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20年にわたる教育現場の問題点とITによる対策 1

「学力の社会学」(2004年 岩波書店 苅谷剛彦 志水宏吉編)からの考察

20年にわたり、学力の低下、格差は3割に及びます。その間、OECDの世界の学力順位は、日本は1位から18位に落ちました。この原因は日本が世界2位の経済大国になり、少子化になり、次の目標がなくなったことが最大の要因でしょう。

さらにバブル崩壊以降国内産業は低迷し、最近復活してきたといっても、大企業の海外進出だけが、アジア圏の経済勃興にビジネスの恩恵を受けられ、地方や国内の中小企業は依然と厳しい経営が続いています。その中で個人の格差も開き、貧困家庭が急増し、子供たちはその影響を大きく受けているのが現状です。

そういう社会情勢のなかで、いかに子どもたちをやる気にさせ、学力を伸ばすことができるか、というテーマを、アンケートを通してこの本は示してくれています。その中身は下記のとおりです。


ポイント
1、個別志向教育・学習は、確実に生徒の成績を伸ばし、遅滞者を減らし、速進者を増加させる。
2、すべては黒板による授業が重要。オーソドックスな授業で生徒の学習姿勢をつくるべき。
3、将来のモチベーションだけでなく、現在の学習を面白くすることが大切。
4、教師は事務時間を減らし、個別指導の時間を増やすべきである。

それに対し、当社の学校向けシステム商品は
1、個別習熟度別学習教材の充実(ミラクルスクール、MSU、ドリルなど)
2、オーソドックスな授業で行う教材の充実(マルチメディア教材、対戦モードなど)
3、現在の学習を面白くする工夫がされている(ミラクルスクール、プレミアシリーズなど)
4、先生の仕事をサポートする、e-Learningと合体した教師用グループウエア(則天)

現状の教育現場の問題点
1、従来のカリキュラムに加え、ITを授業や指導に導入する先生の時間的余裕がない。生徒の問題や保護者への対応はこの20年でかなり増加している。
2、パソコン教室のパソコンは管理する先生以外使いにくい。もっと気軽にだれでもクラスで利用でjきるパソコンを増やしてほしい。
3、日本は教育への予算が極めて低い。GDPの3.5%であり、先進国の平均は5%。さらに予算はひも付きではないので、地震や犯罪が起きると、予算は建物や防災設備、防犯対策に流れる。(イギリスでは教育の情報化に毎年600億円位付くそうです。)
4、IT教材は地元業者にお金が流れず、市議会では予算が付きにくい。
5、各学校での校長先生の教育ソフト購入の決裁権がなく、現場の先生の個別のニーズには今の制度では、対応しづらい。(欧米では校長先生に決裁権があるそうです。)
6、先生方が、現場ではITの活用の必要性を強くは感じていない。(この20年の学力低下、学力格差は社会的問題であり、教育現場の問題ではない。)

この現状の教育現場の問題点は、国をあげてドラスティックに解決していくしか、方法はありません。たとえば私立ではすでにありますが、教育の情報化を専門とする先生をおくことなど、重要な課題だと思います。

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2008年06月19日 05:10に投稿されたエントリーのページです。

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