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2 記憶力はどんどん良くなる

脳の構造や神経細胞の並び方に個人差はありません。

かつては、「神経細胞には増殖能力がない」といわれてきました。

生まれたときにいちばん脳の神経細胞の数が多く、使わないでいるとどんどん失われていくと考えられてきました。

つまり脳の中で神経細胞のリストラが行われていると考えられていたのです。

しかし、最近の研究によって、それは間違いであることがわかってきました。

「海馬」など限られた脳の部位では神経細胞が増殖することがわかってきたのです。

「海馬」は記憶を頼りに、あれこれ考えるときに使われます。

頭をたくさん使って鍛えれば、この「海馬」の神経細胞は増殖するのです。

1997年のネイチャー誌に、米国の生物学者ゲイジによってこれを裏づける実験結果が発表されました。
【MRI実験】
ゲイジは2つの飼育箱を用意し、ネズミを飼育しました。一方の飼育箱には、遊び
道具をたくさん入れ刺激のある環境を作り、もう一方の飼育箱には、何も遊び道具を
入れずにネズミを育てました。こうして育てた2匹のネズミの脳を比べてみたら、遊
び道具のある飼育箱で育てたネズミのほうが、海馬の神経細胞の数が15%も多く、さ
らに詳しく調べると、神経細胞の増殖能力が2倍以上にまで上昇していることがわか
りました。神経細胞は、鍛えられると活性化するという証拠です。(『記憶力を強くす
る』池谷裕二著より)

*脳の神経細胞
神経細胞(ニューロン)は、脳の機能を直接になっている細胞で、木の枝のよう
にたくさんの突起(樹状突起=情報を受け取る突起)のある細胞体があり、そこ
から長い線維(軸索=情報を送り出す)が伸びています。大脳ではこの神経細胞
が約140億個あるといわれています。そして、それらがつながっていてネット
ワークが形成されています。神経細胞は電気を発生して情報を伝えます。

*海馬
脳の中で記憶を扱っている部位。脳の奥の大切なところにあり、直径は1センチ、
長さ4〜5センチほどの大きさ(小指ぐらい)、脳に入ってきた情報は、一度この海馬に送り込まれる。
●脳の構造に個人差はない
●海馬の神経細胞は、使えば使うほど増殖する

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2016年10月24日 21:21に投稿されたエントリーのページです。

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