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合格するコツ②―徹底的に時間を使う

■自分の勉強のペースを作る■

 「試験直前にならないとやる気が起きない」という人がいます。仕事でも同じです。間際になってやる気が出るのは、危機的な状況で脳が興奮するからです。しかし、入試とか資格試験とか、はっきりした目的のある場合は、試験までの持ち時間をきちんと把握することも合格を勝ち取るために重要なことです。手帳その他のツール使い易いツールを使って、そこにいたるまでの時間のマネージメントを的確に行ってください。
 特に社会人はスケジューリングが非常に難しいと思います。仕事がらみで予測できないことが途中でどんどん割り込んできて、当初の計画通りにはなかなかいかないでしょう。スケジュールは改訂を繰り返しながら、練り直してください。そして自分の時間を能動的に使いましょう。そして自分の勉強のペースを作ってください。
 まず「一日一日」を大切にしてください。就寝や起床時間を決めたり、食事時間を決めたりして生活のペースを作ってください。そしてそれを守ってください。それから今日やることを書き出し、優先順位をつけ、1番から順に実行してください。

・時間を管理せよ。どのぐらいの時間勉強できるのか、しっかりと把握する。
・就寝時間を決め、しっかり守る。
・睡眠時間は6時間で大丈夫
・起床時間を決めて、しっかり守れ。
・今日やることを書き出し、優先順位をつけ、一番から順に実行。

■常に2つ以上のことを同時に行う■

 アイデアを考える職業の人が、いくら考えてもいいアイデアが出ないときによくやるのが「2つ以上のことを同時に行うという方法」です。泥沼にはまってしまって、頭打ちだなあと思ったときに、深追いせずに、他の仕事に移るのです。そんなときにぱっとアイデアが生まれてくることが多いのです。一つのことに集中している時間の長い短いはあまり関係がないのです。
 最近では週休2日制の会社も増え、夏や冬の大型連休やゴールデンウイークも定着してきました。日本のサラリーマンの余暇は増えつつあります。でも、この余暇を独学に活用するという人は意外と少ないのです。日ごろ、勉強に励んでいる人でも休みは休みとして勉強も休んでしまう人が多いようです。ここでも「2つ以上のことを同時に行う」ことはできないでしょうか。遊びの場所に勉強を持ちこむと休んだ気がしないと人もいるかもしれませんが。ここでも「2つ以上のことを同時にする」ことで能率を上げてみませんか。楽しいムードを邪魔しない方法で勉強すればいいのです。

・遊びながらでも勉強はできる。
・時は金なり。時間を無駄にしない。


■だらだら勉強しない■
 独学をするとき、「1時間=1単位」と決め、その1時間で何を学習したのかを頭の中で復習すると効果的です。1単位として勉強したことを一通り記憶から呼び戻し、忘れているところは教科書や問題集などの教材に立ち戻って確認して、もう一度頭の中で繰り返して終えるのです。5分程度でかまいません。この5分が記憶を保持するのにとっても効果的な作業なのです。
 さらにできれば、就寝前にその日にやったことを、リラックスして短時間(20~30分)で見返してください。数時間前に頭に入れたことの記憶を喚起するということです。
 こうやって、「記憶保持」と「記憶喚起」を繰り返した効果は、折り紙つきです。司法試験などの難関資格試験にトライし、合格する人はこの作業がとてもうまいからなのです。            いくら脳は疲れないといっても、人間にとって休息は必要です。休むなら休む、勉強するなら勉強するときちんと意識して時間を使うことが重要なのです。
 

・1時間=1単位と決めて勉強を進める
・1単位終了ごとに、その1時間で何を学習したのかを頭の中で反芻する。これは「記憶の保持作業」さらに就寝前に、その日にやった内容を、リラックスしながら短時間(20~30分)で見直す。これは記憶を喚起する作業。これを繰り返せば必ず記憶は定着する。
・適度な休憩をとらないと、記憶力は少しずつ低下する。

