「学力の社会学」(2004年 岩波書店 苅谷剛彦 志水宏吉編)
このグラフを見ると、ベテランの先生のほうが、あきらかに生徒の学力を上げていることがわかります。教師としての技術は経験の積み重ねが大切だ、ということでしょう。
ただ11年から20年までの先生よりは、10年未満の先生のほうが、生徒の学力を上げているのは、若さゆえのバイタリティや熱心さ、当時の自分を思い出しながら生徒に接するので実績が出るのかもしれません。
一方で黒板を利用した授業で成果を出している学校が成績がいいこと、また個別志向教師の成績がいい、というデータ結果を併せて考えれば、ベテランで優秀な先生は、基本的には、授業は黒板を利用した講義形式をとる。しかしそのなかで、まずなんらかの形で生徒の学習意欲のモチベーションを上げる。さらに効率よく業務をこなし、生徒への的確な個別指導ができている先生の指導の下で、生徒の学力は向上するのでしょう。
①個別指導 ②生徒のモチベーションの向上と維持 ③メンタル面でのケアの3つが大切でしょう。このうち①と②はITにまかせることができるかもしれませんが、③は先生との1対1の会話のなかでケアすることが最も有効なのではないでしょうか。