この本の中で、小学生を対象として、先生の志向別に学習の平均点が出ています。
これを見ると明らかに個別志向型の先生が、生徒の成績を上げているのがわかります。
さらに学習遅滞者の発生率を先生の志向別に見てみますと、下記のようになります。学習遅滞も個別志向型の教育により、防げることを、このデータは明確に示しています。
さらに学習速進者の発生率を、先生の志向別に見てみますと、下記のようになります。さすがに優秀な生徒は、個別志向型ではもちろん伸びますが、方向性の定まらない先生のもとでも、速進性を発揮しています。おそらくまだ経験の浅い先生は、優秀な生徒は放任していまうので、それがプラスに働いているのでしょう。
この3点のグラフから、個別学習指導がかなり重要なことがわかります。個別学習指導をするには下記の点が必要になってくると思います。
①生徒のテストデータを数多くもち、成長過程が記録されていなければならない。
②個別指導をする時間を増やすには、よほど効率的に業務を遂行しなければならない。
③各生徒の性格、成長性、得意分野などを把握して、的確に個別指導をしなければならない。
これらのことを可能にする先生は、よほどのベテランの優秀な先生でなければなりません。若い時から個別指導をさせるには、ITの力を借りることで、ある程度補えると思います。
①では生徒の学習履歴を蓄積する。②では先生用グループウエアを併用する。③は成績管理の部分をより簡単に分析できるシステムにする。
以上この3点をうまく活用すれば、若い先生でも早くから個別指導がうまくなるのではないでしょうか。ただ忘れてはならないのは、なによりもまず、生徒が学習を楽しいと感じさせることが大切で、そこで問われるのは先生の「人間力」だと思います。