■スキマ時間を活用する■

 一日は24時間しかありません。その24時間をうまく使える人は、何をしても成功する人です。時間には削れる時間と削れない時間があります。自分の24時間をしっかり見なおしてください。半端なちょっとした時間が必ずあるはずです。行動の隙間にある時間=スキマ時間です。
 スキマ時間は馬鹿にできません。ちょっとした時間でもかき集めれば膨大な時間になります。5分、10分を活かす方法を考えてみてください。また記憶が繰り返しによって定着することを考えれば、スキマ時間をうまく使うことが試験の合否を決めることになるのです。
 人生を豊かにするためには細く長く勉強することが大切ではないでしょうか。このご時世、一流の大学を出たとか大企業に入ったということだけでは安心していられないのですから…。三日坊主にならず、少しずつでも勉強していく習慣をつけてください。30分や1時間なら無理なく勉強できます。毎日見ていたテレビを1番組やめればいいのです。1日5時間を10日だけ猛勉強するより、30分を年単位で勉強し習慣化するほうが何十倍も効果的なのです。こういう習慣をつけると、資格をいくつも取得したりすることが可能になります。スキマ時間を投資してください。それは確実なリターンをあなたにもたらします。

・スキマ時間はばかにならない。
・1日5時間を2週間するより、1日30分を5年間するほうが効果的。
・ちょっとした時間でもかき集めれば膨大になる。
・時間は作り出すもの
・習慣化する。
・これを続ければ他のビジネスパーソンをぶっちぎれる。

■携帯やiPodをうまく使う■

 スキマ時間を活かすためには、いつでもちょっとした勉強ができる状態にしておくことが大切です。そんなとき、使えるのがいつも持ち歩いている携帯電話やiPodです。これさえあれば、どこでも勉強できるのです。
 学生や社会人なら一日の内で一番確実なスキマ時間を取れるのは通勤通学の時間です。朝電車が混んでいると、本を広げるのは迷惑がかかりますが、乗る前にイヤホンをつけて乗車し、携帯電話やiPodから音声を聞くことは可能です。駅まで歩く時間やホームで電車を待つ時間等、5分、10分のスキマ時間だらけです。ぜひこの時間を活かしてください。
 音声は10回聞いても苦になりません。繰り返し復習するのに適しています。また、暗記するときには、五感をうまく使って情報を取り込むことが効果的です。耳からの学習は、目からの学習と違った刺激を脳の与え、海馬に働きかけます。音声を使えば、通常は非生産的な時間が利益をもたらすのです。復習する時間はなかなか取りにくいものです。音声を使えば、スキマ時間を使って記憶の定着をしてください。

・耳からの情報は、何度も聞いているうちに自然と頭に入る。
・通勤通学時間の有効活用
・リスニングはどこでも可能
・聞いて学ぶを最大限に生かすには、部屋の中でじっとしているだけでは不十分。移動しながらも学ぶ。
・音声なら十回聞いても苦にならない。

■寝る前20分間をフルに活用■

 寝る前の読書が非常に効果的であることが、心理学で証明されています。
アメリカの心理学者ジェンキンスは、平均能力差がないように、AとBの二つのグループに対して、同じ講義をして、翌朝講義内容についてテストをしました。Aグループには講義が済んだらすぐ寝るように指示を出し、Bグループには好きなように行動させました。テストの結果には、Aグループの平均記憶力は56%、Bグループの平均記憶力は9%というような大きな差がついたのです。ジェンキンスはさらにこのような実験を繰り返し、「就寝直前に入った情報は、記憶効果が高い」という結論を得ました。これは「ジェンキンスの法則」と呼ばれているそうです。
なぜそのような結果となったのでしょうか。それには睡眠中に見る「夢」が影響しているようです。睡眠にはリズムがあります。浅い眠りと深い眠りが交互に起こっているのです。浅い眠りは浅い眠りは「レム睡眠」と呼ばれ、深い眠りは「ノンレム睡眠」と呼ばれています。夢はレム睡眠のときに見ています。だからレム睡眠のとき、脳波は目覚めている時のように活発です。ノンレム睡眠のとき、脳波は静かです。つまり脳が休んでいるのです。その代り、ノンレム睡眠のときは寝返りを打ったりして体をよく動かしているそうです。レム睡眠のときは体が休み、ノンレム睡眠のときは脳が休んでいるのです。
夢はレム睡眠のときに見ています。覚えていなくても、人間は一晩の間にものすごい量の夢を見ています。脳に全くないものは夢となって出てくるわけがありませんから、夢は記憶の再生なのです。印象深く変わった夢は覚えていますが、ただの記憶の再生の夢は覚えていないだけなのです。(『記憶力を強くする』池谷裕二著より)
 その他、様々な研究により、夢が昼間の経験を思い起こす行為であるといわれています。そして現在の脳科学によれば、記憶は夢を見ることによって保存されるので、寝ることはしっかりと記憶するために必要なのです。徹夜で知識を詰め込んでも、側頭葉に記憶されることなく数日で消えます。寝ることと勉強することをうまく絡めてください。寝る前の20分をうまく利用して、夢を活用してください。

