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ジョージ・ルーカスと教育

サンフランシスコに来て今日で4日目です。昨日、ジョージ・ルーカスが講演しました。講演内容は意外にも「教育」でした。彼はジョージ・ルーカス教育ファンドというものを作っていて、いろいろな活動をしています。その観点は次の5つです。

1.子供たちに、プロジェクトを立て、それにそって実行する能力をつけさせる。
2.組織やチームでコラボレーションする能力を身につけさせる。
3.学校で学ぶ理由、社会のなかでどのようにその学問が役立つかを認識させる。
4.学校現場の先生にどうしたら教育のイノベーションをしていただけるか。
5.家族や友達との関係を学ぶ。

この5つの観点から、ITを使って教育のイノベーションを行う、ということです。今までの歴史上の人たちを全員よみがえらせても、現代の人数の5%にしかならない。(20世紀に入り、天文学的に人口が急増した、ということ)そんな環境の激変するなかで200年前と同じような教育をおこなっていたらだめだ、といいます。

1については、社会において物ごとを実行するには計画を立て、それにそって実行することです。それを子供のうちから学ぶことは、社会でもっとも基本的なことだそうです。
2は、社会に出れば、組織やチームで協力しあうことによって、仕事を成功させることができます。ところがペーパーテストで他人に勝つことしかしない現在の学校教育は問題が大きいことを指摘します。
3の「学校で学ぶ理由」では、宇宙ロケットの仕事をしたいなのなら微分が必要になるし、ファンドマネージャーなら、映画をつくるなら何が必要か、というように、
社会の仕事や現象からその学問を教えることにより、その学問を学ぶ意義を伝えることができる、といいます。
4の、どうしたら教師にITを使ったイノベーションの理解を得るか。ルーカスは自分の学生時代の経験や視点を思い出し、教師に語って聞かせるそうです。
5は、1と同様、家庭での教育も大変重要であり、親、兄弟との関係、それから友達との関係も学ぶ必要があるということです。

最後に、ルーカスは、人が生活し、子供を育て、普通に生きる以上のお金は、人を幸せにしない、といいます。pleasure(快楽)とjoy(喜び)の違いを認識してほしい。pleasureは利己的で、一時的な喜びであるのに対し、joyは永久に残るものだ、と。

とてもすばらしい講演でした。私もまったく同感です。ルーカスの掲げた5つのコンセプトは、おこがましい言い方で恐縮ですが、メディアファイブの開発方針とぴったり一致しています。

まず私は本当に記憶力が悪く、いかに記憶を苦痛なく、確実にできるか、という観点でエデュカートリッジシステムを開発しました。そして自分なりに学習内容を整理するために編集機能をつけ、携帯電話やI-podとの連携に努めました。そしてプロジェクト管理やチームをコラボレーションするグループウエアも作りました。当社のe-Learningは任天堂のwiiでも利用できます。そして今年、家族で使えるグループウエアも開発します。さらに社会の必要性、という観点からコンテンツ開発をおこなっております。家族の絆を深めるファミリーナレッジも開発中です。

なによりもお金に関する考え方には同感です。お金を余分に持つ人は、そのお金を社会に再配分する責任を負っているのです。企業経営者は投資を的確に行い、社員に的確に配分し、さらに成功をおさめ余剰のお金ができたら、社会に対し再配分する義務を負っていると思います。

米国社会は9割の富を1割の人が独占している、といいます。
その1割の人が、ベンチャーに資金を提供して、新しいビジネスが始まります。
そして圧倒的な軍事的優位と、ほぼ世界共通語となる英語をもって世界中に市場を広げることができ、成功するベンチャー企業はあっという間に大企業に変身するのです。
成功して余剰資金ができれば、教育を中心に社会奉仕をおこないます。米国では特に教育に対する奉仕は徹底しています。

今日、米国は、個人も企業も社会のイノベーションが加速度的に進んでいるようです。Saas(Software as a Service)のビジネスは、それを進めさせる重要なツールなのです。日本において、システムを改良するのは大変お金のかかるものです。しかしインターネット上でおこなうサービスならば、常に低価格で改良が行われ,しかもそのアイデアをほかの企業でも活用できる、ということです。それにより、企業におけるシステムの改良スピードが加速します。もちろん米国といえどもシリコンバレーのあるサンフランシスコが特別、というのはあるでしょう。10年前、コムデックスUSAという当時米国最大のPCの展示会に行きましたが、そのときは日本と米国との格差をそれほど感じませんでした。しかし、今回、そのイノベーションに対する意識において、日本企業と米国企業は圧倒的な差を感じました。そのことについては、また書きます。

とにかく昨日は、また崇敬できる賢人を一人みつけたことに大きな喜びを感じた1日でした。

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2007年09月19日 22:02に投稿されたエントリーのページです。

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