、うまく共存社会をつくったのであり、時間と規模が拡大すれば、社会主義国家の失敗を繰り返えさない保証はありません。
いずれにしろ、第1集と同じく、現状の問題点の指摘は、とても驚愕するショッキングな内容なのですが、資本主義の次はなにかの結論には、説得力がないドキュメンタリーでした。
ただ、格差社会に不満をもつ人々は、中国が、毛沢東回帰しているように、またゲバラブームの再燃にも象徴されるように、共産主義を目指しそうです。
1世紀前に比べ、格段と生産性があがっているので、スペインの村のように、よりマルクスの理想的な共産主義社会は実現しやすいでしょう。しかし一党独裁はやはり大きな危険をはらむと思います。
われわれは、社会主義革命が起きた時、スターリン時代に2000万人、文化大革命時に3000万人、カンボジアでも300万人の殺人が起きたことを忘れてはなりません。
歴史は繰り返します。
国の変遷を一言でいうと、日本は、明治維新で開国し、日清、日露戦争で勝利し、関東大震災と世界恐慌を経験し、満州事変を起こし、中国と戦争し、そして、米英と開戦し、広島長崎に原爆をおとされ、大都市は空襲で焼け野原となり、1945年無条件降伏をしました。
戦後、朝鮮戦争特需で、経済は復興し、商社が活躍し、家電・自動車メーカーが急成長し、不動産価格が急騰しバブルとなり、昭和から平成へと変わり、バブルがはじけ、証券市場でマザーズが作られ、ITバブルが起こり、そしてはじけ、長期不況となり、民主党政権が誕生し、しかし自民党政権に戻り、アベノミクスで経済を立て直そうと、いう状況です。
日本という国家と庶民である我われがどのようにかかわるのか、今、だれもが考え直すべき時だと思います。