・就寝直前に頭に入った情報は、記憶効果が高まる。
・その日にやった内容をリラックスして短時間(せいぜい20~30分)で見返す。
・現在の脳科学の見解によれば、夢は脳の情報を整え、記憶を強化するために必要な過程である。記憶は夢を見ることによって保存される。

■朝の時間をうまく使う■

 一日のうちで、最も勉強を妨げられないのは朝の時間帯です。まとまった時間を習慣的に作ることができます。夜は、テレビ・飲み会・電話など様々な誘惑がありますし、体も頭も疲れています。思い切って早く寝て、朝2時間ぐらい早く起きて勉強にあてることができれば、効率が格段に上がります。
 受験生の間で、「ひばりはふくろうに勝つ」と言われることがあるそうです。朝早く活動するひばりのほうが、夜型のふくろうよりも合格率が高いということです。「早起きは三文の得」という昔から言われていることわざもあります。勉強に集中できるという利点から、朝の1時間は夜の3時間に匹敵するという人がたくさんいます。
 そして朝は脳が元気です。睡眠によって休息し記憶を夢によって整理し、新しい刺激を取り入れやすい状態です。6時間以上の睡眠時間は必ず確保し、起床時間をしっかりと決めて寝る前にインプットしてください。初めは30分の早起きから始めてはいかがでしょうか。この効果を実感し習慣化すれば必ず早起きできるようになります。文豪で科学者だったゲーテも「朝の時間は金貨をくわえている」と言っています。朝の時間をうまく使いましょう。

・朝のほうが確実に時間を作りやすい。
・脳も元気。
・朝の1時間は夜の3時間に匹敵する。
・朝型の学習のほうが合格率が高い。

■昼休みを使う■

 スキマ時間として、通勤時間と同じように毎日確保できるのが、昼休みの時間です。この時間帯は脳の活動が非常に活発です。仕事や授業の合間なので、頭が冴えています。短い時間ですし、記憶喚起に使うのが効果的です。朝の通勤通学途中で覚えたことを繰り返すといいのではないでしょうか。
 昼休みは休憩できる貴重な時間だから、ゆっくりしたいという考え方もあるでしょう。職場の人や友達との憩いの時間だという面もありますが、起床時間から考えるとこの時間帯を雑談だけで終わらすのはもったいない気がします。毎日でなくてもいいでしょうから、今日は勉強するという日を決めてはどうでしょうか。
 仕事で疲れているので、何もしないで休みたいという人もいるでしょう。しかし、脳生理学的にいえば、仕事上の緊張感をほぐすためにはただ何もしないでいるより、異質の緊張感の中に浸ったほうがいいのです。独学や趣味のための軽い勉強時間は気分転換になります。効果的な記憶喚起と気分転換に昼休みを利用してください。
 1日は誰にとっても24時間です。現代人は忙しい。独学のための時間は自分で作り出すしかありません。時間を有効に使える人が成功するのです。

・脳生理学的にいえば、仕事上の緊張感をほぐすためには何もしないでいるより、異質の緊張感に浸ったほうが効果的。
・昼食はなるべく早く済ます。
・昼休みに、仕事と関係ない軽い勉強をする。

■いつも勉強していないとなまる■

休憩は、身体がデスクに同じ姿勢で向かい続けていると疲れるので、必要なだけです。生きている限り脳は働いています。それでも、脳は疲れないのです。
学校を出ると勉強しなくなってしまう人は非常に多いです。勉強はつらいもので我慢してやっているから、そうなってしまうのです。それは学校の勉強が必ずしも楽しくなかったからです。
 その原因は学校教育の方法にあるのではないでしょうか。教材や教え方が生徒の好奇心を刺激しないからです。試験のために「覚えるという作業」と「知識を深め、研究するという作業」がごちゃまぜになっているからではないでしょうか。試験のための勉強と研究や学問はそもそも違うのです。それぞれに合ったやり方があります。試験対策は徹底的に繰り返し記憶することに重点を置いて取り組むべきなのです。
 目的に合った勉強法を選択して、いつも勉強に対して現役でいることが大切なのです。

・いつも勉強をして現役でいることが大事。

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2008年09月01日 13:23に投稿されたエントリーのページです。

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